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第一章婚約破棄と白のグリモワール

12教室での騒動

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夏休み明け、学校に復学したのだが。
メアリは学校内で冷たい視線にさらされながらも背筋を伸ばす。


相変わらずメアリを悪く言う人は多かった。


ふとユーフィリアの後ろ姿が見えた。


「ユフィ!」

「メアリ…」

隣にはアークがいた。

罰の悪そうな表情するアークを見てメアリは笑顔を浮かべる。

「おはよう!今から教室に行くんだよね!私も一緒に行っていい?」

「ごめんなさい、これから職員室に行くから…」

「悪いけど、俺も…」

「じゃあ待ってるから」


二人の用事が終わるまで待っていると言うも。


「ユフィ、どうしたの?顔色が」

「メアリ、悪いが一人で行ってくれ」

「でも…解った」


顔色の悪いユーフィリアを心配するメアリは鞄からポーションを出す。

「体調が悪いならポーションを…」

「ありがとう」

取り出したポーションを受け取ろうとするも。


ガシャン!


ポーションを間違えて落としてしまう。

「ごめんなさい…私」

「ううん、いいの。体調が悪かったんだね」

「大丈夫かユフィ。保健室に行こう」


そう言いながらアークはユーフィリアをお姫様抱っこをして振り返ることなく去って行く。



「最低…」

「わざとポーションを落とさせたてなかった」

「仕返しにあんな真似をするなんて…ユーフィリア様が気の毒ね」


ポーションを落としたのはわざとだと噂する女子生徒。
メアリの親切心は仇となり、またしても敵が増えてしまったのだった。


それ以降、教室でも冷たい目でみられてしまい。
教室にも居場所はなく、席に着こうとすれば無視をされる。


「やだぁ、何でこんなのが教室にいるの」

「最低」

「今朝もなユーフィリア様にポーションを投げたんですって」

「最悪!」


登校前の噂が飛躍していた。
ポーションを投げたわけではないのに、勝手に噂が独り歩きをしていた。


「道を開けてくださらない」


「悪が通らせてもらえるか」


そんな中現れたのは生徒に陰口を言っていた女子生徒は固まった。


「メアリ様、酷いですわ。お一人で行くなんて」

「一緒に登校したかったのに、つれないな」

「明日からはお供させてください」


教室に入って来た三人はメアリを囲んだ。


「えっ…姫様?」

「何で剣帝のミカエル様が…」

「ダークエルフのギーゼラ様まで!」


学園内でもこの三人は有名人だった。
賢者である王女であるリリーシアは国王代理の娘にして国政にも関わり。
光の魔力を持ち、国一番の剣豪としても名高い王太子、ミカエルも同様にだ。
そしてダークエルフの長であり、戦士でもあるギーゼラは王子の側近としても有名だった。


この三人が何故かメアリの傍を囲み親し気にしているのは異様だった。






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