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26 sideルートヴィッヒ
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朝食が済んだと思われる時間帯に俺はリーシェン嬢のもとを訪れた。
勿論、ユリウス叔父上の近衛隊である面々を連れてだ。
本当は早くに訪れるものではないが、父上も母上も弟たちもユリウス叔父上に思惑を潰されたので、リーシェン嬢に要らないことを吹き込まないか心配だった。
それに父上と母上はユリウス叔父上に敵うわけもないのに対抗しようとしている。
その向上心は認めるが、もっと他の方に向けて欲しい。
主に書類仕事とか、書類仕事とか、書類仕事とか!
書類仕事が苦手なのは分かっているがもうちょっと努力して欲しい。
身体を動かす方は得意なんだよな。
だけど、頭が足りないからとりあえず、見たことをまとめて、自分なりの考えを書いて、ユリウス叔父上に採点してもらっている。
もう少し、頭が足りていたらユリウス叔父上も助かるだろうに。
この状態でユリウス叔父上を皇太子の位から降下させてしまったらどうなると思っているんだ?
悪いが俺もユリウス叔父上ほど賢くはないぞ?
ユリウス叔父上に及第点を貰っている身だ。
父上と母上の仕事の採点まで出来ないし、叔父上が侯爵になってしまったら、見せれない書類だって出てくる。
そんな恐ろしいことはやめてほしい。
いや、そこまで考えが至らないのが我が両親なんだけどな。
本当に、なんでこれで国王になれたんだろうか?
まぁ、それはいつかユリウス叔父上と話をしよう。
そういう意味もあり、ユリウス叔父上が俺に付けている近衛隊メンバーをリーシェン嬢に紹介のためでもある。
リーシェン嬢は俺がユリウス叔父上が会いに来ると言っただけで前のめりになって聞いてきた。
表情はあんまり変わってなかったが、声色は驚き、願望、嬉しさなどが含まれている感じだった。
どうやら、表情を変えることは少ないようだが何か母国であったのか?
いや、色々あったから我がオリフィア皇国に嫁いできたんだろうけど。
それは隅に置くとして、現在は頬を朱に染めてそわそわしている感じだ。
うん、素直でいいなぁ。
ユリウス叔父上が来るのが本当に嬉しいだろうな。
あ、紹介をさっさとしておこう。
「リーシェン嬢」
「は、ひゃい!?」
「くっくっ、失礼。叔父上が来るまでにこの者たちの紹介をしておきますね」
「は、はい」
名前を呼んだだけで声が裏返っていた。
ユリウス叔父上の重い愛情を一身に受けるのだ、頑張ってほしい。
最初の方は微笑ましいだろうけど。
「右端から順に」
「私は近衛隊副隊長補佐のジャンクロード・ムスカです」
「私はコンラート・ファングです」
「自分はリュート・イエルグと言います」
「そして、私を含めてルートヴィッヒ皇子についていました」
「そうなんですね」
「ええ。殿下は心配性なんですよ。ご自身の近衛隊を分隊させてまでルートヴィッヒ皇子に付けたのですから」
「うるさいぞ、パーシー」
パーシーはいつも一言多い。
昔からの仲だ、気心も知れているし、学園時代の名残のようなものだ。
実はこの面子は俺が学生時代の友人たちでもある。
俺、パーシー、コンラートは同級で、ジャンクロードことジャックとリュートは後輩になる。
そして、知ってのとおりパーシーとジャックは兄弟だ。
俺の想い人を知っているという意味でもこいつらは本当に本音を語れる数少ない相手でもある。
まぁ、ユリウス叔父上にもばれたからこの面々が俺に付けられたんだろうな。
実際にそのおかげで今は付き合ってもいるし、他の家族にはばれてない。
目の前のリーシェン嬢にもいつか話してもいいと思うだ。
どうせ、この面々とユリウス叔父上と一緒にいればばれるからな。
そんなことを想っていると俺はついつい想い人の方を見てしまっていた。
勿論、ユリウス叔父上の近衛隊である面々を連れてだ。
本当は早くに訪れるものではないが、父上も母上も弟たちもユリウス叔父上に思惑を潰されたので、リーシェン嬢に要らないことを吹き込まないか心配だった。
それに父上と母上はユリウス叔父上に敵うわけもないのに対抗しようとしている。
その向上心は認めるが、もっと他の方に向けて欲しい。
主に書類仕事とか、書類仕事とか、書類仕事とか!
