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第1章
第203話 騎士さん達による検証
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「開いた!」
「え?」
「何だ?どういうことだ?」
檻の扉が開いたことに気がついて見張りをしていた騎士さん達が集まってきた。
騎士さんに簡単に説明をする。
「あの蛇魔獣が風魔法みたいなのを放ってたんで、もしかして魔法に反応して鍵が開いちゃうんじゃないかって思ったんです」
「鍵に魔法を撃ち込んだってこと、ですか?」
「いえ、鍵には直接魔法は当てていません。風魔法の風が当たるとかちょっと影響がある程度の場所目掛けて撃ってみました」
狙いとしては檻の角部分をちょっと掠める程度にしていた。
檻は王宮騎士団の所有物だから、傷とか付けても良くないだろうし。狙った場所を説明したら集まってきた騎士さんのうちの一人が、水魔法を使って検証を始めた。
「水よ……」
騎士さんとか皆強そうだけど、魔法を使う時は詠唱をするみたいだ。
詠唱をしているとちょっと時間がかかりそうかな。でも三十回ならそんなに時間はかからないか。
「ちょっと待ってくれ。ここにある檻は全部そうなのか?魔法に反応するってことは
広範囲に魔法でも放ってたら、一斉に鍵が開いてしまうんじゃ、魔法の威力は考えろ。」
騎士さんが放った水魔法が庭に水やりをする時みたいにフワーッと広い範囲に水を撒く魔法だったので別の騎士さんが、魔獣の入った檻の前に両手を広げて立ち塞がった。
水魔法を放っていた騎士さんは「わかった。わかった」と言って、もっと効果範囲が小さい水魔法に切り替えた。
「開いた!」
空になっていた檻の扉がパカっと開いた。
その状態を見つめていた
騎士さんが、深刻そうな表情を浮かべた。
「これ、やばくないか?魔法を撃ったら鍵が開くって……」
「他の檻もそうなのか?ちょっと試すぞ」
「すぐ逃げ出さなそうなやつにしとけ。そっちの鳥はどうだ」
指し示された檻の中にいた鳥魔獣は足をロープで繋がれていた。
檻の扉が開いてもロープで繋がれているからすぐには逃げないだろうということみたいだ。
鳥魔獣の檻に向かって騎士さんが二人がかりで魔法を撃ち始めた。
「ギョエー!ギョエー!」
檻の中で鳥魔獣が暴れまくっている。
「直接当てるなよ!」
「当たってもダメージ少ないようにはしてるさ。でも、もう訓練には使わないんじゃないのか?」
「ここに保管して見張っておけとしか命令を受けてないんだぞ」
威力の弱いウォーターボールと、大きめの風弾みたいなのを二人の騎士さんが交互に檻に当てていく。
僕が使っている風弾とちょっと違う。浮かび上がっている魔法陣からすると直径が大きくて速度が遅い風魔法のようだ。
檻の鍵の魔法陣は順調にカウントダウンして行って、カウントがゼロになった時に予想通りに鍵が開いた。
「ギョエー!!」
鍵が開いた途端、鳥魔獣が今まで以上に暴れたけど、ロープから抜け出さないうちに再び檻が施錠された。
騎士さん達が深刻そうな様子で相談を始めた。
「……魔獣を檻に入れたまま魔法攻撃をしてもらう予定だっていっていなかったか?」
「魔獣が倒れるより、鍵が開く方が早かったら危険だぞ……」
兄上がズンズンと騎士さん達のいる方に歩いて言った。なんだか「怒り」の気配を纏っている。
「え?」
「何だ?どういうことだ?」
檻の扉が開いたことに気がついて見張りをしていた騎士さん達が集まってきた。
騎士さんに簡単に説明をする。
「あの蛇魔獣が風魔法みたいなのを放ってたんで、もしかして魔法に反応して鍵が開いちゃうんじゃないかって思ったんです」
「鍵に魔法を撃ち込んだってこと、ですか?」
「いえ、鍵には直接魔法は当てていません。風魔法の風が当たるとかちょっと影響がある程度の場所目掛けて撃ってみました」
狙いとしては檻の角部分をちょっと掠める程度にしていた。
檻は王宮騎士団の所有物だから、傷とか付けても良くないだろうし。狙った場所を説明したら集まってきた騎士さんのうちの一人が、水魔法を使って検証を始めた。
「水よ……」
騎士さんとか皆強そうだけど、魔法を使う時は詠唱をするみたいだ。
詠唱をしているとちょっと時間がかかりそうかな。でも三十回ならそんなに時間はかからないか。
「ちょっと待ってくれ。ここにある檻は全部そうなのか?魔法に反応するってことは
広範囲に魔法でも放ってたら、一斉に鍵が開いてしまうんじゃ、魔法の威力は考えろ。」
騎士さんが放った水魔法が庭に水やりをする時みたいにフワーッと広い範囲に水を撒く魔法だったので別の騎士さんが、魔獣の入った檻の前に両手を広げて立ち塞がった。
水魔法を放っていた騎士さんは「わかった。わかった」と言って、もっと効果範囲が小さい水魔法に切り替えた。
「開いた!」
空になっていた檻の扉がパカっと開いた。
その状態を見つめていた
騎士さんが、深刻そうな表情を浮かべた。
「これ、やばくないか?魔法を撃ったら鍵が開くって……」
「他の檻もそうなのか?ちょっと試すぞ」
「すぐ逃げ出さなそうなやつにしとけ。そっちの鳥はどうだ」
指し示された檻の中にいた鳥魔獣は足をロープで繋がれていた。
檻の扉が開いてもロープで繋がれているからすぐには逃げないだろうということみたいだ。
鳥魔獣の檻に向かって騎士さんが二人がかりで魔法を撃ち始めた。
「ギョエー!ギョエー!」
檻の中で鳥魔獣が暴れまくっている。
「直接当てるなよ!」
「当たってもダメージ少ないようにはしてるさ。でも、もう訓練には使わないんじゃないのか?」
「ここに保管して見張っておけとしか命令を受けてないんだぞ」
威力の弱いウォーターボールと、大きめの風弾みたいなのを二人の騎士さんが交互に檻に当てていく。
僕が使っている風弾とちょっと違う。浮かび上がっている魔法陣からすると直径が大きくて速度が遅い風魔法のようだ。
檻の鍵の魔法陣は順調にカウントダウンして行って、カウントがゼロになった時に予想通りに鍵が開いた。
「ギョエー!!」
鍵が開いた途端、鳥魔獣が今まで以上に暴れたけど、ロープから抜け出さないうちに再び檻が施錠された。
騎士さん達が深刻そうな様子で相談を始めた。
「……魔獣を檻に入れたまま魔法攻撃をしてもらう予定だっていっていなかったか?」
「魔獣が倒れるより、鍵が開く方が早かったら危険だぞ……」
兄上がズンズンと騎士さん達のいる方に歩いて言った。なんだか「怒り」の気配を纏っている。
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