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すべては幻、隣の庭は枯れ木の庭 1ー8

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ジェイコブ王子が獰猛に笑ってジョアンの両足を抱える腕に力を籠めると同時に、『カラスウリ(改)』が激しく挿抜を始めた。
「いやあぁっ!ぁぁぁぁあっ!あっ!あっひぃっ」
ジョアンが悲鳴と嬌声がないまぜになった酷い声を上げてガクガクと全身を痙攣させている。
「あっ!あっ!・・・んっ―――!」
程なくして『カラスウリ(改)』は雄しべをジョアンの後口に最深まで突き入れ、同時に湿った濁音と共に催淫性の有る体液を放った。
ジョアンの表情はもう完全に恍惚としていて、自分の醜態を恥じ入る事すら忘れ、ぐったりとその身をジェイコブ王子に預けていた。
この有様にシャルレとルーク、二人の後ろに控える使用人達が溜息を洩らした。
掃除をするのは使用人なのだ。
風呂の水を汚されたよりはマシ、そう思うしかない。
ルークの思考回路はあまりの事態について行けず、軽く十を数えられる程停止した。
ここは一国家の城の中では無かったか・・・。
目が点になるとはまさにこの事だ。
屈辱的な恰好をさせられた青年は、自分を辱めている当の本人の胸に身を投げ出して放心している。
当の本人、ジェイコブ王子が満足そうにその様子を見て、さらにルークを見て何でもない事の様に朗らかに笑顔を作って言った。
「昔を思い出さないかい?貧民街出の灰色蜥蜴が体を売った経験が無いワケ無いものなぁ?」
その決めつけに腹が立った。
「例外がいるかもとはご思慮いただけないのでしょうか?」
思わず言い返してしまった。
ジェイコブ王子がケラケラと笑う
「可愛くないな」
上機嫌でそう言った。
「よく言われます」
『シャルレ姫がそこが気に入ったと言って下さいました』と付け加えて言ってやりたかったが堪えた。
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