徒然草

徒然草 第八十五段

徒然草 第八十五段

原文

人の心すなほならねば、偽りなきにしもあらず。されども、おのづから、正直の人、などかなからん。己れすなほならねど、人の賢を見て羨むは、尋常なり。

現代語訳

人の心は素直ではないので、偽りのない心を持つことも難しい。しかし、生まれつき正直な人などいない。自分が正直でなくても、他人の賢さを羨むのは、ごく普通の心理である。

解釈

この段落では、人間の心の複雑さについて述べられています。

具体的には、人の心は素直ではなく、偽りのない心を持つことは難しいという考えをまず示します。これは、人間は善悪の両面を持ち合わせており、常に正しい心で行動することはできないという考え方です。

しかし、生まれつき正直な人などいないという考えも示されます。これは、人間は誰でも心の弱さや葛藤を抱えており、完璧な人間などいないという考え方です。

そして、自分が正直でなくても、他人の賢さを羨むのは、ごく普通の心理であるという考えが示されます。これは、人間は向上心を持つ生き物であり、より良い自分になりたいと思うのは当然のことだという考え方です。

この段落は、人間の心の複雑さを認めながらも、より良い自分を目指して努力することが大切であるというメッセージが込められていると言えるでしょう。

参考

徒然草第八十五段 - 徒然草を読む: https://en.wikipedia.org/wiki/Tsurezuregusa
徒然草第八十五段 - 国語ノート: https://erenow.org/postclassical/susanrenaissance/69.php
その他
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