婚約破棄された侯爵令嬢は、失恋旅行中に出会った美少年な王様に溺愛される

宇美

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第3章 マーシア、タラア王妃となる

13、その後のマーシアとタラア王

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タラア国王は、大学卒業までは、政治は古くからの重臣にまかせ、爺やと、優しく美しい年上の妻に見守られながら勉学に励む、少年らしい日々を送っていた。

しかし留学先から帰国後はバリバリと国政にたずさわるようになる。

若い国王はタラア王国を近代的な国にするべく、多くの改革を行うことを熱望していた。

けれども予算が足りなくて実行することができず、常に歯がゆい思いをしていた。

そんな時に、タラア島で一番高い山の頂上から、レアアースが発見される。

タラア王国は一夜にして多大な財源を得た。

それを国王の天才的手腕で、国内のインフラ、教育に投資したので、タラア王国は年々発展した。

今ではタラア王国の首都は、ロイデン王国の地方都市とくらべれば、よほどにぎやかで、街並みも近代的だ。

今までは小学校すらなかったのに、数年のうちに大学まで完備されて、文盲もんもうがほとんどだったのが、今では高校進学率90%,大学進学率50%。

これはロイデン王国よりも高い教育水準となっている。

高い教育を受けたタラア人たちはつぎつぎと起業を始めた。

中にはロイデン王国に進出して、各都市で成功している企業もある。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆

マーシアとタラア国王が結婚して17年後のことだ。

クラーク王子の妻で、マーシアの従妹であるピアが再びタラア島にやってきた。

「二週間後に行くから」とピアからSNSで通知を受けたマーシアは、当初は断わろうと思った。

しかしタラア王が、「ぜひこの発展したタラアをピアに見せて、鼻をあかしてやりたい」と言ったので、マーシアはピアを歓迎することにしたのだ。

ピアの夫クラークはタレントとして大成功したものの、不倫騒動を繰り返してばかり。

ピアはそんなクラークに愛想をつかして、離婚して、今は実家で暮らしているらしい。

親権をなんとか勝ち取ったものの、ひとり息子はぐれてしまったという。

ピアは最近は、もっぱら宗教にはまっているそうだ。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆

クラークからふんだくった慰謝料で、ふところ具合ぐあいはだいぶよいのだろう。

ジェット機から降り立ったピアは、ブランドもので全身を固めていた。

「びっくりしたわ!! 
飛行機の窓から見えるのは、高層ビルばかりじゃないの!!
マーシアねえ様が結婚したばかりの頃に来たときとは、まるで別の国ね。
ペカペカしていていかにも成金国という感じ」
と目を白黒させている。

けれどもピアは、タラアの発展について、一言ひとことも褒めてはくれなかった。

「前の方が素朴でよかった」とか「みんなインテリぶってて可愛げがない」などと、なんとしてもマーシアが嫁いだ国のことをおとしめたいようだった。

ピアは二度目のタラア訪問を文句たらたらで終わらせたあと、
二度と島を訪れることはなかった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆


その後もタラア王国は年々経済成長を続けた。

タラア王の治世60年目、タラア王国のGDPはロイデン王国を超えた。

国土の大きさも、人口も、タラア王国はロイデン王国の100分の1以下にもかかわらず、である。



ところでタラア国王は、マーシア以外の妻をめとることはなかった。

タラア国王19歳、マーシアが39歳の年、マーシアは第一子である女の子を生んでいる。

まわりは、「王妃さまも高齢出産でさぞやお疲れでしょう」とタラア国王に第二婦人をもうけるよう進言したが、国王は、がんとして受けいれなかった。

国民は国王のマーシアへの一途な思いに感動はしたものの、これではタラア王家が絶えてしまうのではないかとハラハラした。

そして2年後、マーシアは41歳にして、双子の王子を生んだ。

これで、お世継ぎ問題は無事解決。

以来、タラア国王の「生涯マーシア一人を愛し続けたい」という考えに、口を挟むものはいなくなった。



39歳で可愛らしい女の子、41歳で元気な双子の男の子の出産。

母子とも健康には全く問題がない。

それどころか、マーシア王妃といえば、相変わらず30代前半にしか見えない若々しさ。

「その秘訣は王妃様が毎朝召し上がっていらっしゃる、タラア島だけに生えるピンク色のアボカドのおかげらしい」という噂が世界中に広まった。

それ以来、タラア島はピンクアボカドを各国に輸出するようになった。

一過性のブームに終わらず、何十年も続いている。

ピンクアボカドは、レアアースほどではないが、タラア王国に毎年かなりの量の安定した収入をもたらしてくれるようになった。

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