白のグリモワールの後継者~婚約者と親友が恋仲になりましたので身を引きます。今さら復縁を望まれても困ります!

ユウ

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番外編

元伯爵家のその後①

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婚約式に乗り込んで来たアークは王都新聞でも大きく取り上げられた。


婚約式には他国の新聞記者が許可を得て数名取材に来ていたのだが、その新聞記者が女性記者だった事もあり、新聞の文章は女性側の内容だった。



『苦難に耐え忍ぶ美しき天使』


『乙女の純情可憐な思いを踏みにじった偽りの騎士』

『伯爵家も教皇猊下を虐げていた事実が判明』


これまで男女の間で問題が生じても、女性は耐え忍ぶばかりなのが当たり前だった。
しかしメアリの仕打ちを黙認して良いのかと、女性新聞記者、ベルミア・ガルアが声を上げた。


彼女に賛同するようにこれまで声を上げられなかった女性。
国民だけでなく下級貴族の女性は声を上げた。

男尊女卑が当たり前であっても女性を道具として扱って許せるわけはない。


特に賛同したのはアルフリード帝国の女皇帝だった。

女性が生きやすい世を目指すユリウスの姉は今回の事を重く受け止めたのだ。


対する王族であり元王女であるリーシアも今回の出来事を重く受け止めたのだ。
他の女性でも公にされていないだけで泣き寝入りしている女性も多く、これまで諦めていた女性は立ち上がった。


そして今回の事を繰り返さないために動きが見えた。


数少ない女性弁護士が、法律を見直し。
尚且つ、都合よく真実の愛の名の元に理不尽な扱いをする事。

噂に踊らされた者に対しても罰を与えるべきだと声をあげたのだ。


その意見は議会でも話題となり、受け入れられる事となった。



そして、今回アークが起こした事件は当人だけでなく、親や親族も関わっていたのだ。




「こんな事になるなんて」

「これからどうするの!私達には逃げ場もないわよ!」


カートン領地を追われたアークの両親は夜逃げをしたが、行く場所などなかった。
慰謝料の請求は裁判が始まる前からモリガン家のせきにんにして支払う気はないと言って突っぱねるも、アークがメアリにした事は許されるものではない。

なのに二人はアークを繋ぎ止められなかったことを責めて更に自分達の首を締めたのだが、家宅捜査の許可が降りたので邸を調べ回ると、バルセルク家の家紋が入った宝石に、借金の保証人がメアリに書き換えられていた。

他にもメアリの名義でお金を借り。
書類を偽造したりしていた事っも解り、逮捕できるだけの罪を重ねていたのだが。


更に問題だったのは、アークの不貞を促すような事を手紙で書いていた事が明らかになった。


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