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第1章
第129話 どろどろの成果
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リンゴを食べ終わった頃、木箱を抱えた騎士達が廊下の向こうからやってきた。
「ネイサン殿下が狩りで仕留めなさった角兎です。殿下はソテーをご希望です」
いきなり厨房の入り口前に木箱が積み上げられた。
ジャックが慌てて厨房から飛び出してきた。
「あのぉ、申し訳ありませんが……。キノコの件があったので差し入れはご遠慮することとなっておりますよ」
「ネイサン殿下が初めて仕留められたのです。ご自身で仕留めた角兎のソテーを楽しみになさってるのです」
騎士の口調は丁寧なんだけど、圧がある。
殿下達が初めて仕留めたのは角兔ではなくてスライムだったよね。まあ、スライムは食べられないし、背びれイタチも食用には向かないから、初めて美味しい魔獣を仕留めたってところだろうか。
それにしても今日の訓練の対象が角兎だったのはちょっと意外だった。もっと動きが遅い魔獣とかにするかと思ったんだ。
今日の夕食は魔魚のムニエルにしてくれるって話だったけど、角兎のソテーになるのかな。
離れの分は別かもしれないけど、急にメニューを変えるのって、大変じゃない?
騎士達の手によって木箱がいくつも積み上げられていく。数からするとネイサン殿下が仕留めた獲物だけじゃなくて、ハロルド君とかシェリル嬢やリネリア嬢が仕留めた獲物も運ばれてきたみたいだ。
「お願いしますね」
騎士達はささっと木箱を厨房前に積み上げて立ち去ってしまった。
何となく、立ち去る騎士の後ろ姿が見えなくなるまでじっと様子を伺ってから、木箱の蓋を開けて中を覗いてみた。
「うわ。どろどろ……」
「あー……」
僕の呟きを聞いてひょいと僕の後ろから木箱の中を覗き込んだ兄上が残念そうな声を上げた。
木箱の中の角兎は泥と血に塗れていた。それに傷だらけだ。毛皮もボロボロ。肉もところどころえぐれて見えてたりする。
なかなか止めが刺せなかったのかもしれない。泥まみれなのは、また土に埋めて的にしやすくしていたんじゃないかな。
「うわぁ。こっちもです……」
どの角兎も土に埋められたように泥まみれだし傷だらけだ。
「こんな泥だらけなの解体する前に洗えわなきゃいけないじゃないか」
「ねえ。これ全部料理するの?」
「希望されてるって言ってたからそうなんだろう」
解体するだけでもかなり手間だと思う。
ちらっとジャックに目を向けてから厨房を見回した。隣に立っている兄上の顔を見上げる。
「ねえ、解体は僕達でやろうか」
「ああ、手伝おう」
「あ、いえ。お気遣いなく……」
ジャックは遠慮していたけど、僕と兄上で解体をしてしまおう。
角兎は合計で八体あった。分担した方が早いからボブにも声をかけようかな。
泥だらけ、血だらけなので屋外で処理した方が良さそうなので「収納」に入れて屋敷の裏手の林の入り口に運びこんだ。
「ネイサン殿下が狩りで仕留めなさった角兎です。殿下はソテーをご希望です」
いきなり厨房の入り口前に木箱が積み上げられた。
ジャックが慌てて厨房から飛び出してきた。
「あのぉ、申し訳ありませんが……。キノコの件があったので差し入れはご遠慮することとなっておりますよ」
「ネイサン殿下が初めて仕留められたのです。ご自身で仕留めた角兎のソテーを楽しみになさってるのです」
騎士の口調は丁寧なんだけど、圧がある。
殿下達が初めて仕留めたのは角兔ではなくてスライムだったよね。まあ、スライムは食べられないし、背びれイタチも食用には向かないから、初めて美味しい魔獣を仕留めたってところだろうか。
それにしても今日の訓練の対象が角兎だったのはちょっと意外だった。もっと動きが遅い魔獣とかにするかと思ったんだ。
今日の夕食は魔魚のムニエルにしてくれるって話だったけど、角兎のソテーになるのかな。
離れの分は別かもしれないけど、急にメニューを変えるのって、大変じゃない?
騎士達の手によって木箱がいくつも積み上げられていく。数からするとネイサン殿下が仕留めた獲物だけじゃなくて、ハロルド君とかシェリル嬢やリネリア嬢が仕留めた獲物も運ばれてきたみたいだ。
「お願いしますね」
騎士達はささっと木箱を厨房前に積み上げて立ち去ってしまった。
何となく、立ち去る騎士の後ろ姿が見えなくなるまでじっと様子を伺ってから、木箱の蓋を開けて中を覗いてみた。
「うわ。どろどろ……」
「あー……」
僕の呟きを聞いてひょいと僕の後ろから木箱の中を覗き込んだ兄上が残念そうな声を上げた。
木箱の中の角兎は泥と血に塗れていた。それに傷だらけだ。毛皮もボロボロ。肉もところどころえぐれて見えてたりする。
なかなか止めが刺せなかったのかもしれない。泥まみれなのは、また土に埋めて的にしやすくしていたんじゃないかな。
「うわぁ。こっちもです……」
どの角兎も土に埋められたように泥まみれだし傷だらけだ。
「こんな泥だらけなの解体する前に洗えわなきゃいけないじゃないか」
「ねえ。これ全部料理するの?」
「希望されてるって言ってたからそうなんだろう」
解体するだけでもかなり手間だと思う。
ちらっとジャックに目を向けてから厨房を見回した。隣に立っている兄上の顔を見上げる。
「ねえ、解体は僕達でやろうか」
「ああ、手伝おう」
「あ、いえ。お気遣いなく……」
ジャックは遠慮していたけど、僕と兄上で解体をしてしまおう。
角兎は合計で八体あった。分担した方が早いからボブにも声をかけようかな。
泥だらけ、血だらけなので屋外で処理した方が良さそうなので「収納」に入れて屋敷の裏手の林の入り口に運びこんだ。
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