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第14話 ここでも悪女扱いですか?
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私が教室へ入ると、既に大勢の生徒達が集まっていた。そして何故か私の姿を見て一瞬シンと静まり返り…私から視線をそらす学生たちが続出した。中には私を見ながらヒソヒソと話しているグループの女生徒達の姿も見える。
ハイハイ…。
ええ。分かっております。私は恐らく悪女として名高く、きっとこの教室でも嫌われているのでしょう?でも記憶喪失真っ只中の私にとってはある意味好都合だった。この様な状況であれば誰もが私に話しかけてくることはないだろうから。
ところで私の席は何処なのだろう…?教室を見渡しても自分の席が何処なのかさっぱり分からない。そこですぐ近くに誰とも話もせずに本を呼んで座っているメガネをかけた比較的大人しそうな女生徒に尋ねてみることにした。
「あの、ちょっといいかしら?」
私の言葉に教室がざわめく。
「え?!あ、あの私ですかっ?!」
女性とは本を閉じると驚いた目で私を見る。
「ええ。貴女に尋ねたいことがあるの。私の席を教えてもらるかしら?」
「ええっ?!ユリア様、本気で言ってらっしゃるのですか?!」
しかし、次の瞬間女生徒の顔色が一瞬で変わる。
「あ…も、申し訳ございませんでした!私としたことが、ユリア様になんて口の聞き方を…!ユリア様の席は窓際の一番後ろの席になります」
女性とは私の座っている席を指差す。…その身体は気の所為だろうか…小刻みに震えていた。
「え?ちょ、ちょっと待って。同じクラスメイトなんだからそんな言葉遣いなんか気にしないで」
すると益々教室のざわめきが大きくなる。
「信じられない…!あのユリア様が…!」
「席を教えてって…。一体どういうつもりなのかしら?」
「それより、ノリーンに話しかけたぞ。そっちの方が驚きだ…」
あの…皆さん、全て丸聞こえなんですけども…。
それにしても…。
私は目の前のメガネの女生徒をじっと見つめた。そうか、彼女はノリーンと言う名前なのか。友達もいなさそうだし、何より大人しそうなのが良い。…彼女と友達になれないだろうか…?
その時―。
キーンコーンカーンコーン
校舎内にチャイムの音が鳴り響く。
「あ、授業が始まるみたいね。また後でね」
ポンポンとノリーンと呼ばれた女生徒の肩を叩くと、自分の座席に着席した。
そしてここから、ある問題が生じてしまったのだ。
私としては親愛の意味を込めて彼女の肩を叩いたのだが、ノリーンは肩をビクリとさせたことにより、周囲の私に対する避難めいたヒソヒソ話が大きくなる。
「おい、見たか…?」
「ああ、ノリーン…何かやらかしたのか?」
「まさかユリア様から呼び出しを受けるなんてね…」
「気の毒だけど放っておきましょう」
それらの声が私の耳に聞こえてくる。全く、なんという言い草だろう。まるで私が休み時間に彼女を呼び出して、制裁するとでも思っているのだろうか?私は改めて自分がどれ程までに悪女として認識されているのかを知り、密かに心に決めた。
どうせ私は記憶喪失なのだから、この際今までの自分に対する周りの評価を上げる為、心を入れ替えようと。おまけに私はどうやら命を狙われているらしい。心を入れ替えれば…ひょっとして命を脅かされる危険も減るのではないだろうかと…。
私は斜め前の席に着席しているノリーンをちらりと見たその時―。
ガチャリ
扉が突然開かれ、教室中がざわめいた。
「?」
何事かと思い、顔を正面に向けるとそこには教師らしき人物と、隣に立つジョンの姿がそこにあった―。
ハイハイ…。
ええ。分かっております。私は恐らく悪女として名高く、きっとこの教室でも嫌われているのでしょう?でも記憶喪失真っ只中の私にとってはある意味好都合だった。この様な状況であれば誰もが私に話しかけてくることはないだろうから。
ところで私の席は何処なのだろう…?教室を見渡しても自分の席が何処なのかさっぱり分からない。そこですぐ近くに誰とも話もせずに本を呼んで座っているメガネをかけた比較的大人しそうな女生徒に尋ねてみることにした。
「あの、ちょっといいかしら?」
私の言葉に教室がざわめく。
「え?!あ、あの私ですかっ?!」
女性とは本を閉じると驚いた目で私を見る。
「ええ。貴女に尋ねたいことがあるの。私の席を教えてもらるかしら?」
「ええっ?!ユリア様、本気で言ってらっしゃるのですか?!」
しかし、次の瞬間女生徒の顔色が一瞬で変わる。
「あ…も、申し訳ございませんでした!私としたことが、ユリア様になんて口の聞き方を…!ユリア様の席は窓際の一番後ろの席になります」
女性とは私の座っている席を指差す。…その身体は気の所為だろうか…小刻みに震えていた。
「え?ちょ、ちょっと待って。同じクラスメイトなんだからそんな言葉遣いなんか気にしないで」
すると益々教室のざわめきが大きくなる。
「信じられない…!あのユリア様が…!」
「席を教えてって…。一体どういうつもりなのかしら?」
「それより、ノリーンに話しかけたぞ。そっちの方が驚きだ…」
あの…皆さん、全て丸聞こえなんですけども…。
それにしても…。
私は目の前のメガネの女生徒をじっと見つめた。そうか、彼女はノリーンと言う名前なのか。友達もいなさそうだし、何より大人しそうなのが良い。…彼女と友達になれないだろうか…?
その時―。
キーンコーンカーンコーン
校舎内にチャイムの音が鳴り響く。
「あ、授業が始まるみたいね。また後でね」
ポンポンとノリーンと呼ばれた女生徒の肩を叩くと、自分の座席に着席した。
そしてここから、ある問題が生じてしまったのだ。
私としては親愛の意味を込めて彼女の肩を叩いたのだが、ノリーンは肩をビクリとさせたことにより、周囲の私に対する避難めいたヒソヒソ話が大きくなる。
「おい、見たか…?」
「ああ、ノリーン…何かやらかしたのか?」
「まさかユリア様から呼び出しを受けるなんてね…」
「気の毒だけど放っておきましょう」
それらの声が私の耳に聞こえてくる。全く、なんという言い草だろう。まるで私が休み時間に彼女を呼び出して、制裁するとでも思っているのだろうか?私は改めて自分がどれ程までに悪女として認識されているのかを知り、密かに心に決めた。
どうせ私は記憶喪失なのだから、この際今までの自分に対する周りの評価を上げる為、心を入れ替えようと。おまけに私はどうやら命を狙われているらしい。心を入れ替えれば…ひょっとして命を脅かされる危険も減るのではないだろうかと…。
私は斜め前の席に着席しているノリーンをちらりと見たその時―。
ガチャリ
扉が突然開かれ、教室中がざわめいた。
「?」
何事かと思い、顔を正面に向けるとそこには教師らしき人物と、隣に立つジョンの姿がそこにあった―。
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