SECRET 後編

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お仕事2日目

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涼は教科書を捲り、

「では、次のページにいきまーす。・・・キスのー・・・種類や・・・説明が書かれてますねー・・・・・。」

おおっ!!!!
キスってこんなにいっぱい種類があるんだ!!!

フレンチ、ディープ・・・とかはよく聞くけど・・・・・。

じーーーっと、教科書を見ていると・・・・・。



「おい・・・・」

・・・・・・・???
私のすぐ背後から低い声!
この声ッ!?

ビックリして勢いよく振り返ると、

「はっ・・・・」

達也!!!!!!
私の真後ろに・・・いつの間にか達也がいた。

達也はニヤッと笑って、
「ボーーーっとしてんじゃねーよ!おっぱい揉むぞ?」

はぁーーーーーー????
何なのコイツ。

思わず胸を隠し、
「なんで達也がここにいるの?」
小声で言うと、

達也は体を前に出してきて、私の顔の横までくると・・・私の耳元で、
「今からHしに行こうぜ?応接室空いてる・・・」

こ・・・・こいつ・・・・・。
マジで頭おかしい。

私は耳元を抑え、
「何言ってんのっ?!行くわけないでしょ?」
達也を睨んで言うと、達也はニヤッと笑って・・・・。

「この前気持ちよさそうにしてたじゃん?」
!!!!!!!
「あれはっ!!!」

頭にきて思わず声を上げると、
一斉にみんなが振り返った・・・。

やばっ・・・。

振り返ると・・・涼も私と達也を見て、
「おい・・・邪魔しに来たなら出てけー・・達也!」
と、一喝。

はぁ・・・。
私は下を向いてため息・・・。

すると、
「キス講習、良かったら結城とロープレしましょうか?」
と、達也が笑いながら言った。


ゲゲゲッ!!
達也の顔を見ると・・・・。
まるで、涼に喧嘩を売っているかのように口角を上げる。

怖くて前が見れない。




「お前にそんなの頼まないから、大丈夫・・・・・一々突っかかってくるな!」

と・・・・・・。
淡々としているけど、怒っているんだろうなって思える涼の声。


涼ーーー・・・
挑発に乗らないでー・・・・。

「だったら見せてくださいよ、お見本お見本ーーーー皆見たいよな??トップのキスーーー!」

達也ーーーーー!!
コイツ何なの????
本当にムカつくんだけど!!!

涼は教科書を教卓に静かに置き、達也の方をじっと見て・・・・。

「お前なんなんだ?喧嘩売ってんなら後でにしろ」

涼は教卓に手を付き言った。
わわわわっ・・・・・・・・

達也は背もたれに寄りかかり・・・ポケットに手を入れ・・。
「ぇえーーーーー・・涼さん恥ずかしいのーーー???トップなのに???」

わぁぁぁぁーーーーー・・・・・・・。
もう本当にイヤ!!!!

「もうやめてよッ!!出てって!!!」
私が振り返って言うと、達也は面白がってるような顔をして・・・・。


「じゃー、お前が見せろよ」
はぁっ?!
「何言ってんの?いったい何なの???」

私が立ち上がって言うと、
「何なのはこっちのセリフだぜ!!お前給料泥棒かよ!何も出来ねーくせに給料だけもらってOHに出入りしてんじゃねーよ!!!!」

くぅぅぅーーーーーーーっ!!!!

「お前なんか可愛いだけで何のとりえもないくせに、役立たずがっ!」

・・・・・・ッ?!

プチッ・・・と・・・・何かが頭の中で切れた気がした。


達也の挑発に乗ったのは・・・。
私だった。

私は持っていた教科書をぎゅっと握りしめ、涼がいる皆の前まで小走りで行った・・・。

「結城??・・ちょっと落ち着け・・・・」
涼が私の肩を抑えるようにして言った。

「早くやれよ、可愛い結城ちゃーん!」
達也の挑発が・・・・
かぁぁぁーーーーっと私の頭を沸騰させる。

私・・・こんなに・・・短気だったっけ・・・・・・。

「お前マジ黙れ!!」
涼が達也にそう言った時・・・・・・。

私は・・・・グッと・・・涼のネクタイを引っ張った・・・・。
そして・・・キスをした・・・・。

皆の・・・わっ・・・・と言う声と・・・
達也の笑い声・・・・・・。


初めて・・・自分からした・・・・・キス。
ギューーーーっと目を瞑って、涼のネクタイを離さなかった・・・。










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