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第1章
第25話 めおと茶碗を愛する人と
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偶然通りかかった神域商店街のくじに当たり、タナボタ的にやってきた連休の温泉旅行。途中、混浴風呂を巡りちょっとした嫉妬を起こしつつも、イチャラブな時間を堪能することが出来た。
心と身体を癒しながら、お互いの絆をより一層深められたし、本当に来てよかったと思う。
個室露天風呂も美味しい食事も、そしてスイレンと2人っきりで過ごす甘いひと時も……良い初デートの記念になった。名残惜しいが、そろそろ帰らなくてはいけない……旅行の記念にお土産を購入したら送迎バスで駅まで直行だ。
「えぇと……やっぱり温泉旅行のお土産といえば、温泉饅頭だよな! 姉ちゃんやギルドマスターへお土産はこの秘湯名物の温泉饅頭にしよう! スイレンは、お土産もう決まったか?」
旅館のお土産コーナーには、秘湯のイメージキャラクターのぬいぐるみや、置物なども充実していたが、家族やギルドマスターへのお土産は定番の温泉饅頭に決めた。
「うむむ……アメニティについていた美肌女神のスキンケアセットが、お得料金で売っておる……。もうすぐ給料も入るし、スグルどのの気持ちを繋ぎとめておくためにも美肌は大事……ここは思い切って……!」
「なんだ……ずいぶんと緊張感に溢れながら選んでいるな……。あれっ……これって夫婦用の茶碗に湯呑み、お揃いの箸も……。スイレン、せっかくだしこの【めおと茶碗セット】を買っていこうか?」
ふと目にとまった神域の職人手作りのシンプルな茶碗と湯呑み、そして箸。夫婦らしく、青と赤の大小ペアで色違いだ。
「それって、もしかして夫婦がお揃いで使うもの……?」
「そう! オレ達婚約したてでまだお揃いのものを用意できていないだろう? 指輪とか、時計みたいに高価なものではないけどさ。勤労学生の収入で買えるものとしては、良い品物だし……」
婚約を双方の家で取り決めてすでに一緒に暮らしているものの、婚約者であることを示すものはまだ用意出来ていない。
それに、学生とはいえ自分で金銭を稼ぐ勤労学生としては、自分自身の給料でスイレンに何か用意してやりたいものだ。
旅館の宣伝によると『めおと茶碗セット】はケース付きで夫婦の記念の品としてもぴったりだとか。
すごく高価なものというわけではないが、品の良いそれなりの瀬戸物と箸だ。せめて気持ちだけでも贈ってあげたい。
「えっ……本当にいいの? スグルどの……。【めおと】って……まだ入籍はしていないけど……」
夫婦特有の【めおと】という響きに反応しているのか、スイレンの白い頬がみるみる蒸気していく。可愛い……。
「ほら、オレ達急な婚約だったから婚約指輪もまだ用意できていないし……せめてお揃いのものをって……んっ、スイレン?」
スイレンが涙で目を潤ませながら、そっとオレの手を握る。
「うぅ……ありがとう……スグルどの。すごく嬉しい……私、良い妻になれるように頑張るから……」
「うん、これからもよろしくな、スイレン……オレの可愛い奥さん!」
* * *
「お世話になりました!」
「またのお越しをお待ちしております。お気をつけて!」
旅館の送迎バスをおりて、帰りの観光客でざわつく駅のホームを抜け無事、列車に乗車。窓の向こう側に見える景色は天然のパワーが充実していて、この土地が雄大な自然に溢れていることを実感させる。次第に紅葉を待つ山々が遠ざかり、海が見えてきた。
「今回は山の旅行だったけど、そのうち海に遊びに行こう。それに、現世の地元からもわりとすぐ海には行けるんだ」
「うむ、この身体が現世にしっかり馴染んだら遠出も出来るようになるし。楽しみじゃ! 今日は、素敵な旅行をありがとう……スグルどの」
「気に入ってもらえて良かったよ。神域の商店街にも感謝しなくちゃなっ! 良い特賞を用意してくれていてさ……。そろそろお昼ご飯にしようか?」
「うん!」
お昼のお弁当は、駅前で購入した『秘湯オイセ記念弁当』という名物弁当。行きの電車で食べたものとは別の種類のもので、オイセ地域の食材をふんだんに使ったご当地弁当だ。
お腹もいっぱいになり、なんだかすごく眠くなってきた。座席は2人用のボックスシート席になっているため気兼ねなく休むことが出来るが……。
「ごめん、スイレン……なんだか眠く……」
「駅についたら起こしてあげるから、休んでていいよ。スグルどの……」
「ん……おやすみなさい……」
ウトウトと夢の世界へと意識を移行しながら、隣に座るスイレンの肩に頭を預ける。スイレンからは、ふんわりとした優しい石鹸の香り……オレとお揃いの香りだ。
愛する人に見守られながら、安心して眠る贅沢。きっとこういう安心感がパートナーを持つという事なんだろう。
『生まれ変わる時は、同じ蓮の花の上に生まれ変わりましょう……』
いつぞやの、夢の誓いが再び記憶を呼び覚ます。オレ達の絆は何世代にもかけて因縁深く築き上げられた一蓮托生の因果。二度と悲劇を起こさないために、そのための服従の誓い。
夢の中では水面の上でゆらゆらと揺られながら、新たな因果解消の記憶の手がかりを見出していた。
* * *
「いまだに信じられません……まさか、家神一族当主が、凛堂にやられてしまうとは……。当主様は、強いお方でしたから」
「幸い、息子さん達は熱田の方へ神通力の勉強に行かれてて無事でしたが……。やはり、レン様と別居されているとはいえ妾などを作るから……」
七代前の家神当主が、凛堂に消されてから数ヶ月後の話。生き残った家神一族の使用人達が、庭先で片付をしながらこぞって噂話をしている。
なんだ、ようやく凛堂家との因縁を解消したのに、もう一度この夢を見させられるのか。
せっかく良い気分で温泉旅行を楽しんだのに……と、不満に思うがどうやらこの夢の意図はもっと奥深いらしい。
「しかし、家神一族は平安時代からずっと安泰だっただろう? なんせ、ご先祖様の誰かがわざわざ自らを犠牲にして【家神】になられたのだから……」
「それが……その平安時代からのご利益が一時的に途絶えたとかで……。ほら、家神様を祀る塚に別の陰陽道の派閥の呪い札が置かれていたって……」
なんだよ、このエピソード……全然聞いてないぞ。平安時代に家神になった一族の人って、多分【天の声】のことだよな。天の声の実体が明治時代に突然見かけなくなったって噂……そういえば異界のお蕎麦屋さんがしていたっけ。
「家神様の守りを呪術で破り……怨みを持つ凛堂を霊的に操り、そそのかして……家神を討つ……か。なるべく、自らの気配を感じさせず、いやはや恐ろしいものだね……歴史から消された陰陽師一族っていうのは……」
そうか、このエピソードは今まで……凛堂家との因縁を解消するまで封印されていたものなのか。表向きの因縁解消がなされて、初めて姿を見せる裏の因縁。
よく考えてみれば霊力で強く守られているはずの家神一族が妾1人に壊滅の危機に晒されるのがおかしい。
ギルドマスターミシャグジ様が言っていたように、やっぱり凛堂を操っていた黒幕がいたんだ……! しかも、【歴史から消された陰陽師】って……何だよそれ……。
季節が移り変わり、生き残った弟子たちにある通達が届く。
「箝口令がおりましてね……何でもこの事は口外しないように……と。あくまでも家神当主を討ったのは凛堂ルリ子……歴史から消された陰陽師一族の仕業ではないと……」
義務的に、淡々と通達を伝える術師に対して不満を述べる弟子達。どうやら、陰陽師として弟子入りしていた者たちの中に当主の仇打ちを検討していた者がいたようだ。
「……そ、そんな! せめて生き残った者たちで、当主様の仇を……!」
「証拠がないんですって。特に黒船が来てからというもの、文明開化で我々のような術師は肩身が狭くなる一方……。せめて、家神一族が残れるように影ながらお助けするのが、我々の役目……」
「あぁ! 平安時代からの……伝承でしかない因果のために……どうして!」
平安時代からの伝承でしかない因果……天の声がわざわざみずからの命を捧げて家神となった理由は、そこにあるのだろうか?
