兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ

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第一章

31シェパードの誤算③

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王宮から来た文官が王都に戻って数日後。
ミリアルの両親の顔合わせの日が来たが、予想外の出来事に俺達は固まった。

そして日を改め話し合いの場を設けることになったが、既に話し合いと言えるものではなかった。


「この度の婚約を白紙を戻させていただきます」

「まさか、こんな事になるとは」


感情を押し殺しているのか、それとも静かな怒りなのかとも思ったが、ミリアルの父親は私達を睨んでいた。

何故だ?


「いきなり婚約を白紙にするとはどういう事です?既に話はまとまって…」

「何故とおっしゃいますの?」

「まさかここまで侮られていたとは」


冷や汗が流れる。
俺達の事はまだ噂になっていないはずだ。

なのに――。


「結婚詐欺をするような男だったとは…なんという馬鹿な」

「なっ!」

「爵位を偽るのは重罪ですわ。私も落ち度はありますが…婚約前にちゃんと調べるべきでしたわ」


調べるだと?
何の権利があってこんな真似をする。


「結婚前に素行を調べるのは当然だ。貴族の婚姻は国王陛下の許可があるのだから」

「そんな常識も知らないのかしら」


「でも…詐欺だなんて!ゆくゆくはシェパードが爵位を引き継ぐのは事実で」

「いいえ、嘘ですわ」


ミリアルの目が何時もと違う。
俺を深く愛してくれた無邪気なミリアルは何処に行ったんだ。


「シェパード、爵位を引き継いでいるのとその予定では随分違うわ。それにランフォード家は子爵から男爵に下げられると報告が来ています」

「報告?」

「ディアス様がいらっしゃらないのが不思議でなりませんでした」


ここに来てもあの男が影響されるのか。
無能なあの男の所為で何処までも俺の邪魔をすれば気が済むんだ。


「だけど、ここまで来て…」

「謝罪はありませんの?」

「は?」

伯爵夫人が母上を睨みつけた。


「過失があるのは貴方達でしょうに。なのに悪いという気は一切ないのですか」

「何を言って…」


伯爵夫人は詫びがない事を怒っている。
そうか、謝罪がないのをおこっているのか、ならば謝れば事は収まる。

「申し訳ありません…」

「謝っても許しませんけど」

「なっ!」

俺が頭を下げているのに、なんて傲慢な女だ。


「何て悪趣味な」

「どっちがですの?爵位を偽り、娘を騙して我が伯爵家の財産を狙っていたのかしら?」

「以前からシェパードはおかしいと思ったんだ」


何だと?
以前から俺を疑いを持っていた?


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