自称悪役令嬢は嫌われるべく暗躍する!皆の幸福の為に嫌われるはずが、何故か愛されてしまいました。

ユウ

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第一章

28イベント

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他の攻略対象と異なりクラウスのイベントは少なかった。
その中でレア中のレアが存在する。


確か、放課後の料理教室。
ヒロインがクラウスの為に家庭科室でお菓子を作るのだ。

しかしドジっ子ヒロインは学校の家庭科室の使い勝手の悪さに苦労する。


そう例えば、火の調整に。


「レティシア様!」

「え?」


火力を極端に上げ過ぎて大火事になるのだ。


「わぁぁぁ!火を…」

「お待ちください油ですそれ!」

「ええ!」


水を消すべく傍に置いているボトルを手に取りふっかけると炎は悪化してしまう。


「馬鹿!蓋だ…蓋をしろ」

「ウド様・・きゃああ!」


グレスティア様が水で濡れた蓋を使おうとするも、何故か炎がまた悪化した。


「どけ!」


ウド様が急いで蓋をしてくれたおかげで怪我人はなかったのだが。


「お前達は何をしているんだ!慣れない人間が家庭科室に入るんじゃない」

「すいません…皆でお菓子を作ろうと思ったんです」

「お前は馬鹿か!グレスティアまで巻き込んで…怪我でもしたらどうする気だ!」


全くその通りだ。
私の思い付きで怪我をするかもしれなかった。


「お待ちください。レティシア様は悪くなりませんわ…私が」

「君に怪我を負わせてしまったら伯父上にもどう詫びればいいか解らない。ただでさえ不本意な婚約をさせられているのに…傷物など」

「え?」


申し訳なさそうにするグレスティア様に言葉を重ねるウド様。
やっぱり負い目を感じているんじゃないか。


「ウド様はグレスティア様が怪我をしたら心配ですか」

「馬鹿を言うな。当たり前だろう」

「っ!」


グレスティア様は目を見開く。
きっと二人は言葉を全く交わさずすれ違っていた。


「本当でございますか!」

「うぉ!何だ…」

「私が怪我をしたら心配してくださいます?」

「まぁ…婚約者だしな」


一歩下がるウド様はなんて女々しいのかしら。


「素直に心配だと言えばいいでしょうに」

「はぁ?何言って…」

「本当なルクシオン様の代わりを務められる自信がないとおっしゃる方が男らしいですわよ!男ならグレスティア様を幸せにしてやるぐらいおっしゃい」


そうだわ。
ここは悪役令嬢の出番じゃないかしら?

堂々とこの後ろ向き王子をけしかければいいのだわ。


「おい…」

「ルクシオン様とウド様は真逆なのですから同じになるなんて無意味。第一無理ですわ」

「お前、また変な遊びか…何で海老の体制になっているんだ」


高圧的なポーズを取る為に見下すようにしたが、海老のようだと言われてしまった。


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