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18.気づき
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翌日は義家族と顔を合わせるのが嫌だったし、今更どんな顔で会えばいいのか分からなかったので、朝の家事をすべて終わらせていたが朝食の席には行かずにアン達と一緒に食事を取ることにした。
アン達にも昨夜の夕食のやり取りは耳に入っていたようで、私に義家族と朝食を取るように勧めてくることはなかた。
私は朝食を食べながら、愚痴を聞いてもらっていた。
「はぁ~。なんかこの家の嫁になる自信がないわ。私なんて子供でも出来ることをちゃんと出来ないし、社交辞令を真に受ける愚かな女みたいだし…」
「そんな事はないですよ、カリナ様は本当によくやっていると使用人達の間でも評判ですよ。それに子供でも出来る事ってなんですか?」
「この花嫁修業の事よ。だってロイアン家の子供達は私が今やっている事を子供の時にみんな経験するのでしょう?サリム達も『楽しく出来た』って話していたわ。でも私は楽しいどころか、アン達に手伝ってもらってなんとか出来ているレベルでしょう…」
私の話を聞いていたアン達はいきなり笑い出した。
「あははは、何ですかそれは。そんな神童どこにいるって言うんですか!はぁー、可笑しい。こんなに笑ったのは久しぶりですよ」
そう言いながらアンはまだお腹を抱えて笑い続けているし、他の年配の使用人達も同じようは反応だった。訳が分からずキョトンとしているのは私と年若い使用人達だった。
笑いが治まってきたアンが話した内容は義母達から聞いていた話とはまったく違っていた。
「ロイアン家の子供達がロイアン家の家事と商会の仕事を体験するのは本当ですが、それはほんのお遊びで2日くらいですよ。それ以上では私達が持ちません、お子様達に邪魔されて仕事が滞ってしまいますから。
だって市場に行けば好き勝手にお菓子を買い始めるし、食器を拭くと半分は割るんですよ。もちろん叱られるのはちゃんと見ていなかった私達使用人のせいになるんです。そのうえ洗濯物を畳む時は汚れた手でやるから、また私達が洗い直すはめになるんです。
親達は満足げな顔して仕事の報告をする子供達に『よくやった』と褒めているけど、私達にとっては全くもって迷惑なイベントですよ!」
私が啞然とした顔をしている横で、年配の使用人達は『そうですよ』とみんな頷いている。
----なにそれ、お義母さんの言っている事とまったく違うじゃない。
「でもお義母さんは『陰から涙ながらに応援していた』って…。それにサリムも『楽しかった』って言っていたわ。そんな内容だったなんて一言も言わなかった、私は騙されていたの…?」
「サリム様は子供目線ですから自分のしていた事は本当に役に立っていたと信じ込んでいると思いますよ。だって私達使用人が叱ることなんて出来ませんから、なんせ奥様が陰から目を光らせていましたからね。とりあえず『坊ちゃん達のお陰で助かります』と言って嵐が過ぎ去るのを待っていました」
アンはあの時は大変だったという表情で話してくれる。きっとアン達から見た事が真実で、サリム達の記憶は美化されているのだろう。
「ただ奥様は厄介ですね。子供達を美化しているというよりは、無意識にカリナ様には厳しいというか。子供には甘くて、嫁にはこれくらいでいいだろうと思っているのかもしれません。悪い方ではないんですが、自分が正しいと思い込んでいるように見えます。本当は使用人である私がこんな失礼なことを言ってはいけないのですが…」
アンは最後には言い過ぎたと思ったのか、言葉を濁して困った顔をしていた。
「有難う。アン達から話を聞けてスッキリしたわ。なんか色々とおかしいとは思っていたけど、納得がいったわ。今の私は『お義母さんの馬鹿野郎ー』って気持ちよ。あっ、でもこれは記憶から消してちょうだい♪私はただの嫁候補とだけ記憶してね、ふふふ」
私のこの一言でアン達はまたもお腹を抱えて笑い出していた。
アン達にも昨夜の夕食のやり取りは耳に入っていたようで、私に義家族と朝食を取るように勧めてくることはなかた。
私は朝食を食べながら、愚痴を聞いてもらっていた。
「はぁ~。なんかこの家の嫁になる自信がないわ。私なんて子供でも出来ることをちゃんと出来ないし、社交辞令を真に受ける愚かな女みたいだし…」
「そんな事はないですよ、カリナ様は本当によくやっていると使用人達の間でも評判ですよ。それに子供でも出来る事ってなんですか?」
「この花嫁修業の事よ。だってロイアン家の子供達は私が今やっている事を子供の時にみんな経験するのでしょう?サリム達も『楽しく出来た』って話していたわ。でも私は楽しいどころか、アン達に手伝ってもらってなんとか出来ているレベルでしょう…」
私の話を聞いていたアン達はいきなり笑い出した。
「あははは、何ですかそれは。そんな神童どこにいるって言うんですか!はぁー、可笑しい。こんなに笑ったのは久しぶりですよ」
そう言いながらアンはまだお腹を抱えて笑い続けているし、他の年配の使用人達も同じようは反応だった。訳が分からずキョトンとしているのは私と年若い使用人達だった。
笑いが治まってきたアンが話した内容は義母達から聞いていた話とはまったく違っていた。
「ロイアン家の子供達がロイアン家の家事と商会の仕事を体験するのは本当ですが、それはほんのお遊びで2日くらいですよ。それ以上では私達が持ちません、お子様達に邪魔されて仕事が滞ってしまいますから。
だって市場に行けば好き勝手にお菓子を買い始めるし、食器を拭くと半分は割るんですよ。もちろん叱られるのはちゃんと見ていなかった私達使用人のせいになるんです。そのうえ洗濯物を畳む時は汚れた手でやるから、また私達が洗い直すはめになるんです。
親達は満足げな顔して仕事の報告をする子供達に『よくやった』と褒めているけど、私達にとっては全くもって迷惑なイベントですよ!」
私が啞然とした顔をしている横で、年配の使用人達は『そうですよ』とみんな頷いている。
----なにそれ、お義母さんの言っている事とまったく違うじゃない。
「でもお義母さんは『陰から涙ながらに応援していた』って…。それにサリムも『楽しかった』って言っていたわ。そんな内容だったなんて一言も言わなかった、私は騙されていたの…?」
「サリム様は子供目線ですから自分のしていた事は本当に役に立っていたと信じ込んでいると思いますよ。だって私達使用人が叱ることなんて出来ませんから、なんせ奥様が陰から目を光らせていましたからね。とりあえず『坊ちゃん達のお陰で助かります』と言って嵐が過ぎ去るのを待っていました」
アンはあの時は大変だったという表情で話してくれる。きっとアン達から見た事が真実で、サリム達の記憶は美化されているのだろう。
「ただ奥様は厄介ですね。子供達を美化しているというよりは、無意識にカリナ様には厳しいというか。子供には甘くて、嫁にはこれくらいでいいだろうと思っているのかもしれません。悪い方ではないんですが、自分が正しいと思い込んでいるように見えます。本当は使用人である私がこんな失礼なことを言ってはいけないのですが…」
アンは最後には言い過ぎたと思ったのか、言葉を濁して困った顔をしていた。
「有難う。アン達から話を聞けてスッキリしたわ。なんか色々とおかしいとは思っていたけど、納得がいったわ。今の私は『お義母さんの馬鹿野郎ー』って気持ちよ。あっ、でもこれは記憶から消してちょうだい♪私はただの嫁候補とだけ記憶してね、ふふふ」
私のこの一言でアン達はまたもお腹を抱えて笑い出していた。
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