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5ドワーフと人間の歴史~侯爵夫人side
肌寒さを感じる季節。
温かい紅茶と甘いお菓子を楽しむ時間は楽しみだった。
テーブルに置かれるティーセットは私の祖国、カスメリア王国から持ってきた品だった。
そのティーセットにお気に入りの茶葉を使ったミルクティー。
至福の時だった。
「奥様、お手紙が来ております」
「今日は寒いわね」
「はっ…はぁ」
「なのでその手紙を燃料にしましょう」
侍女の言葉を待たずして私は暖炉に手紙を入れると本当によく燃えることよ。
「奥様、よろしいのでしょうか」
「ええ、先日マナー違反をしたご令嬢の親がご機嫌取りをしたいのでしょう?何故私に手紙を出すのかしら?被害者は私ではないのにねぇ?」
「それは…まぁ」
「私は怒ってませんのよ?ただ息子の婚約者とは話が合わないなら仕方ないとね?」
折角のティータイムを邪魔されて気分が悪いわ。
社交界でいまだに人類至上主義な考えをする者が多い。
特にドワーフを野蛮だと考える貴族は未だに多い。
なのに、ドワーフの技術を欲しがっているなんて矛盾している。
彼らを人間の国に住まわせ技術だけを欲しがるなんて身勝手すぎるわ。
戦争が始まればドワーフの技術に頼り、平和になればドワーフを毛嫌いし、ドワーフを王都から追い出した行為は許されない。
私の祖国はドワーフのおかげで発展した国と言っても過言ではない。
このフロンティア王国は多種族との貿易を得て、文明の発展をした国でもある。
特にどんな災害が来ても崩れない宮殿。
その技術はドワーフによるもので、本来ならその技術で下級貴族の邸一軒分だけで国家予算何年分必要になるか分からない。
剣や盾を作るのとはわけが違う。
そもそもドワーフは滅多事がない限り個人的に仕事を請け負わない。
現在フロンティア王国では当たり前のようにドワーフの技術を使った建物であふれている。
邸だけでなく調度品だってそうだ。
理由は、ドワーフ王国の王女様が人間に嫁いだからだった。
ドワーフは基本男性が多いのだけど稀に女性が生まれると言われており、本当に稀なことだった。
けれど、ドワーフの国にとっては人間に狙われるという危険性がつきまとった。
ドワーフの技術は神の手と言われるほどに素晴らしく、特に純血種と呼ばれる千年以上も多種族が混じっていないドワーフ同士から生まれた女性のドワーフは特別な力があった。
その力は過去に勇者様の聖剣や聖女様の杖に魔法の杖なども作ったとされている。
ドワーフの姫の手によって作られた武器は未知数で人間達は欲望の為にドワーフの姫を欲しがり強硬手段に出たのだ。
効率よく手に入れるために無理やり契約しようとした。
人間達の…権力者達の勝手な欲にドワーフの姫は人間嫌いになってしまいドワーフ王も人間に対して大激怒して関係を断ち切った。
その為、当時私の国も火の粉を被ったわ。
人間の国からドワーフが消えたとなれば国が傾いても仕方ない。
人間側はなんとかして考えなおしてもらうべく話し合いの場を設けたが、話し合いとは名ばかりだった。
勅使を拘束し脅迫をしたのだけど、ドワーフは私達より頑丈な体を持ち、軍事力もあったので人間が叶うわけもなく力で屈服させようとしたことで更に関係は悪化した。
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