冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!

ユウ

文字の大きさ
89 / 311
間章

4.暴挙



これまで誰からも美しいと言われて来たマリアンヌからすればありえない事だったが、彼等は高位貴族でもあるので媚びを売る事はない。


でも、悪戯に相手を傷つける事はないのだ。


なのに、何故?


「それから誤解がないように言っておく。彼女は学園を追い出されたのではない。成績も悪くないぞ…生徒会のメンバーこそ選ばれなかったがクラス代表だ。人望もあり、同級生からも慕われ寮長にまで抜擢されている」

「教師からの信頼も厚く、慕われている。流石俺の友人だな!」

あまり持ち上げないでくださいスザンヌ様。
そしてロベルト様、そんなに威張って言わないで欲しいのですが。

「そうだぞ!俺なんて一年ダブっているからな…!エリーゼの方がずっと優秀だ」

「笑う所ではありませんわリオネル様…」


リオネル様に頭を抱えるジュリアン様の苦労が見えるわ。


「お義姉様は学園でもちゃんと功績を残しておられます。知りもしないで勝手な事を言わないでください」


「シルビア…」

「第一、修道院から追い出されたのは貴女ではありませんか。噂は聞いてますわ…他の令嬢に無礼をして問題騒ぎになったとか…恥知らずなのはどっちなのかしら」


私の腕にしがみ付きながらキッと睨みつけるシルビア。

ああ、泣いてばかりで内気なシルビアに私は涙する。
成長したのね。


心の中で涙を流す。


「典型的な貴族ですね。しかも前時代的考えで最低ですね?失礼ですが、貴女はエリーゼさんやハイネさんと血が繋がっているのでしょうか?もしや隠し子や愛人では」

「スコットさん…失礼ですよ」

「ですが、あまりにも教養が無さ過ぎますよ。淑女として気品が一切感じません。平民の10歳児でもここまで礼儀知らずではありませんね」

「きっと、エリーゼ様に気後れしているのですわ。だってエリーゼ様はこんなに素敵な方ですもの!」


サーシャよ。
そんな真っすぐな瞳で言わないでおくれ。

マリアンヌは私を見下しこそしても劣等感を抱く事はないのに。


「この私が…ありえない」


「マリアンヌ?」


顔を俯かせ震えるマリアンヌに近づこうとするが――。


「ふざけないで!」


手を差し伸べようとした私にマリアンヌは傍にカップを投げ、私はお茶を被ってしまった。



「あっ…」

「エリーゼ!」

破片が飛び散り私の手から血が流れた。


「お嬢様!」

ランが急いで駆け寄り、ハンカチで止血をしてくれる。


「大丈夫ですか!」

「あんまり熱くないから大丈夫よ」

お茶が冷めていたので火傷はしなかったが手が赤くなってしまった。


「エリーゼ様、手を…」

「サーシャ、大丈夫よ」

「すぐに治します」


涙目になって私に駆け寄るサーシャに他の皆はマリアンヌを睨みつけた。


感想 683

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった

歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。 だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」 追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。 一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。 誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。 「その言葉は、もう翻訳できません」

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

いいえ、望んでいません

わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」 結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。 だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。 なぜなら彼女は―――

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました

ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。 ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。 王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。 そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。 「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

「離縁状の印が乾く前に、王太子殿下から花束が届きました」〜五年間「置物」と呼ばれた侯爵夫人、夫が青ざめるのは王家との縁が切れてからでした〜

まさき
恋愛
侯爵夫人として過ごした五年間、夫に名前を呼ばれたことが一度もなかった。 愛人を夜会に連れてきた翌朝、私は離縁状を置いて屋敷を出た。 夫は「すぐ戻る」と思っていたらしい。 でも届いたのは、王太子殿下からの白薔薇だった。 「五年、待ちすぎました。今度こそ私の隣に」 幼馴染の殿下は、いつも私を「アメリア」と呼んでくれた。 ただそれだけで、五年分の何かが、ほどけていった。 夫が全てを失うのはこれからの話。 私が本当の笑顔を取り戻すのも、これからの話。