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4話
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サイラスの手を引っ張って来た私は、中庭にやってきた。
「あのベンチに座って話をしましょう」
有無を言わさない、強い口調でサイラスに話しかけた。
「うん……いいよ」
そこでサイラスと一緒にベンチに来るとストンと座り、彼を見上げた。
「何してるの? 座りなさいよ」
「う、うん」
サイラスが隣に座ると、早速私は彼に尋ねることにした。
「さて、サイラス様。実は今日図書室で読書をしていたところ、シビルという赤い髪の女子生徒が私のところにやってきたの」
「え!? シビルが!?」
「ええ、そうよ。そして驚くべきことを言われたわ。シビルはサイラス様に交際を申し込んだそうね? けれどあなたは、『僕は、ステファニー・ベルモンドと交際しているから、君とは付き合えない』と答えたそうだけど、一体これはどういうことなのかしら? 私はあなたのこと、今日初めて知ったのよ?」
「……ごめん」
呟くようにサイラスが謝った。
「あのね、私は別に謝って欲しくて言ってるわけじゃないの。一体コレはどういうことなのか、理由を聞かせてとお願いしているのよ」
「僕は、シビルのことが苦手なんだ。交際を申し込まれたけど、どうしても付き合う気持ちになれなくて……」
「だから、私を利用したというのね? 私と交際していることにして、シビルの誘いを断ったのね?」
「……うん、本当にごめん……」
申し訳無さそうに項垂れる彼はかなり落ち込んでいる様子だ。コレではまるで私が虐めているように周囲から思われるだろう。
「だけどどうして私の名前を出したりしたの? 一度も私達は同じクラスになったことないじゃない。他の人にお願いして交際しているふりでもすれば良かったのに」
「それは……君が有名人だったから、咄嗟に名前を言ってしまったんだ」
「私が有名人?」
「え? そうだよ。自分が有名人なの知らないの?」
この学園の女子生徒たちの憧れの存在と言われている彼が目を見開く。
「知らなかったわ」
そんな話は初耳だ。確かに、一部の生徒たちからは『クールビューティー』なんて言われているけれども他の組の人たちにまで知れ渡っているとは……。
うん? ちょっと待って。そう言えばシビル達は私のことを「悪女」と言っていた。
そのことと関係あるのだろうか?
「ねぇ、私はシビルに『悪女』と言われてしまったの。ひょっとしてそれで私は有名なの?」
悪女と呼ばれる心当たりなどまるきりない。彼に聞けば分かるだろうか?
「え? 悪女と言われたの? う~ん……僕はそんな話、聞いたことが無いよ。君が有名なのは、どんな男子生徒に交際を申し込まれても全部断ってきたという話だよ。綺麗で冷たいステファニー……って。それで一部の女子生徒たちが……え? な、何? その顔。ひょっとして……怒ってる?」
サイラスは眉間を寄せた私の顔を見て、怯えた様子を見せる。
「いいえ、別に怒っているわけじゃないわ。ただ、すこ~し不愉快なだけよ」
そうか、私が悪女と呼ばれている理由がなんとなく分かった気がする。つまり、女子生徒たちは私が男子生徒たちから交際を申し込まれても、全て断っているのが面白くないというわけだ。
色々な男子生徒をとっかえひっかえしているなら、「悪女」と呼ばれてもしかたない。けれど、こんなことくらいで「悪女」と呼ばれるなんて……。
「くだらないわ」
思わず心の声が口をついて出てしまう。
「え? 今、何て言ったの?」
「いいえ、何も言ってないわ。ところで、サイラス。シビルと交際するつもりは全く無いの?」
「当然だよ! 僕にだって都合があるもの」
「ふ~ん……どんな都合があるかは、別にどうでもいいけど……ならいいわ」
「え? いいって何が?」
「シビルがあなたとの交際を諦めるまで、私達お付き合いしているフリをしましょう?」
「え!? ほ、本当!? それじゃ、僕たち今から恋人同士ってことでいいの!?」
満面の笑みを浮かべるサイラス。余程シビルのことがいやなのだろう。
「ええ。私達、今から偽の恋人同士よ? よろしく、サイラス様」
私も彼に笑い返す。
取り巻きを連れてきて、悪女呼ばわりするシビル。きっと彼女が私の悪評を広めたに違いない。
