白のグリモワールの後継者~婚約者と親友が恋仲になりましたので身を引きます。今さら復縁を望まれても困ります!

ユウ

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第三章真実の聖女

13崩れる居場所

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その日からユーフィリアの評価は一気に下がっていた。
期待の魔術師と言われながらも魔力を暴走させ、治癒一つできず消火活動もできない役立たずで自分は悪くないといいながら悲劇のヒロインぶっているそうだ。


対する怪我を負った生徒は大やけどを負ったが、上級ポーションのおかげで傷は残らなかった。
アフタフォローも中等部の治癒師のおかげでケアも完璧だった。


カウンセリングをした生徒はあの事件。
魔物襲撃事件で襲われそうになった生徒の一人だった。


他にも事件解決に協力したテイマーの生徒も活躍していた。
彼等は一連の噂を信じていなかったし、むしろメアリが嫌がらせで噂を流されたと思っていた。


彼等は口をそろえて言ったのだ。


「本当の恐ろしい人は自分の手を汚さないわ」

「あの方は危険を冒してまで矢面に立ってくれた」

「命がけで私達を守り、道を示してくれた」


言葉は疑い出せばキリがない。
だからこそ彼等は一番信じた人の言葉を信じ、見てもない噂を信じなかった。


その言葉に、噂に踊らされた生徒は恥ずかしいと感じた。
ユーフィリアを聖女として褒めちぎっていた生徒は反省をするも、己の保身を最優先する者は反省はしない。


一番質の悪い人間は自分の身が悪くなれば直ぐに手のひらを返し、噂を広めた生徒達はそ知らぬふりをしていたのだが。


「誰が噂を流したのでしょうね。万一国に貢献する治癒師…しかも辺境伯爵令嬢を陥れたとなれば由々しきことです」

「風紀委員長…」

「学園側の風紀を乱しただけですみません。我々は調査をする必要があります。調査の許可が出ています。匿名で監察対象となりました」

「監察!」


通常警備期間内で監察対象を行うのは学生ではありえない。
だが、エレンデール魔法学園は貴族が大半で学園側が認めれば監察対象とする事が許される。

罪人としてでなくとも対象になる事は大変不名誉な事だった。


「そんな!」

「これは決定事項です」

許可証を突きつけられれば何も言えず、彼等は大人しく従わなくてはならなかった。
表向きは流行病により隔離されたと言う事にして家宅捜査を行った後に、ユーフィリアから取り巻きが離れたと同時に、今度は学生たちを同行させた魔物の討伐が始まった。


しかし、そこで一番最初に離脱者が現れた。


敵前逃亡したのはアーク・カートンだった。
強大な力の前に怯み、聖騎士のスキルを発動できず軽傷を負った後に傍にいた仲間を身代わりにして逃げたのだ。


対するユーフィリアも非戦闘員を犠牲にして逃げ出した。

それにより宮廷師団は王家からも国民、ギルドからもバッシングを受け権威も失墜してしまったのだった。



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