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アゼリア&カイの章 ④ また…会えたね(カイside)
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今夜はラルフと2人で僕の作品がコンテストに入選したことでお祝いする為にお酒を飲みに来ていた。
「「乾杯」」
2人でカウンター席に座り、グラスを合わせると早速ラルフが話しかけて来た。
「それにしてもカイはやっぱり凄いよ。絵のデザインセンスは抜群だし、勉強だって学年1位だもんな。だけど何でデザイン学部なんて専攻したんだ?お前ほど頭がよければそれこそ医学部だって行けたんじゃないか?いや宇宙工学だって夢じゃなかったはずだ」
「医学部…」
グラスを手に、僕はポツリと呟いた。
前世の僕はアゼリア亡き後、白血病治療の為に心血を注いだ。けれども医学の限界を目の当たりにし…完全な治療法を発見する事も出来ないまま、人生を終わらせてしまった。あの時の悔しさ…無念さは生まれ変わった今でも忘れたことは無い。
自分の無力さを痛感し、アゼリアへの申し訳ない気持ちから僕は医者を目指す事は諦めた。本当の僕は画家になりたかった。だから生まれ変わった今、形は違うけれども絵を描く仕事に携わりたかった。そこでデザイン学部を専攻したのだ。
「どうしたんだ?カイ。ぼ~っとして…大丈夫か?」
ラルフが心配そうに僕を見つめて来る。
「ラルフ…」
僕の大切な親友、そして…かつて同じ女性を愛し、同じ医者を目指したマルセル。彼は姿は変わってしまったけれども、こうして今再び親友として僕の隣にいる。
彼には前世の記憶は残されていないけれど、大学で初めて出会った時にすぐに分った。
彼は…マルセルなのだと。
「ありがとう、ラルフ」
礼を言うと、ラルフは怪訝そうな表情を浮かべて首をひねった。
「どうしたんだよ?急に礼なんか言ったりして…」
「いや?何となくお礼を言いたくなっただけさ」
「ふ~ん…変な奴だな」
ラルフはスコッチをグイッと飲んだ。
「そう言えば…どうしてラルフはデザイン学部に入ったんだい?」
ウィスキーを飲みながら僕はラルフに尋ねた。
「う~ん…それが自分でも良く分からないんだよな…本当はゲームプログラマーにでもなろうかと思っていたんだけど…気付いたらイラストを描くのが好きになっていた。それでこの学部を受験したんだけど…受けて良かったよ。だってカイに会えたんだからさ」
ラルフは笑顔で答えた。
「そう言って貰えると僕も嬉しいよ」
するとラルフが少し照れくさそうに言った。
「あ、あのさ。変な言い方に聞こえるかもしれないけど…実は始めてカイに会った時…何だか懐かしい気持ちになったんだよ。自分でも妙だと思うけど…って?どうしたんだ?カイ」
僕は目を見開いてラルフを見ていた事に気付いた。
「あ、ご・ごめん。ちょっと驚いて…」
「い、言っておくけど変な意味に取るなよっ?!お、俺はノーマルだからな。勘違いするなよっ?!」
ラルフはスコッチを一気に飲み干しながら言った。
「うん、分かってるよ」
僕は苦笑しながら返事をした。
マルセル…僕はこうして君に出会えた。だからきっとアゼリアにも会えるはずだ。
アゼリア…必ず君を探し出すよ。
そして僕はウィスキーを傾けた―。
「「乾杯」」
2人でカウンター席に座り、グラスを合わせると早速ラルフが話しかけて来た。
「それにしてもカイはやっぱり凄いよ。絵のデザインセンスは抜群だし、勉強だって学年1位だもんな。だけど何でデザイン学部なんて専攻したんだ?お前ほど頭がよければそれこそ医学部だって行けたんじゃないか?いや宇宙工学だって夢じゃなかったはずだ」
「医学部…」
グラスを手に、僕はポツリと呟いた。
前世の僕はアゼリア亡き後、白血病治療の為に心血を注いだ。けれども医学の限界を目の当たりにし…完全な治療法を発見する事も出来ないまま、人生を終わらせてしまった。あの時の悔しさ…無念さは生まれ変わった今でも忘れたことは無い。
自分の無力さを痛感し、アゼリアへの申し訳ない気持ちから僕は医者を目指す事は諦めた。本当の僕は画家になりたかった。だから生まれ変わった今、形は違うけれども絵を描く仕事に携わりたかった。そこでデザイン学部を専攻したのだ。
「どうしたんだ?カイ。ぼ~っとして…大丈夫か?」
ラルフが心配そうに僕を見つめて来る。
「ラルフ…」
僕の大切な親友、そして…かつて同じ女性を愛し、同じ医者を目指したマルセル。彼は姿は変わってしまったけれども、こうして今再び親友として僕の隣にいる。
彼には前世の記憶は残されていないけれど、大学で初めて出会った時にすぐに分った。
彼は…マルセルなのだと。
「ありがとう、ラルフ」
礼を言うと、ラルフは怪訝そうな表情を浮かべて首をひねった。
「どうしたんだよ?急に礼なんか言ったりして…」
「いや?何となくお礼を言いたくなっただけさ」
「ふ~ん…変な奴だな」
ラルフはスコッチをグイッと飲んだ。
「そう言えば…どうしてラルフはデザイン学部に入ったんだい?」
ウィスキーを飲みながら僕はラルフに尋ねた。
「う~ん…それが自分でも良く分からないんだよな…本当はゲームプログラマーにでもなろうかと思っていたんだけど…気付いたらイラストを描くのが好きになっていた。それでこの学部を受験したんだけど…受けて良かったよ。だってカイに会えたんだからさ」
ラルフは笑顔で答えた。
「そう言って貰えると僕も嬉しいよ」
するとラルフが少し照れくさそうに言った。
「あ、あのさ。変な言い方に聞こえるかもしれないけど…実は始めてカイに会った時…何だか懐かしい気持ちになったんだよ。自分でも妙だと思うけど…って?どうしたんだ?カイ」
僕は目を見開いてラルフを見ていた事に気付いた。
「あ、ご・ごめん。ちょっと驚いて…」
「い、言っておくけど変な意味に取るなよっ?!お、俺はノーマルだからな。勘違いするなよっ?!」
ラルフはスコッチを一気に飲み干しながら言った。
「うん、分かってるよ」
僕は苦笑しながら返事をした。
マルセル…僕はこうして君に出会えた。だからきっとアゼリアにも会えるはずだ。
アゼリア…必ず君を探し出すよ。
そして僕はウィスキーを傾けた―。
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