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ヤンの章 ㉚ アゼリアの花に想いを寄せて
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「あの人は私のピアノの先生よ。以前は女の先生だったけど、変わったのよ。先生は赤ちゃんが生まれたので暫く教わる事が出来なくなってしまったから」
「え…?そうだったの?」
だけど、メロディはその先生とキスを…。
「どうしたの?ヤン。その先生がどうかしたの?」
メロディが僕の顔を覗き込んできた。それが恥ずかしくて顔を背けると僕は尋ねた。
「ひょっとして…その先生の事…す、好きなの…?」
「ええ、好きよ」
「えっ?!そ、そうなのっ?!」
驚いて振り向くとメロディが首を傾げて僕を見ている。
「ええ…だってその先生は教えるのがとても上手だし、レッスンでどこがいけなかったのか的確に指示してくれるから尊敬しているわ。実はね、その先生は今まで私を教えてくれていた女の先生と夫婦なのよ」
「え?!」
そ、それじゃ…昨夜僕が見たあれは…?
「あ、あの…実は、昨夜その先生とメロディが2人で向かい合わせで立って話をしている所を見たんだけど…あの時…な、何かあった?」
「あの時…?そう言えば目にゴミが入ってしまって、先生に見て貰った事かしら?」
メロディは思い出すように言う。
「目にゴミ…」
そうか、僕はその姿を勘違いしてしまったんだ。2人がキスしようとしている姿と…。
「どうしたの?ヤン。さっきから変な質問ばかりしてきて…」
「そ、そうかな?」
「ええ、そうよ。何か理由があるんじゃないの?正直に言ってよ」
「別に理由は無いよ…」
視線をそらせながら言うと、メロディが突然僕の顔を両手で挟んで自分の方を向かせた。思わず顔が真っ赤になってしまった。
「ヤン…?ど、どうしたの?顔が真っ赤よ?熱は無かったのに…」
もう駄目だ。これ以上メロディをごまかせない…そう悟った僕は正直に言う事にした。
「ご、ごめん…。僕…今日は変なんだ。メロディの事をそ、その…意識しちゃって…今までこんな事無かったのに…。てっきり僕…メロディが男の人とキスしているのかとばかり思っちゃって…そうしたら突然君の事が気になりだして…」
視線をそらせながら言うと、メロディが言った。
「ヤン。目をそらさないで。私を見て?」
「…」
メロディに目を向け、僕は驚いた。何とメロディの顔も真っ赤になっていたからだ。そして僕に言った。
「ねぇ…それは私の事を特別に思うようになったって事?幼馴染とかじゃなくて?」
「…うん、多分…」
すると、メロディが突然僕に顔を近づけて来た。
え?
気付いた時にはメロディの唇が僕の唇に触れていた。それは一瞬の出来事だった。
「メ、メロディ…?」
するとメロディは顔を真っ赤にしながら僕から視線を逸らすと言った。
「な、何よ…。わ、私はヤンの事が好き。ヤンだって…本当は私の事が好きなんじゃないの?」
「メロディ…」
そうだ、僕はメロディの事が好きだったんだ。
「そ、それなのに…ヤンはキスするときだって目を開けて…今だって何だかぼ~っとしているし…やっぱり私の事好きじゃなかったの…?」
寂し気な様子でメロディが僕から離れようとした。
「待って!メロディッ!」
メロディの腕を掴んで引き寄せると、僕はそのまま強く彼女を抱きしめた。
「メロディ…僕は君の事が好きだよ…」
そうだ。僕は…今まで気づかなかったけど、メロディの事が好きだったんだ。
「ヤ、ヤン…」
メロディの両手が僕の背に回される。
やがて互いの顔が近付き…僕たちは自然の流れでキスをした―。
「え…?そうだったの?」
だけど、メロディはその先生とキスを…。
「どうしたの?ヤン。その先生がどうかしたの?」
メロディが僕の顔を覗き込んできた。それが恥ずかしくて顔を背けると僕は尋ねた。
「ひょっとして…その先生の事…す、好きなの…?」
「ええ、好きよ」
「えっ?!そ、そうなのっ?!」
驚いて振り向くとメロディが首を傾げて僕を見ている。
「ええ…だってその先生は教えるのがとても上手だし、レッスンでどこがいけなかったのか的確に指示してくれるから尊敬しているわ。実はね、その先生は今まで私を教えてくれていた女の先生と夫婦なのよ」
「え?!」
そ、それじゃ…昨夜僕が見たあれは…?
「あ、あの…実は、昨夜その先生とメロディが2人で向かい合わせで立って話をしている所を見たんだけど…あの時…な、何かあった?」
「あの時…?そう言えば目にゴミが入ってしまって、先生に見て貰った事かしら?」
メロディは思い出すように言う。
「目にゴミ…」
そうか、僕はその姿を勘違いしてしまったんだ。2人がキスしようとしている姿と…。
「どうしたの?ヤン。さっきから変な質問ばかりしてきて…」
「そ、そうかな?」
「ええ、そうよ。何か理由があるんじゃないの?正直に言ってよ」
「別に理由は無いよ…」
視線をそらせながら言うと、メロディが突然僕の顔を両手で挟んで自分の方を向かせた。思わず顔が真っ赤になってしまった。
「ヤン…?ど、どうしたの?顔が真っ赤よ?熱は無かったのに…」
もう駄目だ。これ以上メロディをごまかせない…そう悟った僕は正直に言う事にした。
「ご、ごめん…。僕…今日は変なんだ。メロディの事をそ、その…意識しちゃって…今までこんな事無かったのに…。てっきり僕…メロディが男の人とキスしているのかとばかり思っちゃって…そうしたら突然君の事が気になりだして…」
視線をそらせながら言うと、メロディが言った。
「ヤン。目をそらさないで。私を見て?」
「…」
メロディに目を向け、僕は驚いた。何とメロディの顔も真っ赤になっていたからだ。そして僕に言った。
「ねぇ…それは私の事を特別に思うようになったって事?幼馴染とかじゃなくて?」
「…うん、多分…」
すると、メロディが突然僕に顔を近づけて来た。
え?
気付いた時にはメロディの唇が僕の唇に触れていた。それは一瞬の出来事だった。
「メ、メロディ…?」
するとメロディは顔を真っ赤にしながら僕から視線を逸らすと言った。
「な、何よ…。わ、私はヤンの事が好き。ヤンだって…本当は私の事が好きなんじゃないの?」
「メロディ…」
そうだ、僕はメロディの事が好きだったんだ。
「そ、それなのに…ヤンはキスするときだって目を開けて…今だって何だかぼ~っとしているし…やっぱり私の事好きじゃなかったの…?」
寂し気な様子でメロディが僕から離れようとした。
「待って!メロディッ!」
メロディの腕を掴んで引き寄せると、僕はそのまま強く彼女を抱きしめた。
「メロディ…僕は君の事が好きだよ…」
そうだ。僕は…今まで気づかなかったけど、メロディの事が好きだったんだ。
「ヤ、ヤン…」
メロディの両手が僕の背に回される。
やがて互いの顔が近付き…僕たちは自然の流れでキスをした―。
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