残念ながら、現在の家神一族には平安時代の因果を調べる手立てはない。
【あーあ……辿り着いちゃったんだね……この秘密に……】
突然、オレの潜在意識を遮るように聞こえて来た誰かの声……もちろん馴れ親しんだ天の声ではない。
【まぁ……お手並み拝見かな。キミが見事に平安時代から延々と続く家神一族の因果を断ち切れるかどうか。楽しみにしているよ……若年最強の異界術師さん!】
(まてよ、お前は誰だっ? おい、歴史から消された陰陽師って……一体……)
過去の記憶の断片にリンク出来たのがここまでだった……。気がつくと、列車は終着駅に辿り着いており……。
『スグルどの、起きて……。スグルどの……』
「はっ……スイレン!」
「大丈夫、スグルどの……。温泉に入って疲れが出たのかもしれぬな」
目が覚めるとオレの隣には、愛する婚約者スイレンの姿。きちんと約束通り起こしてくれたようだ。
さっきまでの夢が何を意味しているのかはまだ分からない。だが、どんな試練が待ち受けていようとオレにはスイレンがいる。大丈夫、大丈夫だ……そう自分に言い聞かせた。
「早く帰ろう……ふふっ帰ったらさっそく【めおと茶碗セット】を使って……楽しみじゃのう!」
「そうだな、せっかくめおと茶碗セットを買ったし……早く……帰ろう!」
オレが、あの夢のヌシである【歴史から消された陰陽師一族】と出会うのは……もう少し先の話である。
心と身体を癒しながら、お互いの絆をより一層深められたし、本当に来てよかったと思う。
個室露天風呂も美味しい食事も、そしてスイレンと2人っきりで過ごす甘いひと時も……良い初デートの記念になった。名残惜しいが、そろそろ帰らなくてはいけない……旅行の記念にお土産を購入したら送迎バスで駅まで直行だ。
「えぇと……やっぱり温泉旅行のお土産といえば、温泉饅頭だよな! 姉ちゃんやギルドマスターへお土産はこの秘湯名物の温泉饅頭にしよう! スイレンは、お土産もう決まったか?」
旅館のお土産コーナーには、秘湯のイメージキャラクターのぬいぐるみや、置物なども充実していたが、家族やギルドマスターへのお土産は定番の温泉饅頭に決めた。
「うむむ……アメニティについていた美肌女神のスキンケアセットが、お得料金で売っておる……。もうすぐ給料も入るし、スグルどのの気持ちを繋ぎとめておくためにも美肌は大事……ここは思い切って……!」
「なんだ……ずいぶんと緊張感に溢れながら選んでいるな……。あれっ……これって夫婦用の茶碗に湯呑み、お揃いの箸も……。スイレン、せっかくだしこの【めおと茶碗セット】を買っていこうか?」
ふと目にとまった神域の職人手作りのシンプルな茶碗と湯呑み、そして箸。夫婦らしく、青と赤の大小ペアで色違いだ。
「それって、もしかして夫婦がお揃いで使うもの……?」
「そう! オレ達婚約したてでまだお揃いのものを用意できていないだろう? 指輪とか、時計みたいに高価なものではないけどさ。勤労学生の収入で買えるものとしては、良い品物だし……」
婚約を双方の家で取り決めてすでに一緒に暮らしているものの、婚約者であることを示すものはまだ用意出来ていない。
それに、学生とはいえ自分で金銭を稼ぐ勤労学生としては、自分自身の給料でスイレンに何か用意してやりたいものだ。
旅館の宣伝によると『めおと茶碗セット】はケース付きで夫婦の記念の品としてもぴったりだとか。
すごく高価なものというわけではないが、品の良いそれなりの瀬戸物と箸だ。せめて気持ちだけでも贈ってあげたい。
