兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ

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第二章

28道化師

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困惑するユナ嬢はベノアがどれだけ間抜けな男と知らなかったのか。
ここまでくるとお笑い者だった。


そう思っていたのに。


「まぁベノアったら昔から変わらないのね。フフッ」

「は?」

何で嬉しそうに笑っているんだ!
ここは呆れる所だろうが!


「言わないでくれ」

「私の時も本当に女性に慣れていなかったもの…でも嬉しいわ」


は?
何だこの空気は。


「奥手の貴方が大胆なプロポーズをしてくれたのだから。まるで小説のような筋書きで」

「うっ…恥ずかしから止めてくれよ」


なんだと!


「シェパード、君が学生時代教えてくれただろ?本当に好いている女性なら時には強気で行くべきだって。だから強気で…」


「強気になりきれなかったじゃない。でもそんな真っすぐさを母も伯母も気に入ったのよ」


「ううっ…」


まさか二人は――。


「ベノア」

「公爵閣下!」

「は?」


俺達の間に割って入って来たのは見事な礼服を来た紳士だった。
どこかで見た事があるような。


「公爵閣下は止めないか婿殿」

「ですが、まだ僕は婚約者と言う立場でして」

「何を言うか。後に君は四大公爵家の一人になるのだから」


四大公爵家だと!
我が国では国を動かす宰相や大事以外で大貴族と呼ばれる四大公爵家が存在する。

そのうちの一人が目の前の紳士。
どうりで身に覚えがあると思ったが…


「ベノア、どういうことだ?」

「こちらはペルシア公爵様で、ユナの養父で伯父に当たる方なんだ」

「初めまして。ジオン・ペルシアです。ベノアの友人ですかな?」

「はっ…はい」


嘘だ。
あの地味で冴えない土いじりと花だけが友達のベノアが公爵家に婿となったなんて!


「しかし、ベノアは伯爵家の子息では?」

「ああ、そうだが…伯爵家なら問題ない。血筋や家格なんて後からどうにかできる。何より必要なのは領民の信頼と、優秀であるかだ。学生時代にある友人に嫌と言う程教えれてね」

「伯父様も元は侯爵家の三男でしたものね」

「ああ、彼は男爵家の三男でありながらも当時の国王陛下と友人となり学園を変えるべく奔走された。私の憧れだ。ディアス・フォレットと言う方でね」


何だと!


ディアス・フォレットとはあの男の旧姓ではないか。


馬鹿な。


そんなことは信じないぞ!


「当時、学園も荒れていたんだ。現国王陛下も王宮では不当な扱いを受けていらしたが、その境遇を変えてくださったのがディアス様だ」


「私も聞いていますわ。宰相様や文官長様は彼に並みならぬ恩を感じながらもディアス様は見返りを求めぬ素晴らしい方だと…王都に残っていれば財務大臣は確実だと」


あの無能な男がありえない。
こんなの絶対に嘘だと思っていたが、俺は気づいていなかった。


今夜の舞踏会に参加しているほんどの招待客があの男と関りがある事を。


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