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第7章 15 フリードリッヒ3世の狙い
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「こ、これは・・・私に・・・そっくり・・。」
思わず息を飲んで肖像画を見つめた。金糸のような長い髪・・コバルトグリーンの瞳・・そして細かい顔の輪部まで・・何もかもが私に瓜二つだった。女神リオスの肖像画は少しだけ憂いを秘めた表情でこちらを見つめている。まるで鏡を見ているような気分になり、私は肖像画を裏に返すとテーブルの上に置いた。
「アイリス様。どうされましたか?」
不思議そうにユリアナが質問してきた。
「い、いえ・・。絵の中の女神リオスがあまりにも自分によく似ていたから・・。少し驚いてしまって・・。」
するとアドニスも言った。
「ええ・・・そうでしょうとも・・・我らも女神『リオス』の肖像画はよく存じております。何故なら王宮の至る所には女神『リオス』を称えて飾られておりましたから。私はオスカー様とは幼少期から一緒に過ごしておりましたが・・・オスカー様は肖像画をとても気に入ってらっしゃいました。まるで恋しているかのように・・。」
「え・・?オスカー様が・・・?」
「ええ。なので女神『リオス』の再来とうたわれていたアイリス様との仮婚約が決まった時は・・とても喜んでおられました。多分・・あの時からすでにオスカー様はまだ会ったことも無いアイリス様に恋していたのかもしれませんね。」
アドニスの言葉にほかの騎士たちも頷く。
「そ、そうなんでしょうか・・。」
思わず赤面し・・・私はある重大な事に気が付いた。王宮に女神『リオス』の肖像画が飾られていた・・。ひょっとすると肖像画を飾らせたのはフリードリッヒ3世が・・いや、彼に憑りついた悪魔が飾らせたのではないだろうか?
「あ、あの・・・聞きたいことがあります。」
私はアドニスに声を掛けた。
「はい、何でしょうか?」
「あなた方は・・『エルトリア』の呪いについて・・・ご存じですか?」
思い切ってしてみたが、アドニスはあっさり頷いた。
「ええ、勿論です。王宮勤めの者なら誰でも知っています。ただ・・・それを王宮の外で口外することは固く禁じられておりましたが・・。どうかなさったのですか?」
アドニスは首を傾げた。
「それでは・・・王位を継いだものは悪魔に憑りつかれてしまうと言う話は・・?」
アドニスは兵士たちをかを見合わせ・・頷いた。
「ええ、勿論存じております。」
そう・・なら、話は早い。
「皆さん。聞いて下さい。実は私は・・・国王陛下に狙われているのです。」
あらわれた
「「「「えっ?!」」」」
その場にいた全員が驚愕の表情を浮かべる。
「ア、アイリス様・・・狙われているとは・・どういう事ですか?」
ユリアナが怯えた目つきで問いかけてきた。私は一度深呼吸すると言った。
「ええ・・実は私が初めて王宮へ連れていかれた時・・国王陛下はオスカー様の姿で私の前に現れたのです。」
全員が息を飲んで私の話を聞いている。
「それで・・陛下は言ったのです。本当は私の母を愛していたけれども諦めざるを得なかったこと、そして母から生まれてきた私を18年間待っていたと・・。国王陛下は・・・オスカー様と成り代わり・・・私を自分の婚約者に迎え入れようとしていたのです・・!」
再び、あの時の恐怖が蘇ってきた私は震える自分の両肩を抱きしめると言った。
「な・・・何ですってっ?!」
ユリアナは悲鳴に近い声を上げた。
「しかし・・それはまずい話ですね・・・。今の話が本当であれば、陛下は容赦なく捕らえたオスカー様を処分しようとするおつもりかもしれない・・!」
アドニスの言葉に私は全身の血の気が引くのを感じた―。
思わず息を飲んで肖像画を見つめた。金糸のような長い髪・・コバルトグリーンの瞳・・そして細かい顔の輪部まで・・何もかもが私に瓜二つだった。女神リオスの肖像画は少しだけ憂いを秘めた表情でこちらを見つめている。まるで鏡を見ているような気分になり、私は肖像画を裏に返すとテーブルの上に置いた。
「アイリス様。どうされましたか?」
不思議そうにユリアナが質問してきた。
「い、いえ・・。絵の中の女神リオスがあまりにも自分によく似ていたから・・。少し驚いてしまって・・。」
するとアドニスも言った。
「ええ・・・そうでしょうとも・・・我らも女神『リオス』の肖像画はよく存じております。何故なら王宮の至る所には女神『リオス』を称えて飾られておりましたから。私はオスカー様とは幼少期から一緒に過ごしておりましたが・・・オスカー様は肖像画をとても気に入ってらっしゃいました。まるで恋しているかのように・・。」
「え・・?オスカー様が・・・?」
「ええ。なので女神『リオス』の再来とうたわれていたアイリス様との仮婚約が決まった時は・・とても喜んでおられました。多分・・あの時からすでにオスカー様はまだ会ったことも無いアイリス様に恋していたのかもしれませんね。」
アドニスの言葉にほかの騎士たちも頷く。
「そ、そうなんでしょうか・・。」
思わず赤面し・・・私はある重大な事に気が付いた。王宮に女神『リオス』の肖像画が飾られていた・・。ひょっとすると肖像画を飾らせたのはフリードリッヒ3世が・・いや、彼に憑りついた悪魔が飾らせたのではないだろうか?
「あ、あの・・・聞きたいことがあります。」
私はアドニスに声を掛けた。
「はい、何でしょうか?」
「あなた方は・・『エルトリア』の呪いについて・・・ご存じですか?」
思い切ってしてみたが、アドニスはあっさり頷いた。
「ええ、勿論です。王宮勤めの者なら誰でも知っています。ただ・・・それを王宮の外で口外することは固く禁じられておりましたが・・。どうかなさったのですか?」
アドニスは首を傾げた。
「それでは・・・王位を継いだものは悪魔に憑りつかれてしまうと言う話は・・?」
アドニスは兵士たちをかを見合わせ・・頷いた。
「ええ、勿論存じております。」
そう・・なら、話は早い。
「皆さん。聞いて下さい。実は私は・・・国王陛下に狙われているのです。」
あらわれた
「「「「えっ?!」」」」
その場にいた全員が驚愕の表情を浮かべる。
「ア、アイリス様・・・狙われているとは・・どういう事ですか?」
ユリアナが怯えた目つきで問いかけてきた。私は一度深呼吸すると言った。
「ええ・・実は私が初めて王宮へ連れていかれた時・・国王陛下はオスカー様の姿で私の前に現れたのです。」
全員が息を飲んで私の話を聞いている。
「それで・・陛下は言ったのです。本当は私の母を愛していたけれども諦めざるを得なかったこと、そして母から生まれてきた私を18年間待っていたと・・。国王陛下は・・・オスカー様と成り代わり・・・私を自分の婚約者に迎え入れようとしていたのです・・!」
再び、あの時の恐怖が蘇ってきた私は震える自分の両肩を抱きしめると言った。
「な・・・何ですってっ?!」
ユリアナは悲鳴に近い声を上げた。
「しかし・・それはまずい話ですね・・・。今の話が本当であれば、陛下は容赦なく捕らえたオスカー様を処分しようとするおつもりかもしれない・・!」
アドニスの言葉に私は全身の血の気が引くのを感じた―。
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