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第2章
第259話 黒ローブ捕獲後
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捕まえた黒ローブの男が毒状態になっているんだったら、解毒が必要かなと思って、光水を取り出すと、兄上が手で僕を制した。
「待て。確認するからちょっとここで見張っててくれ」
兄上はそう言って、指輪を耳に近づける仕草をして見せて林の奥の方に駆けていく。父上に連絡をするのかな。
遠くの幹が太い木の傍で立ち止まった兄上が、木に向かって頭を下げていた。
木にもお辞儀をするんだなぁ。
すぐに話がついたのか兄上はあまり時間を置かずに駆け戻ってきた。
「とりあえず傷口を洗い流すだけにしよう。毒で動けない方が運びやすいだろうから。それと、川に毒が流されていないか?」
「あ!」
毒の瓶が割れているということは、割れた時に川の中に毒が流れたかもしれない。
川と黒ローブを交互に見て、とりあえず黒ローブの傷口に多めに水をかけて、血と毒を洗い流した。
毒鑑定で、黒ローブの傷口に毒が付着している状態ではなくなったことを確認してから川の近くまで走って行った。
黒ローブが渡りかけていた川の中の岩に毒が付着しているのが毒鑑定で分かった。
それ以外は毒の存在は確認できなかった。流れてしまったかもしれない。
果実炭酸光水を取り出して、水魔法と風魔法で霧状にして毒の反応があった岩に吹きつけた。霧が岩に纏わりつくと岩の一部が発光し始めた。
川の下流に目を向け、少し考えてから果実炭酸光水をボトボトと流し込んだ。
毒が下流に流れてしまっていたとしても、かなり薄まっていると思うんだけど、少量でも強い毒なんだろうか。黒ローブの男の様子からすると、即死するほどではないけど、傷口から入っただけで苦しそうではあった。
岩の方を見ると十数秒ほど光り続けた後、光が消えて同時に毒の反応も消えた。
解毒はできているようだ。
それなら、川の水も解毒してくれると期待するしかないか。
念の為、毒耐性魔石も川の中に放り込んでおく。川沿いに進んでいる間に途中にも毒耐性の魔石を川に放り込んでおいたけど、毒耐性であって、解毒ではないんだよな。心配なので光水も一瓶流しておこう。
兄上達がいる場所に戻ってくると、黒ローブはぐるぐる巻きに縛り付けられていた。
顔は青ざめて、目は虚になっていて口の辺りをピクピクさせている。
「やっぱり解毒するか……。動けない程度なら毒状態のままでも良かったんだけど……」
兄上は顎に手を当てながらそう言うと、僕が持っていた果実炭酸光水の瓶を受け取った。
黒ローブの傷口に果実炭酸光水を振りかけた後、黒ローブの顔にも振りかけた。
顔に果実炭酸光水がかかると、それまでぐったりしていた黒ローブがゴホゴホとむせ始めた。
ボブが折りたたんだ布を手にして兄上に差し出した。
「これに解毒剤を振りかけてくだせぇ」
兄上がボブが手にしている布に果実炭酸光水を振りかけると、ボブはその布を黒ローブの口の中に捩じ込んだ。
解毒剤が含まれた布が口から出ないようにするためか、上から布を被せて、頭の後ろで縛り、ひょいと黒ローブを肩に担ぎ上げて馬まで運んで行った。
「待て。確認するからちょっとここで見張っててくれ」
兄上はそう言って、指輪を耳に近づける仕草をして見せて林の奥の方に駆けていく。父上に連絡をするのかな。
遠くの幹が太い木の傍で立ち止まった兄上が、木に向かって頭を下げていた。
木にもお辞儀をするんだなぁ。
すぐに話がついたのか兄上はあまり時間を置かずに駆け戻ってきた。
「とりあえず傷口を洗い流すだけにしよう。毒で動けない方が運びやすいだろうから。それと、川に毒が流されていないか?」
「あ!」
毒の瓶が割れているということは、割れた時に川の中に毒が流れたかもしれない。
川と黒ローブを交互に見て、とりあえず黒ローブの傷口に多めに水をかけて、血と毒を洗い流した。
毒鑑定で、黒ローブの傷口に毒が付着している状態ではなくなったことを確認してから川の近くまで走って行った。
黒ローブが渡りかけていた川の中の岩に毒が付着しているのが毒鑑定で分かった。
それ以外は毒の存在は確認できなかった。流れてしまったかもしれない。
果実炭酸光水を取り出して、水魔法と風魔法で霧状にして毒の反応があった岩に吹きつけた。霧が岩に纏わりつくと岩の一部が発光し始めた。
川の下流に目を向け、少し考えてから果実炭酸光水をボトボトと流し込んだ。
毒が下流に流れてしまっていたとしても、かなり薄まっていると思うんだけど、少量でも強い毒なんだろうか。黒ローブの男の様子からすると、即死するほどではないけど、傷口から入っただけで苦しそうではあった。
岩の方を見ると十数秒ほど光り続けた後、光が消えて同時に毒の反応も消えた。
解毒はできているようだ。
それなら、川の水も解毒してくれると期待するしかないか。
念の為、毒耐性魔石も川の中に放り込んでおく。川沿いに進んでいる間に途中にも毒耐性の魔石を川に放り込んでおいたけど、毒耐性であって、解毒ではないんだよな。心配なので光水も一瓶流しておこう。
兄上達がいる場所に戻ってくると、黒ローブはぐるぐる巻きに縛り付けられていた。
顔は青ざめて、目は虚になっていて口の辺りをピクピクさせている。
「やっぱり解毒するか……。動けない程度なら毒状態のままでも良かったんだけど……」
兄上は顎に手を当てながらそう言うと、僕が持っていた果実炭酸光水の瓶を受け取った。
黒ローブの傷口に果実炭酸光水を振りかけた後、黒ローブの顔にも振りかけた。
顔に果実炭酸光水がかかると、それまでぐったりしていた黒ローブがゴホゴホとむせ始めた。
ボブが折りたたんだ布を手にして兄上に差し出した。
「これに解毒剤を振りかけてくだせぇ」
兄上がボブが手にしている布に果実炭酸光水を振りかけると、ボブはその布を黒ローブの口の中に捩じ込んだ。
解毒剤が含まれた布が口から出ないようにするためか、上から布を被せて、頭の後ろで縛り、ひょいと黒ローブを肩に担ぎ上げて馬まで運んで行った。
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