5 / 36
第5話 引きこもり脱出計画
しおりを挟む
(ちょっ……! 今の本当なのか!? 投稿したって言ったよな! ってことは、彼女の小説を読んだことあるんじゃないか?)
地下室に戻った後、エリオットは頭が混乱して何も手に付かなくなった。すっかり取り乱して、足の踏み場もない床を本のタワーの間を縫ってぐるぐると回り出す。
(ペンネーム聞くの忘れてた。きっと本名では出さないだろうし。でも本当のことを知られたらまずい! 絶対に隠しておかなきゃ!)
ここまで考えたところで、いや待てよ? 逆に親交を深めるきっかけにならないか? という考えが頭に浮かんだが、すぐに被りを振って否定した。まさか、自分と親密になりたい若い女性なんて存在するはずがない。下手な妄想は捨てろ。エリオットは自分を戒めた。
これから仕事の続きをしようと思っていたが、それどころではない。にわかに机の上の書類をかき分けて何かを探そうとしたが、自分は何してるんだと思いとどまった。仕事に戻ろうと再び席に着いたが、気持ちは千々に乱れ、集中することはできなかった。
**********
翌日、ビアトリスは、ユージンが使っていた執務室で、ハインズと事務仕事をしていた。エリオットが苦手だと言っていた帳簿付けや領地経営に関わる業務を一緒にやっている。一通り内容を教われば、そう難しくない内容だ。エリオットなら簡単にできそうだと思うのだが、何を毛嫌いしているのだろうか?
「ねえ、ハインズ。エリオットの義兄様のユージン様ってどんな方なの?」
仕事にも慣れ、ハインズとのコミュニケーションも苦にならなくなって来た。この辺で、この家の人間について探りを入れてみよう。
「ええと……そうですね。とびきりハンサムで女性の人気が高い方です。現在27歳ですが、『結婚したい貴族ナンバー1』と言われているらしく、その手の噂が絶えないようです」
「それくらいは私も知っているのよ。家ではどんな人だったかと聞いているの」
「申し訳ありません……使用人の立場で主人を評価するのはおこがましいゆえ、致しかねます。どうかお許しください」
ハインズはきちんとした執事らしく、申し訳なさそうにそう言っただけだった。予想通りと言えば予想通りだ。しかし、本当にいい主人ならばそこは誉めそやすのではないか? とビアトリスは考えた。
(もしかしたら、悪口を言いたくても言えない状況なのかも?)
「こちらこそ答えにくい質問をして悪かったわね。では、エリオット様との兄弟関係はどうだった? これなら少しは答えれられるんじゃない?」
「それがですね、エリオット様は地下室から殆ど出ることがなく、身の回りの世話もお一人で済ませることが多かったので、我々も詳しくは知らないのです。ユージン様が地下室に行ってお二人でお話することはありましたけど、我々の耳に入ることは少なかったです」
「一人で? だってユージン様の弟でしょ? それじゃ使用人と殆ど待遇に差がないじゃない?」
「はい、それでもご本人が何も言わなかったのと、ユージン様がそれでいいとおっしゃるので……」
ハインズはそこまで言って「あとはお察しください」と言うような顔をした。主人の悪口は言えないが、状況から察すると、ユージンは外と内では違う顔を使い分けている。しかし、エリオットはそんな兄を慕っている。そんなところだろうか。なぜエリオットが兄をそこまで信じているのか分からないが、これ以上は本人に尋ねるしかない。腑に落ちたような落ちないような、ビアトリスは大きなため息をついた。
「お役に立てずすいません。実際分からないことも多くて……」
「いいのよ。板挟みになるようなことを聞いてごめんなさいね。職業倫理の高い執事とお見受けしたわ。これなら信頼して仕事を任せられるわね」
ビアトリスがそう言って笑うと、ハインズは申し訳なさそうに目を伏せた。むしろ、聞かれたことをべらべらと喋るより信用できるだろう。正直さの表れとも見ることができるし、特に問題はなさそうだ。
それから小一時間経ち、仕事がひと段落してから、ビアトリスはエリオットのいる地下室を訪ねた。
「昨日はお疲れ様。ゆっくり休めた……感じじゃないわね?」
エリオットは、昨日の服装から着替えず、ベストと上着をその辺に放ったまま、一心不乱に書き仕事をしていた。碌に寝てもいないようだ。
「いくら小説を書いてるからって、体調を崩すほどのめりこんだら駄目ですよ。少しは休んでください。それとも締め切りに間に合わないんですか?」
「うん? 締め切り? まあ確かにそうかな」
エリオットは、ビアトリスがやって来たことに驚きながら、半分上の空で答えた。
「こう言っちゃなんですけど、まだプロにもなってないのにそこまで打ち込んで体でも壊したら元も子もありません。どうか健康第一に考えてください。それとも、既に連載しているとか……!?」
「いや、そうじゃない。ただの趣味の段階に過ぎないよ」
エリオットは慌てて取り繕った。本当のことなど言えるはずがない。
「そうですか、びっくりしました。こんな身近に神がいるのかと思っちゃいました……のめりこむ気持ち、私も分かります。かつては自分もそうでしたから」
「かつては……なの? 再開するつもりはないの?」
エリオットから不意に聞かれて、ビアトリスはもじもじしながら床に視線を落とした。
「再開、ですか? でも才能ないのもう分かってるし……」
「何度チャレンジしたか知らないけど、才能がないなんてことないよ。この界隈は、途中で脱落する人が多いから、結局最後まで諦めない人が残るんだ。それに、もし今まで一人でやってたのなら、批評し合える仲間がいる方が伸びやすい」
「でも、あなた、私の小説読んだことないじゃないですか……」
なおもビアトリスが迷っていると、エリオットは自分でも考えてなかった言葉をいつの間にか発していた。
「もし僕でよければ一緒に読み合いをしない?」
「え? いいんですか?」
言ってしまってからエリオットは、はっとした。ただでさえ忙しいのに新たなタスクを抱えるなんて厄介でしかない。しかしこの時は、ビアトリスを立ち直らせたい気持ちの方が勝っていた。
「うん……僕の書いた小説と交換して、意見を言い合おうよ」
それを聞いたビアトリスはぱっと顔を輝かせた。
「本当ですか! ありがとうございます! 創作仲間がいなかったからずっと孤独だったんです! 嬉しい!」
純粋に喜ぶビアトリスを見てたら、エリオットもうきうきした気持ちになってきた。
「それなら私も提案があるんです。暗い地下でなくて明るい屋外で読み合いをしませんか? ちょうど散歩に適した季節ですし、運動にもなると思うんです。このままだと体に悪いし……」
彼は自ら進んで地下室にいるのだから、このような提案は迷惑かもしれない。でも、ずっとこの生活を続けるのは健康上の問題があると思われる。うっとおしがられようが、ビアトリスは、何とか口実を付けて、彼を外に引っ張り出したいと思った。
「それって、僕を地下から引き上げたいってこと?」
「ぎくっ! 分かっちゃいました? だって日の当たる場所に出てきて欲しいって思うのが人情じゃないですか? 自分の夫には健康でいて欲しいし」
「ん? 今何て言った?」
「あ……だから、自分の夫には健康でいて欲しいって……」
「自分の夫」という響きがやけに生々しいことに気付いて、二人とも顔が真っ赤になったまま先が続けられなくなった。しばらくどちらも口ごもったまま時間だけが流れる。しばらくしてエリオットが不自然な咳払いをしてから口を開いた。
「あ、ありがとう、健康のこと気遣ってくれて。ずっとここで寝泊まりしていたからいきなりは無理だけど、散歩くらいならできそうな気がする」
「やった! 実は断られるかもしれないってドキドキしていたの。よかった、OKしてくれて。お勧めの散歩のコースとかお気に入りのスポットがあるから教えてあげる! ……じゃなくて、嬉しいです、ありがとうございます」
ビアトリスは、地の部分がまた出てしまったことにはっと気付いて、お辞儀をしながら慌てて訂正した。
「いいよ、僕のことはただのエリオットでいい。これからはくだけた口調にして。だって夫婦でしょ」
「分かりました……じゃなくて分かった。これからはそうさせてもらうね。じゃ、また」
ビアトリスはそう言い残して地下室を出た。ドアをしめたところで自分の顔が真っ赤にほてっていることに気付く。「自分の夫」「夫婦だから」なぜこんな当たり前のことで恥ずかしくなるのか。まるで子供ではないか。しかし、書類だけ交わして、式も挙げていない夫婦の方が本来おかしいのだ。自分たちは、世間一般の常識から大きくかけ離れていることをここに来て認識させられる結果となった。
★★★
最後までお読みいただきありがとうございます。
恋愛小説大賞エントリー中です。
大人のくせにじれったい夫婦だな!と思ったら清き一票をお願いします!
「忘れられた王女は獣人皇帝に溺愛される」も同時連載中です。こちらはシリアス度高めです。
地下室に戻った後、エリオットは頭が混乱して何も手に付かなくなった。すっかり取り乱して、足の踏み場もない床を本のタワーの間を縫ってぐるぐると回り出す。
(ペンネーム聞くの忘れてた。きっと本名では出さないだろうし。でも本当のことを知られたらまずい! 絶対に隠しておかなきゃ!)
ここまで考えたところで、いや待てよ? 逆に親交を深めるきっかけにならないか? という考えが頭に浮かんだが、すぐに被りを振って否定した。まさか、自分と親密になりたい若い女性なんて存在するはずがない。下手な妄想は捨てろ。エリオットは自分を戒めた。
これから仕事の続きをしようと思っていたが、それどころではない。にわかに机の上の書類をかき分けて何かを探そうとしたが、自分は何してるんだと思いとどまった。仕事に戻ろうと再び席に着いたが、気持ちは千々に乱れ、集中することはできなかった。
**********
翌日、ビアトリスは、ユージンが使っていた執務室で、ハインズと事務仕事をしていた。エリオットが苦手だと言っていた帳簿付けや領地経営に関わる業務を一緒にやっている。一通り内容を教われば、そう難しくない内容だ。エリオットなら簡単にできそうだと思うのだが、何を毛嫌いしているのだろうか?
「ねえ、ハインズ。エリオットの義兄様のユージン様ってどんな方なの?」
仕事にも慣れ、ハインズとのコミュニケーションも苦にならなくなって来た。この辺で、この家の人間について探りを入れてみよう。
「ええと……そうですね。とびきりハンサムで女性の人気が高い方です。現在27歳ですが、『結婚したい貴族ナンバー1』と言われているらしく、その手の噂が絶えないようです」
「それくらいは私も知っているのよ。家ではどんな人だったかと聞いているの」
「申し訳ありません……使用人の立場で主人を評価するのはおこがましいゆえ、致しかねます。どうかお許しください」
ハインズはきちんとした執事らしく、申し訳なさそうにそう言っただけだった。予想通りと言えば予想通りだ。しかし、本当にいい主人ならばそこは誉めそやすのではないか? とビアトリスは考えた。
(もしかしたら、悪口を言いたくても言えない状況なのかも?)
「こちらこそ答えにくい質問をして悪かったわね。では、エリオット様との兄弟関係はどうだった? これなら少しは答えれられるんじゃない?」
「それがですね、エリオット様は地下室から殆ど出ることがなく、身の回りの世話もお一人で済ませることが多かったので、我々も詳しくは知らないのです。ユージン様が地下室に行ってお二人でお話することはありましたけど、我々の耳に入ることは少なかったです」
「一人で? だってユージン様の弟でしょ? それじゃ使用人と殆ど待遇に差がないじゃない?」
「はい、それでもご本人が何も言わなかったのと、ユージン様がそれでいいとおっしゃるので……」
ハインズはそこまで言って「あとはお察しください」と言うような顔をした。主人の悪口は言えないが、状況から察すると、ユージンは外と内では違う顔を使い分けている。しかし、エリオットはそんな兄を慕っている。そんなところだろうか。なぜエリオットが兄をそこまで信じているのか分からないが、これ以上は本人に尋ねるしかない。腑に落ちたような落ちないような、ビアトリスは大きなため息をついた。
「お役に立てずすいません。実際分からないことも多くて……」
「いいのよ。板挟みになるようなことを聞いてごめんなさいね。職業倫理の高い執事とお見受けしたわ。これなら信頼して仕事を任せられるわね」
ビアトリスがそう言って笑うと、ハインズは申し訳なさそうに目を伏せた。むしろ、聞かれたことをべらべらと喋るより信用できるだろう。正直さの表れとも見ることができるし、特に問題はなさそうだ。
それから小一時間経ち、仕事がひと段落してから、ビアトリスはエリオットのいる地下室を訪ねた。
「昨日はお疲れ様。ゆっくり休めた……感じじゃないわね?」
エリオットは、昨日の服装から着替えず、ベストと上着をその辺に放ったまま、一心不乱に書き仕事をしていた。碌に寝てもいないようだ。
「いくら小説を書いてるからって、体調を崩すほどのめりこんだら駄目ですよ。少しは休んでください。それとも締め切りに間に合わないんですか?」
「うん? 締め切り? まあ確かにそうかな」
エリオットは、ビアトリスがやって来たことに驚きながら、半分上の空で答えた。
「こう言っちゃなんですけど、まだプロにもなってないのにそこまで打ち込んで体でも壊したら元も子もありません。どうか健康第一に考えてください。それとも、既に連載しているとか……!?」
「いや、そうじゃない。ただの趣味の段階に過ぎないよ」
エリオットは慌てて取り繕った。本当のことなど言えるはずがない。
「そうですか、びっくりしました。こんな身近に神がいるのかと思っちゃいました……のめりこむ気持ち、私も分かります。かつては自分もそうでしたから」
「かつては……なの? 再開するつもりはないの?」
エリオットから不意に聞かれて、ビアトリスはもじもじしながら床に視線を落とした。
「再開、ですか? でも才能ないのもう分かってるし……」
「何度チャレンジしたか知らないけど、才能がないなんてことないよ。この界隈は、途中で脱落する人が多いから、結局最後まで諦めない人が残るんだ。それに、もし今まで一人でやってたのなら、批評し合える仲間がいる方が伸びやすい」
「でも、あなた、私の小説読んだことないじゃないですか……」
なおもビアトリスが迷っていると、エリオットは自分でも考えてなかった言葉をいつの間にか発していた。
「もし僕でよければ一緒に読み合いをしない?」
「え? いいんですか?」
言ってしまってからエリオットは、はっとした。ただでさえ忙しいのに新たなタスクを抱えるなんて厄介でしかない。しかしこの時は、ビアトリスを立ち直らせたい気持ちの方が勝っていた。
「うん……僕の書いた小説と交換して、意見を言い合おうよ」
それを聞いたビアトリスはぱっと顔を輝かせた。
「本当ですか! ありがとうございます! 創作仲間がいなかったからずっと孤独だったんです! 嬉しい!」
純粋に喜ぶビアトリスを見てたら、エリオットもうきうきした気持ちになってきた。
「それなら私も提案があるんです。暗い地下でなくて明るい屋外で読み合いをしませんか? ちょうど散歩に適した季節ですし、運動にもなると思うんです。このままだと体に悪いし……」
彼は自ら進んで地下室にいるのだから、このような提案は迷惑かもしれない。でも、ずっとこの生活を続けるのは健康上の問題があると思われる。うっとおしがられようが、ビアトリスは、何とか口実を付けて、彼を外に引っ張り出したいと思った。
「それって、僕を地下から引き上げたいってこと?」
「ぎくっ! 分かっちゃいました? だって日の当たる場所に出てきて欲しいって思うのが人情じゃないですか? 自分の夫には健康でいて欲しいし」
「ん? 今何て言った?」
「あ……だから、自分の夫には健康でいて欲しいって……」
「自分の夫」という響きがやけに生々しいことに気付いて、二人とも顔が真っ赤になったまま先が続けられなくなった。しばらくどちらも口ごもったまま時間だけが流れる。しばらくしてエリオットが不自然な咳払いをしてから口を開いた。
「あ、ありがとう、健康のこと気遣ってくれて。ずっとここで寝泊まりしていたからいきなりは無理だけど、散歩くらいならできそうな気がする」
「やった! 実は断られるかもしれないってドキドキしていたの。よかった、OKしてくれて。お勧めの散歩のコースとかお気に入りのスポットがあるから教えてあげる! ……じゃなくて、嬉しいです、ありがとうございます」
ビアトリスは、地の部分がまた出てしまったことにはっと気付いて、お辞儀をしながら慌てて訂正した。
「いいよ、僕のことはただのエリオットでいい。これからはくだけた口調にして。だって夫婦でしょ」
「分かりました……じゃなくて分かった。これからはそうさせてもらうね。じゃ、また」
ビアトリスはそう言い残して地下室を出た。ドアをしめたところで自分の顔が真っ赤にほてっていることに気付く。「自分の夫」「夫婦だから」なぜこんな当たり前のことで恥ずかしくなるのか。まるで子供ではないか。しかし、書類だけ交わして、式も挙げていない夫婦の方が本来おかしいのだ。自分たちは、世間一般の常識から大きくかけ離れていることをここに来て認識させられる結果となった。
★★★
最後までお読みいただきありがとうございます。
恋愛小説大賞エントリー中です。
大人のくせにじれったい夫婦だな!と思ったら清き一票をお願いします!
「忘れられた王女は獣人皇帝に溺愛される」も同時連載中です。こちらはシリアス度高めです。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
地味な私では退屈だったのでしょう? 最強聖騎士団長の溺愛妃になったので、元婚約者はどうぞお好きに
reva
恋愛
「君と一緒にいると退屈だ」――そう言って、婚約者の伯爵令息カイル様は、私を捨てた。
選んだのは、華やかで社交的な公爵令嬢。
地味で無口な私には、誰も見向きもしない……そう思っていたのに。
失意のまま辺境へ向かった私が出会ったのは、偶然にも国中の騎士の頂点に立つ、最強の聖騎士団長でした。
「君は、僕にとってかけがえのない存在だ」
彼の優しさに触れ、私の世界は色づき始める。
そして、私は彼の正妃として王都へ……
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!
エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」
華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。
縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。
そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。
よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!!
「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。
ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、
「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」
と何やら焦っていて。
……まあ細かいことはいいでしょう。
なにせ、その腕、その太もも、その背中。
最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!!
女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。
誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート!
※他サイトに投稿したものを、改稿しています。
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
恋愛
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)
【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる