闇夜の星 暗闇の燈火(やみよの ほし くらやみの ともしび)

ロモソルーンには秘密がある

◆◆◆◆◆４

「ドラゴンと人間の様な物理的にも精神的にも大きな違いを持つ２種族が一つの国を長く共同で治める為には、互いの理解は不可欠だと僕は思うんです。ウォルター様はルメラさんから沢山の人間に関する知識を取り入れている様に見えます。お二人の様なカップルがたまに産まれる事によって互いの理解を深め、調整するための窓口となっているのではないでしょうか、だから・・・。」
良い事だと思います。
と最後にもう一度締めくくった。
本当はまさか人間とドラゴンの間に子供が出来ると知った時は本当に驚いたがそれは黙っておいた。
どういう理屈か、ドラゴンと人間が夫婦になってそういった行為をするとちゃんと子供が出来る。
ただし、どちらか・・・・にしかならない。
基本ドラゴンが産まれる事が多いらしいが、生まれてくる子供は不思議と混ざらない、人間なら人間、ドラゴンならドラゴンにしかならない。
ドラゴンの場合は卵で出てくる。
ルメラもウォルターとの間に３匹のドラゴンと二人の息子を授かっている。
さしものルメラも初めてドラゴンの卵を産んだ時は気が遠くなったというのは最近聞いた話だ。
あの大きなウォルターとルメラがどうやって・・・・・閨の睦事を行っているのかは余所者のシェルには想像もつかないが・・・。
親しい男友達でもいれば聞けるのだろうけど、シェルの世話係という職業は女性しかいないのでそんな事まで聞けるほど仲の良い男友達はいなかった。
下手な人選をして不用意に聞いた日には悪質に絡まれかねない。
ロモソルーンと言葉が交わせれば逆に聞けたかも知れないが。