5 / 311
序章
5.悪役令嬢(仮)の役目
しおりを挟むとりわけ問題ないと思っていた。
でも、私が八歳の頃に事態は急変したのだった。
ここが剣と魔法のファンタジーだけの世界ならまだいい。
でも、この世界が物語になっているとしたら、平和に過ごすなんて不可能だった。
特に高位貴族という立場故に、王族とは切っても切れない縁がある。
王家に何かあれば、我が公爵家もドボンだと言うわけだ。
そのドボンになるポジションに私がいた。
それは、私が悪役令嬢(仮)に転生したからだ。
ちなみに悪役令嬢は複数存在しており私だけではない。
私の場合はモブに近い悪役令嬢。
後に婚約者を横からかっさわれる役回りなのだけど。
この世界は前世で流行った乙女ゲームの負けヒロインの立場だった。
乙女ゲームでは悪役令嬢はヒロインの敵として立ちはだかるのだが、最後はヒロインに負けて舞台を退場と言う形になるのだが、そこで終わらない。
権力を欲する強硬派の貴族はあの手この手で妨害し、ついでにヒロインに陰湿な嫌がらせをしていたのがエリーゼと言う事になっている。
そう、エリーゼは注意こそしても嫌がらせはしてない。
実際嫌がらせをしていたのは他の令嬢で、婚約者を寝取られたエリーゼの為にしたのだと、最後は罪擦り付けられる。
他の生徒からは、自分が指示してなくても、公爵令嬢ならば止めるように言うべきではないかと言われ、結局責任を押し付けらるのだ。
後から解ったけど主犯はマリアンヌ。
ただし、彼女も意地悪した程度と、後は高位貴族としての誇りと責任がそうさせたようだ。
プレイ側からすればムカつくとも思うが、通常平民と貴族では立場が違い過ぎる。
だからこそ礼節を重んじない平民の態度が悪ければ貴族側からすれば許せないだろうし、だからと言って攻略対象達は己の立場を忘れ恋に溺れて、他人を傷つけて良い訳がない。
ゲームならエンディングを迎えてハッピーエンドかもしれないけど。
現実ならその後はどうなるのか。
冗談じゃない。
国が沈むし、何よりヒロインの逆ハーレムルートになって行けば最悪の結末が待っている。
貴族達の恋愛ゲームの所為で平民達の生活が脅かされるなんてあってはならない。
そこで私は考えた。
こうなったら私が悪役令嬢にならないようにすればいいと意気込んだのだが。
努力するまでもなく私は悪役令嬢の器はなかった。
悪役令嬢とは淑女の鑑。
どう考えても無理だろと思いながらも努力したが…人間身の丈に合わない事はするものじゃない。
基本水準が低すぎたのだ。
その代わり令嬢としての素質は妹のマリアンヌが受け継いだ。
けれど、今の所特に問題ない。
何よりゲーム上ならば私は王子と婚約をすることになっている。
でも、今の所は婚約話がまだ出ていない。
逆に、マリアンヌに婚約話が殺到してしまっているのが現状だ。
おこぼれで話は来ているとマリアンヌが態々教えてくれた。
悪役令嬢にはなりたくないけど、公爵家に泥を塗るのはいただけない。
ならばお飾り婚約者として大人しくして、ヒロインを支援する立場に回ればいいのではないか?
そう考えるようになったのが今の現状だ。
その所為で別の問題も生じてしまっているのだった。
とりあえず幼少期は静かに過ごそう。
そして家族を守るべく今から備えようと考えていた。
127
あなたにおすすめの小説
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる