兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ

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第一章

30シェパードの誤算②

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子爵の爵位を継承できなかったら結婚できない。
王都に行くこともできなくなる。


俺はこんな田舎でくすぶっているような人間じゃない。
ゆくゆくは王都に住んで、高位貴族と肩を並べるはずだったんだ。


伯爵家の縁者となりミリアルの実家とも深く付き合い伯爵領地を貰うつもりだった。


なのになぜこんな事になったんだ!


「どうするんですか母上!」

「どうもこうもないわ!なんとかんしないと…男爵なんて!」


子爵と男爵では爵位が違い過ぎる。
男爵は元平民が多く、金だけ持っている商人は爵位を金で買っている。


「これではミリアルの両親との顔合わせで…」

「そんな事どうでもいいのよ!」

「どうでも良いって何だ!」

俺の結婚が万一白紙になったらどうするんだ。
既に俺は友人にも結婚する事は話しているし、相手は伯爵令嬢と言う事で将来も約束されていると自慢しているんだ。


それが子爵の爵位を奪われ領地も没収になったら?

いや、それ以前にこれからどんな生活を強いられるのか見当もつかない。


「こうなったらなんとしてもあの女の実家から援助を受けなさい」

「え?」


「今より困窮した場合、私の生活が成り立たないわ…私を守りなさい」

「何を…」


母上は自分を守れというけど、同居は無理なんだぞ?
なのにそんなことを言うなんて。


「そもそもあんなハズレ嫁を連れて来るなんて」

「ハズレってあんまりじゃないか!」


「私を追い出してランフォード家を乗っ取る気だったの?私を捨てて」

「母上!」


何で俺を責めるんだ。
俺が幸せになるのが母上の願いなんだからそれぐらいで怒る事はないだろう。


「別に少し離れた場所に住むだけだろ」

「この邸は私のものなのよ…それを追い出すなんて!」

「息子の為に残そうとは思わないのか」


今まで俺は良い息子であったはずだ。
優秀で母を大事にする自慢の息子だったのに、息子の幸福の為に邸を明け渡すぐらいしても良いじゃないか。


「なんて事を…あの女に何か言われたのね」

「母上は俺を何だと思っているんだ」


一体どうしたんだ。
今までは俺の願いは何だって聞いてくれた母上はあの男と離縁してからおかしくなってしまった。

全てが順調だった。
完璧だった俺の人生が狂い始めた。

そしてその狂い始めた人生は始まったばかり。



二週間後の顔合わせにて。


「今回の婚約は破棄させていただきます」

「慰謝料を請求させていただきますので!」


「なっ…待つて下さい!」


ミリアルの両親に婚約破棄と慰謝料の請求を突きつけられてしまうのだった。


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