だったら、お望み通り少しだけ悪女になってあげましょう――
「あのベンチに座って話をしましょう」
有無を言わさない、強い口調でサイラスに話しかけた。
「うん……いいよ」
そこでサイラスと一緒にベンチに来るとストンと座り、彼を見上げた。
「何してるの? 座りなさいよ」
「う、うん」
サイラスが隣に座ると、早速私は彼に尋ねることにした。
「さて、サイラス様。実は今日図書室で読書をしていたところ、シビルという赤い髪の女子生徒が私のところにやってきたの」
「え!? シビルが!?」
「ええ、そうよ。そして驚くべきことを言われたわ。シビルはサイラス様に交際を申し込んだそうね? けれどあなたは、『僕は、ステファニー・ベルモンドと交際しているから、君とは付き合えない』と答えたそうだけど、一体これはどういうことなのかしら? 私はあなたのこと、今日初めて知ったのよ?」
「……ごめん」
呟くようにサイラスが謝った。
「あのね、私は別に謝って欲しくて言ってるわけじゃないの。一体コレはどういうことなのか、理由を聞かせてとお願いしているのよ」
「僕は、シビルのことが苦手なんだ。交際を申し込まれたけど、どうしても付き合う気持ちになれなくて……」
「だから、私を利用したというのね? 私と交際していることにして、シビルの誘いを断ったのね?」
「……うん、本当にごめん……」
申し訳無さそうに項垂れる彼はかなり落ち込んでいる様子だ。コレではまるで私が虐めているように周囲から思われるだろう。
「だけどどうして私の名前を出したりしたの? 一度も私達は同じクラスになったことないじゃない。他の人にお願いして交際しているふりでもすれば良かったのに」
「それは……君が有名人だったから、咄嗟に名前を言ってしまったんだ」
「私が有名人?」
「え? そうだよ。自分が有名人なの知らないの?」
この学園の女子生徒たちの憧れの存在と言われている彼が目を見開く。
「知らなかったわ」
そんな話は初耳だ。確かに、一部の生徒たちからは『クールビューティー』なんて言われているけれども他の組の人たちにまで知れ渡っているとは……。
うん? ちょっと待って。そう言えばシビル達は私のことを「悪女」と言っていた。
そのことと関係あるのだろうか?
「ねぇ、私はシビルに『悪女』と言われてしまったの。ひょっとしてそれで私は有名なの?」
悪女と呼ばれる心当たりなどまるきりない。彼に聞けば分かるだろうか?
「え? 悪女と言われたの? う~ん……僕はそんな話、聞いたことが無いよ。君が有名なのは、どんな男子生徒に交際を申し込まれても全部断ってきたという話だよ。綺麗で冷たいステファニー……って。それで一部の女子生徒たちが……え? な、何? その顔。ひょっとして……怒ってる?」
サイラスは眉間を寄せた私の顔を見て、怯えた様子を見せる。
「いいえ、別に怒っているわけじゃないわ。ただ、すこ~し不愉快なだけよ」
そうか、私が悪女と呼ばれている理由がなんとなく分かった気がする。つまり、女子生徒たちは私が男子生徒たちから交際を申し込まれても、全て断っているのが面白くないというわけだ。
色々な男子生徒をとっかえひっかえしているなら、「悪女」と呼ばれてもしかたない。けれど、こんなことくらいで「悪女」と呼ばれるなんて……。
「くだらないわ」
思わず心の声が口をついて出てしまう。
「え? 今、何て言ったの?」
「いいえ、何も言ってないわ。ところで、サイラス。シビルと交際するつもりは全く無いの?」
「当然だよ! 僕にだって都合があるもの」
「ふ~ん……どんな都合があるかは、別にどうでもいいけど……ならいいわ」
「え? いいって何が?」
「シビルがあなたとの交際を諦めるまで、私達お付き合いしているフリをしましょう?」
「え!? ほ、本当!? それじゃ、僕たち今から恋人同士ってことでいいの!?」
満面の笑みを浮かべるサイラス。余程シビルのことがいやなのだろう。
「ええ。私達、今から偽の恋人同士よ? よろしく、サイラス様」
私も彼に笑い返す。
取り巻きを連れてきて、悪女呼ばわりするシビル。きっと彼女が私の悪評を広めたに違いない。
だったら、お望み通り少しだけ悪女になってあげましょう――
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