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第2章
第275話 家族写し絵
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兄上と僕がそれぞれ写っている魔法紙が出来上がった。どちらも黒い絵の具で描いた線画みたいな感じだ。
使う前にいちいち魔法紙を挟み込まないといけない。何枚かまとめてセットできるようにしたいな。
「……クリスにとっては作るのは簡単な道具なのかもしれないけどな。
家族の姿が手軽に紙に写し出されるような魔道具は、皆が使いたがるだろう。
作るのが簡単だと思っても、扱いには気をつけるんだぞ」
「はあい」
兄上が僕の顔を覗き込んで真剣な様子で言うので僕は頷いた。
皆が使いたがるってことは、沢山作れって言われちゃうかもしれないってことだ。
雷魔石で魔法陣を転写したら、量産できるかな?でも、乳白色の魔石が必要になっちゃうから、白い蛇魔獣を狩りまくらないといけなくなっちゃうか。
あ、魔法紙も必要だから、ルドおじさんも大変になっちゃうかな。
兄上から注意事項を聞いた後、兄上が「お話」の魔道具でメイリを呼び出した。
父上と母様も呼び出したみたいで、メイリの写し絵を作っている時に父上と母様がやってきた。
魔道具の説明をしようとしたんだけど、テーブルの上に並べていた魔法紙を見たら機能を把握してくれたらしい。
簡単な使い方を説明しただけで済んだ。
でも、父上も母様もちょっと難しそうな顔をしてヒソヒソと話し合っていた。
「……まあ、『位置情報』の魔道具が作れるなら、技術としては作っても不思議じゃないか」
「シャルがそろそろゲンティアナに来る頃でしょう?……どうします?」
「シャルが見たら欲しがるだろうな。……広めるかどうかを含めて、シャルと相談するとしよう」
「……『手紙』の魔道具以外の魔道具も見せるのね?大丈夫かしら?」
「こんなに次々作るんだったら、どこからか漏れる前に作戦を考えるべきだろう」
父上と母様が話し合っている間、僕とメイリはお互いポーズを取って、何枚か写し合っていた。
「家族で写りたーい!」
メイリが家族全員が並んだ写し絵が欲しいと言い出した。
早速写そうとして、問題点に気づく。魔道具を持っている人が写し絵に入れないんだ。
「……タイマーでもあると良いけど……」
写し絵の魔道具を壁際に置いてみながら、離れた場所から魔石に魔力を通す方法を考えていると兄上がボソリと言った。
「タイマー?」
「……魔力を通してから魔法が発動するまでに何秒か間が開けば、その間に並ぶことができるだろ」
「あ、そうか」
「まあ、今は仕方ないから、交代で……」
「やってみるね!」
兄上に解決策を教えてもらったので、魔石の魔法陣に線を付け加える。普通に使う時に魔力を通す場所とは違って、魔石の縁の方まで線を引いて、魔力の流れを少しだけ干渉するような線を付け加えた。魔力を通した場合に、魔法の発動までに時間がかかるようにしたんだ。
「これで行けるんじゃないかな」
「え?」
「ちょっと試すね」
新しく追加した線の部分から魔力を通す。
「いーち、にーい、さーん……」
魔道具から離れて、急いで兄上の隣に並んだ。
「ごーお、ろーく」
六数えたところで魔法陣が浮かび上がった。
魔力を通してから発動までに時間差をつけるのはうまく行ったみたいだ。
魔法紙を確認しに行くと、僕が兄上の隣で「ろーく」って言っているところが写っていた。
使う前にいちいち魔法紙を挟み込まないといけない。何枚かまとめてセットできるようにしたいな。
「……クリスにとっては作るのは簡単な道具なのかもしれないけどな。
家族の姿が手軽に紙に写し出されるような魔道具は、皆が使いたがるだろう。
作るのが簡単だと思っても、扱いには気をつけるんだぞ」
「はあい」
兄上が僕の顔を覗き込んで真剣な様子で言うので僕は頷いた。
皆が使いたがるってことは、沢山作れって言われちゃうかもしれないってことだ。
雷魔石で魔法陣を転写したら、量産できるかな?でも、乳白色の魔石が必要になっちゃうから、白い蛇魔獣を狩りまくらないといけなくなっちゃうか。
あ、魔法紙も必要だから、ルドおじさんも大変になっちゃうかな。
兄上から注意事項を聞いた後、兄上が「お話」の魔道具でメイリを呼び出した。
父上と母様も呼び出したみたいで、メイリの写し絵を作っている時に父上と母様がやってきた。
魔道具の説明をしようとしたんだけど、テーブルの上に並べていた魔法紙を見たら機能を把握してくれたらしい。
簡単な使い方を説明しただけで済んだ。
でも、父上も母様もちょっと難しそうな顔をしてヒソヒソと話し合っていた。
「……まあ、『位置情報』の魔道具が作れるなら、技術としては作っても不思議じゃないか」
「シャルがそろそろゲンティアナに来る頃でしょう?……どうします?」
「シャルが見たら欲しがるだろうな。……広めるかどうかを含めて、シャルと相談するとしよう」
「……『手紙』の魔道具以外の魔道具も見せるのね?大丈夫かしら?」
「こんなに次々作るんだったら、どこからか漏れる前に作戦を考えるべきだろう」
父上と母様が話し合っている間、僕とメイリはお互いポーズを取って、何枚か写し合っていた。
「家族で写りたーい!」
メイリが家族全員が並んだ写し絵が欲しいと言い出した。
早速写そうとして、問題点に気づく。魔道具を持っている人が写し絵に入れないんだ。
「……タイマーでもあると良いけど……」
写し絵の魔道具を壁際に置いてみながら、離れた場所から魔石に魔力を通す方法を考えていると兄上がボソリと言った。
「タイマー?」
「……魔力を通してから魔法が発動するまでに何秒か間が開けば、その間に並ぶことができるだろ」
「あ、そうか」
「まあ、今は仕方ないから、交代で……」
「やってみるね!」
兄上に解決策を教えてもらったので、魔石の魔法陣に線を付け加える。普通に使う時に魔力を通す場所とは違って、魔石の縁の方まで線を引いて、魔力の流れを少しだけ干渉するような線を付け加えた。魔力を通した場合に、魔法の発動までに時間がかかるようにしたんだ。
「これで行けるんじゃないかな」
「え?」
「ちょっと試すね」
新しく追加した線の部分から魔力を通す。
「いーち、にーい、さーん……」
魔道具から離れて、急いで兄上の隣に並んだ。
「ごーお、ろーく」
六数えたところで魔法陣が浮かび上がった。
魔力を通してから発動までに時間差をつけるのはうまく行ったみたいだ。
魔法紙を確認しに行くと、僕が兄上の隣で「ろーく」って言っているところが写っていた。
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