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意外な形での出会いでしたが、私たちは結ばれることとなりました。
しおりを挟む婚約者ウィールから「他に好きな人ができて君のことは見えなくなったんだ」なんて言われ婚約破棄された。
理由は理解はできる。
意味不明とまではいかない。
でも、理由が理由なので、少々もやもやしてしまって。
そのもやもやを晴らすべく実家の庭で反復横跳びをしていたら――。
「お嬢さん! その反復横跳び、素晴らしいですね!」
塀の向こうから一人の男性が急にそんな風に声をかけてきて。
「え……」
「その足さばきに惚れてしまいました!!」
しかも凄まじい勢いで迫ってこられて。
「僕と結婚してください!!」
しまいにそんなことまで言われてしまった。
いやいや、これはさすがに、理解不能過ぎる……。
「え、っと……すみません、あの、あまりにも唐突で……ちょっと、理解が」
「愛してしまいました!!」
「いやいやいや! 待ってくださいよ! 急過ぎます!」
彼との出会いはそんな理解できる域を超えたものであったのだが――それから二年ほどして、私は彼と結婚したのだった。
……まさかの展開である。
庭で反復横跳びしている女性に声をかける男性、なんて、一般的には少々危険な匂いのするもの。けれども私たちの場合に関しては不審な要素はほとんどなくて。少し不思議な出会いではあったけれど、次第に惹かれ合い、その果てに結ばれるに至ったのである。
こうして私は幸せを手にしたのだった。
ちなみにウィールはというと、家の前に降り立った謎の宇宙人に刃物を持って襲いかかったためにスペースビームで反撃されてしまい、炭化し落命することとなってしまったそうだ。
◆終わり◆
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