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第二章
6お父様の交流関係
しおりを挟むお父様のご友人なんてほとんど知らなかった。
「ディアス様は学生時代本当に優秀な方でしたのよ」
「父がですか」
「補足すると変な虫に好かれる才をお持ちです」
「虫…ですか」
損な才能あったかしら。
「ええ、本当に虫のような男に。一番は陛下ですわね」
「陛下ですか…はい?」
今なんと?
陛下っておっしゃいました?
「その時は地味で冴えない拗らせた洟垂れ小僧でしたけど」
「前ハインシュ公爵夫人…」
「いやですわ。オリアナとお呼びになってくださる?ア・ン・リ様」
またしてもアンリの顔色が見る見る悪くなっていく。
「オリアナ様」
「素直でよろしい。話を戻しますが」
「はい」
お父様は在学中に一体何をなさったの?
「ディアス様は入学当初から優秀でしたが馬鹿な身分だけのボンクラ共に嫌がらせを受けてましたの」
「はい」
「ですが、聡明だったので本人に直接仕返しされず耐えられましたわ。まぁ、権力を嫌う学者がその光景を見て馬鹿共は厳しい裁きを受けましたの」
私も王立学園に在籍していたから解る。
あの学園は完全な実力主義で一切の権力も通じない。
とは言え苛めがないわけではない。
マンモス校でもあるのですべてを教師だけで徹底するのは不可能だった。
「ディアス様は当時から面倒見がよく、体の弱い生徒や問題を抱えている生徒の世話を焼いていたのです」
「それで、その問題ありの生徒が王族だったり国の最高峰の立場にある生徒だと言う事ですか」
「鋭いわね。正確には跡継ぎから外された行き場のない生徒だけど」
「え!」
話しがイマイチ良く解らなかった。
だって国王陛下は妾腹の王子だと聞いているけど、王太子となり18歳の若さで王位を継いだ。
「どういう事でしょう?」
「簡単に言えば天才肌でありながら、他人と歩調を合わせられない問題児軍団です」
キツイ。
なんてストレートな言い方なのかしら。
「ちなみに」
「はい」
「昔は私もそのうちの一人ですわ。我儘で独りよがりで世間を知らない愚か者でした」
自分の事をここまで酷く言う人がいるの?
「取り巻く環境の全てが大嫌いでした。誰にも理解されないのは苦しいと」
「オリアナ様…」
恵まれている環境でも、それは第三者から見たらだ。
他人の環境は良い様に見えて、真実は本人にしか解らない。
「貴方のお父様は本当に素晴らしい方でしたのよ」
「はい…」
「誇りに思ってくださいませ」
お父様がどんな学生生活を過ごしたか解らないけど、この言葉は真実だ。
私にとっても自慢のお父様なのだから。
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