40 / 100
第40話 初めての入居者
しおりを挟む
私と俊也はモンド伯爵邸の前に立っていた。
「へ~ここがこれからシェアハウスになる予定の屋敷なんだね。流石貴族のお屋敷だ。こんなに立派な場所にこれから住めるなんてまるで夢の様だよ。ありがとう、母さ…じゃなかった。ゲルダさん」
「ええ、そうよ。今日から俊也…じゃなくてルイスもここの新しい住人よ」
そして私とルイスは顔を合わせた
「う~ん…どうにも調子が狂うわね…」
「俺だってそうだよ。だって母さんは42年間俺の母さんをしていたんだから。いまさらこの世界の名前で呼び合うなんて、変な感覚だよ」
俊也がわけの分らない言い回しをする。
「でも俊也。今は2人出掛けているけれど、この屋敷には私を含めて6人が共同で暮らしているのよ。彼らの前で私達が『俊也』『母さん』なんて呼び合っていたら白い目で見られるわよ。だから2人きりの時もお互い今の名前で呼び合って馴染ませなくちゃ駄目よ」
「そうだな。分ったよ、ゲルダさん」
「ええ、そうよ。ルイス」
そして私達は微笑みあい…互いに慣れない呼び方に鳥肌を立てた―。
****
「ただいま~」
扉を開けて元気よく屋敷の中へ入ると、エプロンをつけたアネットが箒を持って出迎えてくれた。
「お帰りさない、ゲルダさん。あら…あの、そちらの方は…?」
アネットは私の隣に立つ俊也(ルイス)を見て首を傾げた。
「あ。この男性はね、今日からここでシェアハウスの住人として一緒に暮らす事になったルイスさんよ。不動産屋でシェアハウスの話をしていたら、その話が聞こえて来て興味を持ったんですって」
私の次に俊也はアネットに挨拶した。
「どうも初めまして。ルイス・ベッカーです。どうぞルイスと呼んでください」
俊也はニコリとアネットに笑いかける。するとアネットは顔を真っ赤にさせると言った。
「は、初めまして。ルイスさん!わ、私はアネットと言います。これからよろしくお願いしますっ!」
そして頭を下げた。
はは~ん…さてはアネット…俊也もとい、ルイスに興味を持ったようだ。その証拠にさっきからルイスの事をチラチラ見ては顔を真っ赤にさせている。
確かに前世の俊也も本当に我が子かと思う位、イケメンで、性格もとても良かったので、とにかく女性達から良くモテていた。そして今の俊也もラファエルに負けない位のイケメンぶりだ。これなら世の女性達を虜にしてしまうのも無理はない。
まぁ、アネットもそれほど悪い子でも無いから…もしルイスにもその気があれば2人の恋仲を応援してあげても良いかな?
「あの、ゲルダさん」
不意にアネットが声を掛けて来た。
「うん?何かしら」
「ルイスさんに空いているお部屋の案内をするの…私がしてもいいですか?」
アネットは目をキラッキラッさせながら私を見ている。こんな目で見られて、駄目よ等と言えないし、そもそも反対する理由もない。
「ええ、そうね。それじゃアネットに頼もうかしら。それでもいい?ルイスさん」
私はさり気なくルイスを見た。
「ええ。俺の方はどなたの案内でも大丈夫です」
「そうですか!では早速ご案内します!お部屋は2階になるんですよ?どうぞついてきてください」
アネットは満面の笑みを浮かべると俊也の前に立って目の前の階段を上ってゆく。そしてその後をついてゆくルイス。私はその様子をじっと下から見つめていると、不意にルイスが私の方を向いて手を振ってきた。
フフフ…姿形が変わっても、やはり俊也は変わらない。私もルイスに笑顔で手を振り、これから再び我が子?と一緒に一つ屋根の下で暮らせる喜びを心の中で噛みしめるのだった―。
「へ~ここがこれからシェアハウスになる予定の屋敷なんだね。流石貴族のお屋敷だ。こんなに立派な場所にこれから住めるなんてまるで夢の様だよ。ありがとう、母さ…じゃなかった。ゲルダさん」
「ええ、そうよ。今日から俊也…じゃなくてルイスもここの新しい住人よ」
そして私とルイスは顔を合わせた
「う~ん…どうにも調子が狂うわね…」
「俺だってそうだよ。だって母さんは42年間俺の母さんをしていたんだから。いまさらこの世界の名前で呼び合うなんて、変な感覚だよ」
俊也がわけの分らない言い回しをする。
「でも俊也。今は2人出掛けているけれど、この屋敷には私を含めて6人が共同で暮らしているのよ。彼らの前で私達が『俊也』『母さん』なんて呼び合っていたら白い目で見られるわよ。だから2人きりの時もお互い今の名前で呼び合って馴染ませなくちゃ駄目よ」
「そうだな。分ったよ、ゲルダさん」
「ええ、そうよ。ルイス」
そして私達は微笑みあい…互いに慣れない呼び方に鳥肌を立てた―。
****
「ただいま~」
扉を開けて元気よく屋敷の中へ入ると、エプロンをつけたアネットが箒を持って出迎えてくれた。
「お帰りさない、ゲルダさん。あら…あの、そちらの方は…?」
アネットは私の隣に立つ俊也(ルイス)を見て首を傾げた。
「あ。この男性はね、今日からここでシェアハウスの住人として一緒に暮らす事になったルイスさんよ。不動産屋でシェアハウスの話をしていたら、その話が聞こえて来て興味を持ったんですって」
私の次に俊也はアネットに挨拶した。
「どうも初めまして。ルイス・ベッカーです。どうぞルイスと呼んでください」
俊也はニコリとアネットに笑いかける。するとアネットは顔を真っ赤にさせると言った。
「は、初めまして。ルイスさん!わ、私はアネットと言います。これからよろしくお願いしますっ!」
そして頭を下げた。
はは~ん…さてはアネット…俊也もとい、ルイスに興味を持ったようだ。その証拠にさっきからルイスの事をチラチラ見ては顔を真っ赤にさせている。
確かに前世の俊也も本当に我が子かと思う位、イケメンで、性格もとても良かったので、とにかく女性達から良くモテていた。そして今の俊也もラファエルに負けない位のイケメンぶりだ。これなら世の女性達を虜にしてしまうのも無理はない。
まぁ、アネットもそれほど悪い子でも無いから…もしルイスにもその気があれば2人の恋仲を応援してあげても良いかな?
「あの、ゲルダさん」
不意にアネットが声を掛けて来た。
「うん?何かしら」
「ルイスさんに空いているお部屋の案内をするの…私がしてもいいですか?」
アネットは目をキラッキラッさせながら私を見ている。こんな目で見られて、駄目よ等と言えないし、そもそも反対する理由もない。
「ええ、そうね。それじゃアネットに頼もうかしら。それでもいい?ルイスさん」
私はさり気なくルイスを見た。
「ええ。俺の方はどなたの案内でも大丈夫です」
「そうですか!では早速ご案内します!お部屋は2階になるんですよ?どうぞついてきてください」
アネットは満面の笑みを浮かべると俊也の前に立って目の前の階段を上ってゆく。そしてその後をついてゆくルイス。私はその様子をじっと下から見つめていると、不意にルイスが私の方を向いて手を振ってきた。
フフフ…姿形が変わっても、やはり俊也は変わらない。私もルイスに笑顔で手を振り、これから再び我が子?と一緒に一つ屋根の下で暮らせる喜びを心の中で噛みしめるのだった―。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,443
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる