妹にすべてを奪われましたが、最愛の人を見つけました

桜月雪兎

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ユリウス様の近衛隊の皆さんを紹介されました。

ルートヴィッヒ様はじっーとジャンクロードさんの方を見ています。
何でしょう?
お互いに見ているだけですのに、雰囲気が甘い(?)感じがします。
気のせいでしょうか?

そうしていると、パーシヴァルトさんが咳払いをしました。

「皇子、その辺で止めましょうね。ここはリーシェン様のお部屋ですよ」
「うっ!分かっている」
「本当でしょうか?ジャックお前もいい加減にしないと……シバくぞ」
「ご、ごめんなさい」

パーシヴァルトさんの一声で場の空気が変わりました。

他の皆さんは苦笑されています。
どうやら、こういうのはいつものことなんでしょうね。
慣れているという感じです。

「失礼しました、リーシェン様」
「いいえ、少々驚きましたが」
「実は私たちは学生時代からの友人なんです。普段は仕事ですので弁えていますが…ルートヴィッヒ皇子を始め、この者たちが…特に弟であるジャンクロードが粗相をしましたら、お教えください。シバきます」
「し、シバくのですか?」

パーシヴァルトさん、今、ルートヴィッヒ様も含めてましたよ?!
いいのでしょうか?
それに皆さん、青ざめてますが?

パーシヴァルトさんは気にされないようですね。

それはそうと、ジャンクロードさんはパーシヴァルトさんの弟さんなのですね。

「パーシー、お前…」
「ちょっと、パーシー先輩」
「いや、シバくって、おい」
「兄さん」
「粗相をしなければいいのですよ。粗相をしなければ」

とりつく島もありませんでした。
ルートヴィッヒ様もお顔がひきつっていました。

どうやら皆さんの中でパーシヴァルトさんが一番のようです。
ルートヴィッヒ様は立場上は一番でしょうが、関係上はパーシヴァルトさんより下みたいです。

「ごほん!まぁ、この面々がユリウス叔父上から借り受けている近衛隊です。もしかしたら、この者たちの中からリーシェン嬢の護衛につく者が出るかもしれませんので」
「では、早速ジャックを皇子から外しますか?」
「なんでそうなる?!!」
「むきにならないでください。冗談ですよ…………今は」

パーシヴァルトさん、今小声で付け足しましたよ。
どうやら、ルートヴィッヒ様が何かすればジャンクロードさんが外されるようです。

なんでそれが罰になるのでしょうか?
よくわかりません。
ですが、ルートヴィッヒ様にはそれがよく効くようです。
今も項垂れています。

最初にお会いした時と感じがだいぶ違います。
こっちがルートヴィッヒ様の素なのでしょうか?

そうしていると、ナタリーが来客の知らせをくれました。
来客はユリウス様です。



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