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すべては幻、隣の庭は枯れ木の庭 1ー7

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どう見ても嫌がっている様には見えない。
ルークにしてみれば理解不能だ、あんなのもで気持ち良くなれる人が居るなんて。
『カラスウリ(改)』はルークも昔、客に数回使われた経験が有るが、『カラスウリ(改)』は生物玩具という分類で、小型魔獣『カラスウリ』を性行用に改造した物だ。
つまり生きている。セックスの為に動くのではなく、食事と繁殖の為に使われた者の体を這いずり回っているだけなので、基本的に手加減も何もあった物じゃない。
催淫性の強い『カラスウリ』の体液で強烈な快感は与えられるが、快感よりも恐怖と嫌悪感の方が酷くてあんなにうっとりとした事なんて無かった。
ジョアンは『カラスウリ(改)』の催淫液に思考を奪われて、もう殆どジェイコブ王子しか見えていない様に見えた。
いくらジョアンが、虐められて性的快感を得る特殊な嗜好だか体質だかの持ち主だったとしても、こんな他国の王族で、しかも、よりにもよって灰色蜥蜴族の使用人の前で辱められて、こんなに酔える物だろうか?
ジョアンという青年は、真面目そうで、そういう性格には見えなかったが・・・。
何せ本物の被虐性愛者はもっとカッ飛んでる。
そこまで考えて、『あぁ・・』とルークは心中しんちゅうで溜息を着いた。
ジョアンはきっと、ジェイコブ王子の事を本当に愛してるのだろう、そして信じているのだ。
こんな事さえ快感に変えてしまえる程に。
ジョアンの体の興奮に誘発されたのか、『カラスウリ(改)』の動きがさらに活発になって、花を開花させると男性器によく似た雄しべを勢い良くジョアンの後口に突き入れた。
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