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魔導士と騎士3
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「誰がポンコツだ誰が!!この駄弟子が!」
「ポンコツ以外の何だって言うんですか、年端もいかない子供にガセネタ掴ませやがって!クソジジイが!」
「っは!年齢がいくつだろうと研究職の基本を怠るからだわこの間抜けめ!確認、検証は研究職の必須項目だろうが!大事な事ほどよく見ろっつんだ!まーぬけーぇ!!」
「責任転嫁は止めて頂きたいですねぇ、この捻くれ魔道師が!いい加減魔導士や魔導師の資格とって現場から引退したらいかがですか?あぁ?!」
「タワケが!オレの平和への道は現場に有るんだよ!死ぬまで現場だ!お前こそそんなに引きこもるのが好きならさっさと魔導師の資格とって執務室に籠ったらいいんじゃねぇのか?!この若年性老害が!」
「貴方に言われたく無いですねぇ!毎日毎日人間相手に教鞭取らなきゃいけなくなる魔導師なんてやってられるかってんですよ。っは!このモウロクジジイ!何だかんだ言い訳しておいて実はもう魔導の教鞭取れる程の最大魔力が無いんじゃないんですかー?ははははーだ!」
「っんだとぉ!?このクソガキが言わせておけば!俺なんか国を三回爆破出来るもんね!」
「猪口才な!私なんかこの国を4回以上も結界張れますから―!!」
「黙れ、小童が!俺なんか国に5回以上も隕石落とせるもんね!」
・・・・・よくもまぁ、次から次へとそんな下らない罵倒がお互い出るものだ。
しかし、恐ろしいのはこの言い合いの爆破や結界や隕石の話が本当な所だ、二人が魔術を使って争い始めたら本気でグイネバルド位あっと言う間に焼け野原である。
招集をかけた統括課の緊急度黒の判断は決して間違いでは無い。
呆気に取られている騎士団面々の中で、最初に我に返ったのはガルゴとバルだった。
常人の目には止まらぬ速さでバルはクイブ、ガルゴはサナリアを羽交い絞めにして喧嘩の仲裁に入った。
「ドウドウ、インテリ組が何の喧嘩だよ、バリケードまで作って。」
ガルゴ程では無いにしろ、大柄なバルに羽交い絞めにされれば小柄なクイブは一溜りも無く、バリケードの中から引き摺り出された。
「離せ、バル!今日と言う今日はこの小生意気な小僧に目に物見せてやらなければ収まりが着かん!」
ジタバタしているが、バルにとっては暴れる子猫と大差ない。
「アルテミナ研究員、いつも冷静なアンタが一体どうしたって言うんだ?ほら、大人しくしてくれ。」
「止めないで下さい、今日こそはこの捻くれ陰険魔道師に鉄槌の一つもお見舞いしてやるっていうのが世界の為です!」
顔を真っ赤にして怒り、キィキィ騒ぐサナリアをガルゴは抱きしめる様にして拘束した。
「アルテミナ研究員、頼むから落ち着いてくれ。」
耳元でする低く良く響く声に、振り向いたサナリアが顔を赤らめたまま怯み、何か言い訳をしようと思っているのか、酸欠の魚みたいに口をパクパクさせた。
それを見たクイブがあからさまに揶揄う様に『ブフーッ』っと片手で口を押えもう片方の手で二人を指差しながら噴出した。
気のせいか、ガルゴは腕の中で、張り詰めた糸が切れる『ぷつん』という音を聞いた気がした。
一瞬後、
「このっ、老いぼれバカ諜報員がああああぁぁぁぁぁぁあっ!!!」
「っは!今頃気が着きやがっておっせーんだよバーカ!」
サナリアとクイブの怒声がガルゴの腕の中から響き渡り、二人は、ウロボロス特製対魔道犯罪者用魔封じ機能つき拘束具で簀巻きにされて連行される事となった。
二人は、『グイネバルド支部でもひと際魔術に優れた実力者二人が人目も憚らず喧嘩とは何て示しの付かない』とか散々統括部門の担当員に説教されたが、結局、喧嘩の原因だけは二人ともいがみ合っては『ふんっ』とそっぽを向くだけで頑として語らなかった為、本来なら免れている祭り最終日に行われるウロボロスのパレードに参加するというペナルティを課せられて今回はお開きになった。
サナリアもバルも、見せしめの為、それぞれ簀巻きにされたまま、各々の自室に運ばれる事と相成った。
「ポンコツ以外の何だって言うんですか、年端もいかない子供にガセネタ掴ませやがって!クソジジイが!」
「っは!年齢がいくつだろうと研究職の基本を怠るからだわこの間抜けめ!確認、検証は研究職の必須項目だろうが!大事な事ほどよく見ろっつんだ!まーぬけーぇ!!」
「責任転嫁は止めて頂きたいですねぇ、この捻くれ魔道師が!いい加減魔導士や魔導師の資格とって現場から引退したらいかがですか?あぁ?!」
「タワケが!オレの平和への道は現場に有るんだよ!死ぬまで現場だ!お前こそそんなに引きこもるのが好きならさっさと魔導師の資格とって執務室に籠ったらいいんじゃねぇのか?!この若年性老害が!」
「貴方に言われたく無いですねぇ!毎日毎日人間相手に教鞭取らなきゃいけなくなる魔導師なんてやってられるかってんですよ。っは!このモウロクジジイ!何だかんだ言い訳しておいて実はもう魔導の教鞭取れる程の最大魔力が無いんじゃないんですかー?ははははーだ!」
「っんだとぉ!?このクソガキが言わせておけば!俺なんか国を三回爆破出来るもんね!」
「猪口才な!私なんかこの国を4回以上も結界張れますから―!!」
「黙れ、小童が!俺なんか国に5回以上も隕石落とせるもんね!」
・・・・・よくもまぁ、次から次へとそんな下らない罵倒がお互い出るものだ。
しかし、恐ろしいのはこの言い合いの爆破や結界や隕石の話が本当な所だ、二人が魔術を使って争い始めたら本気でグイネバルド位あっと言う間に焼け野原である。
招集をかけた統括課の緊急度黒の判断は決して間違いでは無い。
呆気に取られている騎士団面々の中で、最初に我に返ったのはガルゴとバルだった。
常人の目には止まらぬ速さでバルはクイブ、ガルゴはサナリアを羽交い絞めにして喧嘩の仲裁に入った。
「ドウドウ、インテリ組が何の喧嘩だよ、バリケードまで作って。」
ガルゴ程では無いにしろ、大柄なバルに羽交い絞めにされれば小柄なクイブは一溜りも無く、バリケードの中から引き摺り出された。
「離せ、バル!今日と言う今日はこの小生意気な小僧に目に物見せてやらなければ収まりが着かん!」
ジタバタしているが、バルにとっては暴れる子猫と大差ない。
「アルテミナ研究員、いつも冷静なアンタが一体どうしたって言うんだ?ほら、大人しくしてくれ。」
「止めないで下さい、今日こそはこの捻くれ陰険魔道師に鉄槌の一つもお見舞いしてやるっていうのが世界の為です!」
顔を真っ赤にして怒り、キィキィ騒ぐサナリアをガルゴは抱きしめる様にして拘束した。
「アルテミナ研究員、頼むから落ち着いてくれ。」
耳元でする低く良く響く声に、振り向いたサナリアが顔を赤らめたまま怯み、何か言い訳をしようと思っているのか、酸欠の魚みたいに口をパクパクさせた。
それを見たクイブがあからさまに揶揄う様に『ブフーッ』っと片手で口を押えもう片方の手で二人を指差しながら噴出した。
気のせいか、ガルゴは腕の中で、張り詰めた糸が切れる『ぷつん』という音を聞いた気がした。
一瞬後、
「このっ、老いぼれバカ諜報員がああああぁぁぁぁぁぁあっ!!!」
「っは!今頃気が着きやがっておっせーんだよバーカ!」
サナリアとクイブの怒声がガルゴの腕の中から響き渡り、二人は、ウロボロス特製対魔道犯罪者用魔封じ機能つき拘束具で簀巻きにされて連行される事となった。
二人は、『グイネバルド支部でもひと際魔術に優れた実力者二人が人目も憚らず喧嘩とは何て示しの付かない』とか散々統括部門の担当員に説教されたが、結局、喧嘩の原因だけは二人ともいがみ合っては『ふんっ』とそっぽを向くだけで頑として語らなかった為、本来なら免れている祭り最終日に行われるウロボロスのパレードに参加するというペナルティを課せられて今回はお開きになった。
サナリアもバルも、見せしめの為、それぞれ簀巻きにされたまま、各々の自室に運ばれる事と相成った。
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