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184騎士団の聖女~副団長side
しおりを挟む我が帝国には二人の女神が信仰されている。
一人はこの帝国の象徴とされるテレサ女神だ。
慈悲と平等を意味する。
もう一人は虹の女神リリス。
元は大女神の侍女で天使でもある。
虹の乙女と呼ばれ、天と地に橋を作り二つの国を結び合わせたと言われる。
神話時代に天と地の諍いを止めたと言われている。
我が帝国で天使の物語は必ず出てくる程だ。
白銀の髪に透き通る瞳に白磁のように白い肌をしているのが特徴的だ。
平民の間ではリリスのように美しく思いやりのある子になって欲しくてリリスの名をもじってつける母親も少なくない。
だが私はその化身であるご令嬢に出会った!
この度、エルフレッド殿下に医師として派遣されたご令嬢だ。
貴族令嬢でありながら医術に詳しく、我が帝国の危機的状況を救うべく協力してくださるそうだ。
しかもあの噂の白の魔導士殿だと聞かされた時は興奮で筋肉が浮き上がった!
我が帝国には魔法が使える者は貴重だ。
特に治癒師の存在は稀だった。
治癒師の最高峰と謡われる白の魔導士殿。
その方が一時的に侍女兼、騎士の医師として来てくださったが…
実際は現在の宮廷の問題の打開策に来てくださったとのことだ。
隣国セレスティア王国の元伯爵令嬢であったが、王族や高位貴族に追いやられ現在は地位を返上していると聞く。
何時の時代も理不尽な目に合う者は真っ当に生きている人間だ。
善良な人間は利用され、他人を踏みつける人間がいい思いをして行くのだ。
そう思うと泣けてくる。
「皆さん、休憩の時間ですよ」
なのに苦労しているなんてまるで見せず健気な方だ。
現在我が帝国は皇居内も諍いが絶えない。
陛下がお倒れになって代理にベルラント殿下が公務をするようになってから波紋を呼んだ。
まず軍事予算を徹底的に削減した後に、次は教会への寄付だ。
大きな教会には寄付をして孤児院を縮小して取り壊しを命じだした。
増税を増やし改革をすると言うが、富裕層が激しい帝都でこれ以上貧しい貧民から金を取ればどうなるか。
同様に陛下が禁じていたギルド縮小、精霊狩りを再び許可したのだ。
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精霊と人間との間にあった過去を繰り返さないためだと言うのに。
国を豊かにする為に、精霊の暮らしを脅かす行為をする等許されない。
だが、直訴した者は冤罪で罪人にされ。
信仰心の強い騎士も罰せられてしまう始末だ。
その所為で我らの騎士団は医師を派遣してもらえず、予算も減らされる状況だった。
そんな中、救世主となったのが彼女だった。
無償で薬に食料を寄付し、給金だって少ないのに侍女の仕事だけではなく食事の世話もしてくださったのだ。
献身的に騎士達の世話をしてくださる姿はまさしく天使のようだった。
あの自称聖女とは正反対だ。
もし聖女が存在するなら彼女のような方が聖女だ。
我ら騎士団の聖女様だ!
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