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序章~出会い
9.道端で大爆笑
しおりを挟む敵からの申し出により私は食事に誘われました。
しかし、困りました。
私の服装はスーツに近しい恰好なので正装をしなくてはならないのです。
「このお店には入れません。今から服を買いに行きます」
「待ってください、私を誰とお思いですか?服飾店のオーナーでもあるのですよ」
パチン!
指を鳴らして何をしようというのか。
「どうぞこちらへ」
「は?何です!」
何処からか現れた方達は何処に潜んでいたのでしょうか。
「驚きましたか…」
「素晴らしい。この気配の隠し方!是非私にご教授ください。次に調査する時に役立ちます。気配を消して敵の懐に入れます」
「いや…そこなんですか!」
「それ以外に何か?」
このスキルを手に入れれば今後強敵となる商会に探りを入れることも可能ではないでしょうか?
「是非私にその気配の消し方をご教授ください」
「えっ?そう言われましても」
何としても欲しいスキルです。
一度断られても諦めいのが私の信条でありスッポンと呼ばれる私です。
こうなったら交渉しなくてはなりません。
「ブハッ…あははは!」
後ろでお腹を抱えて転げるように大笑いしているブリリアント商会の会長が少年のように笑っています。
何がそんなにおかしいのでしょうか。
「マスターがお笑いに…あのマスターが」
「ああ」
黒子さん達は彼を見て固まっていました。
そんなにおかしい事なのでしょうか?
出会った頃から彼は笑ってましたのに、何がおかしいのか私にはさっぱり解りませんでした。
しかし私を見てあんな風に笑う男性は初めてかもしれません。
前世でも私は同じ部署の男性ならばいざ知らず、他の部署の男性からは嫌煙されていましたし。
幼馴染で古い付き合いの彼ですら時々私の行動に距離を持っていました。
「マスター、笑い過ぎです」
「だが…あの真剣な表情を見たか?まるで獲物を見つけた肉食動物のようだぞ」
「失礼ですよ」
「本当に面白い…真面目を通り越して天然だ!」
何時までも笑い続けている彼に申し訳ないのですが誤解を解かなくてはなりません。
「失礼ですが、訂正させていただいても」
「何です?」
「人類皆、天然です。生き物ですから」
「いえ、お嬢様。そいう意味ではありません」
私の回答は間違いがないはずなのですが、どうしてそのように困った表情をされるのかまるで理解ができませんでした。
「ん?このレストランは内装も素晴らしいですね。職人さんの腕が一流です。細工も見事です…是非、紹介をしていただきたいです」
「いや、そうではなくてですね」
「マークさん、こちらのお店は姉妹店等はございますか?できましたら比較をさせていただきたいのですが」
副ギルド長にも相談して商会内のリフォームを提案してみるのもいいかもしれません。
「申し訳ありませんが、当店は会員制でして」
「そうですか、では会員になるにはどうしたら」
「そう申されましてもですね」
マークさんの表情を見てお金を払えば会員になれるわけではないようですね。
「ではオーナーに直接交渉しましょう」
「いいえ、一番手っ取り早い方法がありますよレディー」
「はい?」
オーナに交渉するよりも手っ取り早い方法とななんでしょうか?
「この店はブリリアント商会が営むレストランですから、貴女がうちに来てくだされば」
「マスター!」
これはもしかして。
「初めて会った時から貴女を見て運命を感じました。どうか…」
「ヘッドハンティングですか」
「は?」
ようするに私をブリリアント商会に欲しいとおっしゃるのですね!
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