「えっ……本当にいいの? スグルどの……。【めおと】って……まだ入籍はしていないけど……」
夫婦特有の【めおと】という響きに反応しているのか、スイレンの白い頬がみるみる蒸気していく。可愛い……。
「ほら、オレ達急な婚約だったから婚約指輪もまだ用意できていないし……せめてお揃いのものをって……んっ、スイレン?」
スイレンが涙で目を潤ませながら、そっとオレの手を握る。
「うぅ……ありがとう……スグルどの。すごく嬉しい……私、良い妻になれるように頑張るから……」
「うん、これからもよろしくな、スイレン……オレの可愛い奥さん!」
* * *
「お世話になりました!」
「またのお越しをお待ちしております。お気をつけて!」
旅館の送迎バスをおりて、帰りの観光客でざわつく駅のホームを抜け無事、列車に乗車。窓の向こう側に見える景色は天然のパワーが充実していて、この土地が雄大な自然に溢れていることを実感させる。次第に紅葉を待つ山々が遠ざかり、海が見えてきた。
「今回は山の旅行だったけど、そのうち海に遊びに行こう。それに、現世の地元からもわりとすぐ海には行けるんだ」
「うむ、この身体が現世にしっかり馴染んだら遠出も出来るようになるし。楽しみじゃ! 今日は、素敵な旅行をありがとう……スグルどの」
「気に入ってもらえて良かったよ。神域の商店街にも感謝しなくちゃなっ! 良い特賞を用意してくれていてさ……。そろそろお昼ご飯にしようか?」
「うん!」
お昼のお弁当は、駅前で購入した『秘湯オイセ記念弁当』という名物弁当。行きの電車で食べたものとは別の種類のもので、オイセ地域の食材をふんだんに使ったご当地弁当だ。
お腹もいっぱいになり、なんだかすごく眠くなってきた。座席は2人用のボックスシート席になっているため気兼ねなく休むことが出来るが……。
「ごめん、スイレン……なんだか眠く……」
「駅についたら起こしてあげるから、休んでていいよ。スグルどの……」
「ん……おやすみなさい……」
ウトウトと夢の世界へと意識を移行しながら、隣に座るスイレンの肩に頭を預ける。スイレンからは、ふんわりとした優しい石鹸の香り……オレとお揃いの香りだ。
愛する人に見守られながら、安心して眠る贅沢。きっとこういう安心感がパートナーを持つという事なんだろう。
『生まれ変わる時は、同じ蓮の花の上に生まれ変わりましょう……』
いつぞやの、夢の誓いが再び記憶を呼び覚ます。オレ達の絆は何世代にもかけて因縁深く築き上げられた一蓮托生の因果。二度と悲劇を起こさないために、そのための服従の誓い。
夢の中では水面の上でゆらゆらと揺られながら、新たな因果解消の記憶の手がかりを見出していた。
* * *
「いまだに信じられません……まさか、家神一族当主が、凛堂にやられてしまうとは……。当主様は、強いお方でしたから」
「幸い、息子さん達は熱田の方へ神通力の勉強に行かれてて無事でしたが……。やはり、レン様と別居されているとはいえ妾などを作るから……」
七代前の家神当主が、凛堂に消されてから数ヶ月後の話。生き残った家神一族の使用人達が、庭先で片付をしながらこぞって噂話をしている。
なんだ、ようやく凛堂家との因縁を解消したのに、もう一度この夢を見させられるのか。
せっかく良い気分で温泉旅行を楽しんだのに……と、不満に思うがどうやらこの夢の意図はもっと奥深いらしい。
「しかし、家神一族は平安時代からずっと安泰だっただろう? なんせ、ご先祖様の誰かがわざわざ自らを犠牲にして【家神】になられたのだから……」
