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13.待ち受ける未来②〜叔母視点〜
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私の言葉に籠もったものを察したのかオズワルドは声を荒らげ私に『どういうつもりなんだっ』と詰め寄るが、私は『なんのこと…?』と誤魔化し続ける。
だって言葉自体に不自然なところはない、いくらだって言い逃れできる。
自分でも驚くくらい嫌な女になっていた。
そんな自分を好きにはなれないけれども、これは前を向くためには必要なこと。
…これで前に進めるわ。
ちゃんとこれで区切りをつけ終わらせるつもりだった。彼らの幸せに小さなヒビが入れば、それで満足するつもりだった。それ以上はもう望めないであろうことは分かっていたから。
私は優しい叔母の立場のままでいられるはずだった。
それなのにニーナは壊れてしまった、まさかここまで思い詰めているなんて考えてもいなかった。
『なんで一言も言わないのっ』と腹が立った、言ってくれれば私だってここまではしなかった。
……本当にそうだと言えるの?
良き叔母であった私が問い掛けてくる。
…違う、分かっていた。
言えないって、誰にも言わないって分かっていたわ。
ニーナは昔から優しく繊細な子だった。
控えめで相手を思いやるあの子が大好きだった。
色々考えて口を噤んでしまう性格も姉妹のように育ったから知っていた。
『ニーナは何も言わないはず』と心のどこかで確信していたからこそ、私はこういう行動に出られたのだ。
自分が悪者になる可能性があったら…きっと私は何もしなかった。
誰だって自分のことが一番可愛い、傷つきたくはない。
目の前でニーナがその身を投げ出そうとしているのを見て、自分の犯した事の重大さに慄く。
待って!そんなつもりじゃなかったの。
こんなこと望んでいないわ。
ニーナ、あなたの死を望んでなんていないから!
だって……もしあなたが死んでしまったら。
わ、わた…しはどうなるの……。
私はただ自分だけが不幸なのが嫌だっただけ。
私のことをオズワルドが選んでくれたら嬉しいけれども、それは彼が自然に私を選んでくれたという形でなくてはならない。
自分の手を汚すつもりなんてなかった。
罪を背負う覚悟なんてない、悪者になって周りから責められたくなんてない。
もし花屋の見習いからバレたらどうしようか。
誰かが私の行動に違和感を抱いていないだろうか。
調べられたら…私はどう思われるの?
次々と浮かんでくる不安に押しつぶされそうだ。
ニーナの死をきっかけにすべてが露見し周囲の人々の悪意が自分に向けられる恐怖に身体が震える。
…い…や……、そんなの耐えられないわ。
誰かに悪意を向けることは簡単だ。
だが悪意を向けられる立場になるのは、誰しも受け入れ難い。
『やめてニーナ。
ごめんなさい、私が悪かったわ!』
可愛い姪に死んで欲しくないという気持ちは嘘なんかじゃない。だが自己保身のほうが私のなかで勝っていた。
私はいつの間にこんな人間になっていたんだろう。
可愛い姪の命が消えようとしているのに、自分の未来を考えて震えている。
地面の上に横たわるニーナのそばに立ち尽くし『い…や…、ニーナ。目を開けて、おねが…い』と涙を溢しながら嗚咽する。
自分の罪が暴かれる恐怖に気が狂いそうだった。
どうやってブラウン家に戻ったのか記憶にない。
あれから私は自室に籠もっている。
兄夫婦は目覚めないニーナのことで手一杯で、それ以外のことは眼中になかった。
私のことも放っておいてくれる。
誰も私を責めることはない、侍女達も憔悴しきった私に優しく接してくれる。
まだ何もバレていないと安堵する。
あの日から私の心は休まることはない。
扉越しに足音が聞こえるたびに身体がビクッと反応する、『バレたのではないか』と。
まるで死刑の執行をいつ告げられるかと怯えてる囚人のように。
いつまで私はこんな思いに耐えていかなくてはならないのだろうか。
耐えられなくなったら、私もあの窓を開けて身を乗り出すのだろうかと思うと胸が苦しくなる。
『ニーナもこんな思いをしていたの…?』と一人呟く。自分が追い詰められて、初めてニーナの苦しみを知る。
私は間違っていたわ。
ニーナに心から謝りたい。
あの子が目覚めたらすぐに謝ろうと心に誓う。
『どうか助かって…』と必死に祈りを捧げる毎日だったが、私の思いは少しづつ歪んでいく。
…きっとあの子は目覚たら私を許してくれるわ。
だって優しい子だからニーナは。
祈りとともにそんな思いが増し、私の罪がなかったことになる気がしてくる。
ニーナが目覚めることで私が救われると錯覚する。
いつしかあの子の為の祈りが私が許される為のものへと変わっていくが私は気づかない。
私は心を込めて祈り続ける、あの子に生きていて欲しい気持ちに嘘はない。
だって言葉自体に不自然なところはない、いくらだって言い逃れできる。
自分でも驚くくらい嫌な女になっていた。
そんな自分を好きにはなれないけれども、これは前を向くためには必要なこと。
…これで前に進めるわ。
ちゃんとこれで区切りをつけ終わらせるつもりだった。彼らの幸せに小さなヒビが入れば、それで満足するつもりだった。それ以上はもう望めないであろうことは分かっていたから。
私は優しい叔母の立場のままでいられるはずだった。
それなのにニーナは壊れてしまった、まさかここまで思い詰めているなんて考えてもいなかった。
『なんで一言も言わないのっ』と腹が立った、言ってくれれば私だってここまではしなかった。
……本当にそうだと言えるの?