書類仕事が苦手なのは分かっているがもうちょっと努力して欲しい。
身体を動かす方は得意なんだよな。
だけど、頭が足りないからとりあえず、見たことをまとめて、自分なりの考えを書いて、ユリウス叔父上に採点してもらっている。
もう少し、頭が足りていたらユリウス叔父上も助かるだろうに。
この状態でユリウス叔父上を皇太子の位から降下させてしまったらどうなると思っているんだ?
悪いが俺もユリウス叔父上ほど賢くはないぞ?
ユリウス叔父上に及第点を貰っている身だ。
父上と母上の仕事の採点まで出来ないし、叔父上が侯爵になってしまったら、見せれない書類だって出てくる。
そんな恐ろしいことはやめてほしい。
いや、そこまで考えが至らないのが我が両親なんだけどな。
本当に、なんでこれで国王になれたんだろうか?
まぁ、それはいつかユリウス叔父上と話をしよう。
そういう意味もあり、ユリウス叔父上が俺に付けている近衛隊メンバーをリーシェン嬢に紹介のためでもある。
リーシェン嬢は俺がユリウス叔父上が会いに来ると言っただけで前のめりになって聞いてきた。
表情はあんまり変わってなかったが、声色は驚き、願望、嬉しさなどが含まれている感じだった。
どうやら、表情を変えることは少ないようだが何か母国であったのか?
いや、色々あったから我がオリフィア皇国に嫁いできたんだろうけど。
それは隅に置くとして、現在は頬を朱に染めてそわそわしている感じだ。
うん、素直でいいなぁ。
ユリウス叔父上が来るのが本当に嬉しいだろうな。
あ、紹介をさっさとしておこう。
「リーシェン嬢」
「は、ひゃい!?」
「くっくっ、失礼。叔父上が来るまでにこの者たちの紹介をしておきますね」
「は、はい」
名前を呼んだだけで声が裏返っていた。
ユリウス叔父上の重い愛情を一身に受けるのだ、頑張ってほしい。
最初の方は微笑ましいだろうけど。
「右端から順に」
「私は近衛隊副隊長補佐のジャンクロード・ムスカです」
「私はコンラート・ファングです」
「自分はリュート・イエルグと言います」
「そして、私を含めてルートヴィッヒ皇子についていました」
「そうなんですね」
「ええ。殿下は心配性なんですよ。ご自身の近衛隊を分隊させてまでルートヴィッヒ皇子に付けたのですから」
「うるさいぞ、パーシー」
パーシーはいつも一言多い。
昔からの仲だ、気心も知れているし、学園時代の名残のようなものだ。
実はこの面子は俺が学生時代の友人たちでもある。
俺、パーシー、コンラートは同級で、ジャンクロードことジャックとリュートは後輩になる。
そして、知ってのとおりパーシーとジャックは兄弟だ。
俺の想い人を知っているという意味でもこいつらは本当に本音を語れる数少ない相手でもある。
まぁ、ユリウス叔父上にもばれたからこの面々が俺に付けられたんだろうな。
実際にそのおかげで今は付き合ってもいるし、他の家族にはばれてない。
目の前のリーシェン嬢にもいつか話してもいいと思うだ。
どうせ、この面々とユリウス叔父上と一緒にいればばれるからな。
そんなことを想っていると俺はついつい想い人の方を見てしまっていた。
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