「それが……その平安時代からのご利益が一時的に途絶えたとかで……。ほら、家神様を祀る塚に別の陰陽道の派閥の呪い札が置かれていたって……」
なんだよ、このエピソード……全然聞いてないぞ。平安時代に家神になった一族の人って、多分【天の声】のことだよな。天の声の実体が明治時代に突然見かけなくなったって噂……そういえば異界のお蕎麦屋さんがしていたっけ。
「家神様の守りを呪術で破り……怨みを持つ凛堂を霊的に操り、そそのかして……家神を討つ……か。なるべく、自らの気配を感じさせず、いやはや恐ろしいものだね……歴史から消された陰陽師一族っていうのは……」
そうか、このエピソードは今まで……凛堂家との因縁を解消するまで封印されていたものなのか。表向きの因縁解消がなされて、初めて姿を見せる裏の因縁。
よく考えてみれば霊力で強く守られているはずの家神一族が妾1人に壊滅の危機に晒されるのがおかしい。
ギルドマスターミシャグジ様が言っていたように、やっぱり凛堂を操っていた黒幕がいたんだ……! しかも、【歴史から消された陰陽師】って……何だよそれ……。
季節が移り変わり、生き残った弟子たちにある通達が届く。
「箝口令がおりましてね……何でもこの事は口外しないように……と。あくまでも家神当主を討ったのは凛堂ルリ子……歴史から消された陰陽師一族の仕業ではないと……」
義務的に、淡々と通達を伝える術師に対して不満を述べる弟子達。どうやら、陰陽師として弟子入りしていた者たちの中に当主の仇打ちを検討していた者がいたようだ。
「……そ、そんな! せめて生き残った者たちで、当主様の仇を……!」
「証拠がないんですって。特に黒船が来てからというもの、文明開化で我々のような術師は肩身が狭くなる一方……。せめて、家神一族が残れるように影ながらお助けするのが、我々の役目……」
「あぁ! 平安時代からの……伝承でしかない因果のために……どうして!」
平安時代からの伝承でしかない因果……天の声がわざわざみずからの命を捧げて家神となった理由は、そこにあるのだろうか?
残念ながら、現在の家神一族には平安時代の因果を調べる手立てはない。
【あーあ……辿り着いちゃったんだね……この秘密に……】
突然、オレの潜在意識を遮るように聞こえて来た誰かの声……もちろん馴れ親しんだ天の声ではない。
【まぁ……お手並み拝見かな。キミが見事に平安時代から延々と続く家神一族の因果を断ち切れるかどうか。楽しみにしているよ……若年最強の異界術師さん!】
(まてよ、お前は誰だっ? おい、歴史から消された陰陽師って……一体……)
過去の記憶の断片にリンク出来たのがここまでだった……。気がつくと、列車は終着駅に辿り着いており……。
『スグルどの、起きて……。スグルどの……』
「はっ……スイレン!」
「大丈夫、スグルどの……。温泉に入って疲れが出たのかもしれぬな」
目が覚めるとオレの隣には、愛する婚約者スイレンの姿。きちんと約束通り起こしてくれたようだ。
さっきまでの夢が何を意味しているのかはまだ分からない。だが、どんな試練が待ち受けていようとオレにはスイレンがいる。大丈夫、大丈夫だ……そう自分に言い聞かせた。
「早く帰ろう……ふふっ帰ったらさっそく【めおと茶碗セット】を使って……楽しみじゃのう!」
「そうだな、せっかくめおと茶碗セットを買ったし……早く……帰ろう!」
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