良き叔母であった私が問い掛けてくる。
…違う、分かっていた。
言えないって、誰にも言わないって分かっていたわ。
ニーナは昔から優しく繊細な子だった。
控えめで相手を思いやるあの子が大好きだった。
色々考えて口を噤んでしまう性格も姉妹のように育ったから知っていた。
『ニーナは何も言わないはず』と心のどこかで確信していたからこそ、私はこういう行動に出られたのだ。
自分が悪者になる可能性があったら…きっと私は何もしなかった。
誰だって自分のことが一番可愛い、傷つきたくはない。
目の前でニーナがその身を投げ出そうとしているのを見て、自分の犯した事の重大さに慄く。
待って!そんなつもりじゃなかったの。
こんなこと望んでいないわ。
ニーナ、あなたの死を望んでなんていないから!
だって……もしあなたが死んでしまったら。
わ、わた…しはどうなるの……。
私はただ自分だけが不幸なのが嫌だっただけ。
私のことをオズワルドが選んでくれたら嬉しいけれども、それは彼が自然に私を選んでくれたという形でなくてはならない。
自分の手を汚すつもりなんてなかった。
罪を背負う覚悟なんてない、悪者になって周りから責められたくなんてない。
もし花屋の見習いからバレたらどうしようか。
誰かが私の行動に違和感を抱いていないだろうか。
調べられたら…私はどう思われるの?
次々と浮かんでくる不安に押しつぶされそうだ。
ニーナの死をきっかけにすべてが露見し周囲の人々の悪意が自分に向けられる恐怖に身体が震える。
…い…や……、そんなの耐えられないわ。
誰かに悪意を向けることは簡単だ。
だが悪意を向けられる立場になるのは、誰しも受け入れ難い。
『やめてニーナ。
ごめんなさい、私が悪かったわ!』
可愛い姪に死んで欲しくないという気持ちは嘘なんかじゃない。だが自己保身のほうが私のなかで勝っていた。
私はいつの間にこんな人間になっていたんだろう。
可愛い姪の命が消えようとしているのに、自分の未来を考えて震えている。
地面の上に横たわるニーナのそばに立ち尽くし『い…や…、ニーナ。目を開けて、おねが…い』と涙を溢しながら嗚咽する。
自分の罪が暴かれる恐怖に気が狂いそうだった。
どうやってブラウン家に戻ったのか記憶にない。
あれから私は自室に籠もっている。
兄夫婦は目覚めないニーナのことで手一杯で、それ以外のことは眼中になかった。
私のことも放っておいてくれる。
誰も私を責めることはない、侍女達も憔悴しきった私に優しく接してくれる。
まだ何もバレていないと安堵する。
あの日から私の心は休まることはない。
扉越しに足音が聞こえるたびに身体がビクッと反応する、『バレたのではないか』と。
まるで死刑の執行をいつ告げられるかと怯えてる囚人のように。
いつまで私はこんな思いに耐えていかなくてはならないのだろうか。
耐えられなくなったら、私もあの窓を開けて身を乗り出すのだろうかと思うと胸が苦しくなる。
『ニーナもこんな思いをしていたの…?』と一人呟く。自分が追い詰められて、初めてニーナの苦しみを知る。
私は間違っていたわ。
ニーナに心から謝りたい。
あの子が目覚めたらすぐに謝ろうと心に誓う。
『どうか助かって…』と必死に祈りを捧げる毎日だったが、私の思いは少しづつ歪んでいく。
…きっとあの子は目覚たら私を許してくれるわ。
だって優しい子だからニーナは。
祈りとともにそんな思いが増し、私の罪がなかったことになる気がしてくる。
ニーナが目覚めることで私が救われると錯覚する。
いつしかあの子の為の祈りが私が許される為のものへと変わっていくが私は気づかない。
私は心を込めて祈り続ける、あの子に生きていて欲しい気持ちに嘘はない。
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