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第1章
第128話 人数合わせ的な騎士
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「そもそも、勝負しろって言ってきたのはあいつらだ!」
解毒治癒玉のセットの取引をしていると、怒鳴り声が響いてきた。時々声が大きくなる。
気になってちょっと首を伸ばして通路の様子を見てみた。
扉の前に騎士が二人立っているところで尋問をしているらしい。
「……あんなの同行させていても護衛にもならないでしょうに……」
ボソリとレオノールさんが呟く。
尋問の内容についてはちゃんと父上か母様に聞いてくれと言われたけど、
ゲンティアナ領までの往復の護衛の数合わせ為に雇われたんじゃないかっていうような騎士がいるのだそうだ。
殿下やハロルド君達の訓練のサポートや護衛をしている騎士はゲンティアナ領に滞在中の騎士の一部で残りは訓練をしているか、帰りの護衛の任務が始まるのを待っているだけの騎士もいるらしい。
暇を持て余して、酒飲んで火魔法をあちこちでぶっ放しちゃってたのかな?迷惑だなぁ。
「……冒険者が、とか言ってたね……」
「撃ち比べって言ってたな。沼地を荒らした奴等の中に冒険者も混じってるのかな」
気になって、何か情報が聞けるかなと思って耳を澄ましている時に限って、シーンと静かになってしまった。
尋問の内容が気になるけど、尋問室に入ったりしたら邪魔になっちゃうよね。
「そういえば、レオノールさんはどうしてここに来たんですか?」
「尋問に王宮騎士も立ち会っているのよ。……複数の貴族家が関連しているからね」
レオノールさんは詳しいことは教えてくれなかったけど、問題を起こした人達がハロルド君の家の騎士か辺境伯家の騎士だった場合、爵位が低いゲンティアナ家が不利にならないようにサポートしてくれているんだろうか。
それとも、貴族家同士で問題があるような時は、王宮騎士が仲裁に入るとかのルールがあるのかな。
後で父上か母様に聞いたら教えてくれる事を期待してその場を離れた。
とりあえず、レオノールさんに解毒治癒玉を渡せて良かった!
離れに戻ろうと思ったんだけど、廊下を歩いていたら良い匂いがしてきたので
匂いに引き寄せられるようにして厨房に向かった。
「ジャック、良い匂いだね!」
「ああ、ローレン坊ちゃん、クリス坊ちゃん。お帰りなさい」
厨房を覗くとジャックがオーブンからタルトらしきものを出しているところだった。
「タルト?」
「はい。りんごと胡桃のタルトです。離れのお食事にもお出ししますよ」
「やった!」
大きいタルト型で何個か焼いていて、そのうちの一つが離れの僕達用らしい。
これから離れに戻るからついでに持って行こうかって申し出たんだけど、マーサが運ぶから大丈夫だって言われた。
もしかしてすぐにでも食べたそうな顔してたかな。
狩りの帰りで靴に泥とかついているだろうから厨房の中には入らずにいたんだけど、生のリンゴを切り分けたものをジャックがくれたので、厨房の前の廊下でシャクシャクと食べた。
母様に見つかったらお行儀悪いって言われちゃうかもしれない。
解毒治癒玉のセットの取引をしていると、怒鳴り声が響いてきた。時々声が大きくなる。
気になってちょっと首を伸ばして通路の様子を見てみた。
扉の前に騎士が二人立っているところで尋問をしているらしい。
「……あんなの同行させていても護衛にもならないでしょうに……」
ボソリとレオノールさんが呟く。
尋問の内容についてはちゃんと父上か母様に聞いてくれと言われたけど、
ゲンティアナ領までの往復の護衛の数合わせ為に雇われたんじゃないかっていうような騎士がいるのだそうだ。
殿下やハロルド君達の訓練のサポートや護衛をしている騎士はゲンティアナ領に滞在中の騎士の一部で残りは訓練をしているか、帰りの護衛の任務が始まるのを待っているだけの騎士もいるらしい。
暇を持て余して、酒飲んで火魔法をあちこちでぶっ放しちゃってたのかな?迷惑だなぁ。
「……冒険者が、とか言ってたね……」
「撃ち比べって言ってたな。沼地を荒らした奴等の中に冒険者も混じってるのかな」
気になって、何か情報が聞けるかなと思って耳を澄ましている時に限って、シーンと静かになってしまった。
尋問の内容が気になるけど、尋問室に入ったりしたら邪魔になっちゃうよね。
「そういえば、レオノールさんはどうしてここに来たんですか?」
「尋問に王宮騎士も立ち会っているのよ。……複数の貴族家が関連しているからね」
レオノールさんは詳しいことは教えてくれなかったけど、問題を起こした人達がハロルド君の家の騎士か辺境伯家の騎士だった場合、爵位が低いゲンティアナ家が不利にならないようにサポートしてくれているんだろうか。
それとも、貴族家同士で問題があるような時は、王宮騎士が仲裁に入るとかのルールがあるのかな。
後で父上か母様に聞いたら教えてくれる事を期待してその場を離れた。
とりあえず、レオノールさんに解毒治癒玉を渡せて良かった!
離れに戻ろうと思ったんだけど、廊下を歩いていたら良い匂いがしてきたので
匂いに引き寄せられるようにして厨房に向かった。
「ジャック、良い匂いだね!」
「ああ、ローレン坊ちゃん、クリス坊ちゃん。お帰りなさい」
厨房を覗くとジャックがオーブンからタルトらしきものを出しているところだった。
「タルト?」
「はい。りんごと胡桃のタルトです。離れのお食事にもお出ししますよ」
「やった!」
大きいタルト型で何個か焼いていて、そのうちの一つが離れの僕達用らしい。
これから離れに戻るからついでに持って行こうかって申し出たんだけど、マーサが運ぶから大丈夫だって言われた。
もしかしてすぐにでも食べたそうな顔してたかな。
狩りの帰りで靴に泥とかついているだろうから厨房の中には入らずにいたんだけど、生のリンゴを切り分けたものをジャックがくれたので、厨房の前の廊下でシャクシャクと食べた。
母様に見つかったらお行儀悪いって言われちゃうかもしれない。
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