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第69話 第三王子はマリーに相談する!2

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マリーにツッコミを入れたら何故かエリスに怒鳴られ困惑している『シュウ』です。


「ありがとう。マリー、あなたの言っていることは100%当たっているわ。それに加え『愛の逃避行』のフレーズは最高に素敵よ! マリー、あなたにセンスの良さを感じるわ」


――えっ!? そこなの? そんなことで僕は怒鳴られたの?


「ありがとう、エリス。そう言ってもらえると嬉しいわ。実は私、匿名で恋愛小説を書いているの。この前、待望の書籍化もされたんだよ」

「マリー! 凄いじゃない! どんなタイトルなの? 購入したいから教えて?」

「買ってくれるのは嬉しいが、なんか身内に読んでもらうの、はずかしいわ~」

「良いから教えてよ。私、マリーが書いた恋愛小説読んでみたい!」

「売れるかわからないからみんなには内緒で頼むわよ」

「その辺は大丈夫。私とマリーの秘密で! それでタイトルは?」

「本当に内緒で頼むわよ。タイトルは『有能勇者パーティーから無能だと追放されたブサイクマッチョとイケメンスレンダーマッチョの外れスキルでマッチョ無双、マッチョだけのハーレムを作るのだ!』なんだ! ホントに内緒にしてよ!」

「『有能勇者パーティーから無能だと追放されたブサイクマッチョとイケメンスレンダーマッチョの外れスキルでマッチョ無双、マッチョだけのハーレムを作るのだ!』 もうタイトルだけでそそられるわ! マリー、いや、マリー先生!是非、買わせてもらうわ」

「ありがとう。それとシュウにお願いがあるの?」

「なんだい?」

「君とヤスをモデルに新作を考えていたの。その……モデルにしても良いかな?」

「マリー先生! やっぱりあなたは最高だわ! シュウ君をモデルにする辺り、ただ者じゃないわ! 『シュウ君×ヤス君』 『ボス×ヤス』 萌えるわ~、いや、萌えないという選択肢は無いわ! シュウ君もそれで良いでしょう? マリー先生、シュウ君から許可は貰いましたので、思う存分書いて下さい。出来上がったら私が最初の読者で良い?」


――エリス。お願いだからヤスだけは偽名にしてくれ……


「エリス! 是非、お願いしたいわ。独りよがりの小説になってないか不安だったんだよね! エリスが監修してもらえたら助かるわ」

「任せておいて、この手の小説は結構うるさいわよ」

「うるさくて結構! 二人で小説家の頂点を目指そう!」

「わかったわ。二人で頂点を目指しましょう!」

――エリスが大興奮している…… エリスの意外な一面に驚いたが、マリーがBL小説を書いているとは思わなかった…… 

この瞬間、世間を一世風靡する大人気BL作家コンビが爆誕したのだった……


因みに僕はBLには拒否反応はない。なぜなら妻がBL好きで僕をBLに理解のあるおとこ教育せんのうしたのだから……


『ゴホン』

僕は咳払いをし、話しを戻そうとしたが、二人はBLで盛り上がって、僕の咳払いをスルーしている。

「あの~そろそろ僕の相談事の話しを進めても良いだろうか?」

「ごめんなさい。エリスと今後の創作活動について話しが盛り上がってしまったわ」

「ごめんなさい。私もつい嬉しくて……」

「別に構わないよ。エリスのやりたいようにすれば良いよ」

「シュウ。嫌なら答えなくても良いけど、君とエリスの関係はどうなったてるの?」

「え~と、ぼ……」

「シュウ君は良いから私から伝えるわ」

エリスに僕の会話を途中で遮られた。

「………………」

「私たち婚約したの! シュウ君のご両親、私の両親も認めてくれたの!」

「そうなの!? それは、おめでとう。私からお祝いを言わせてもらうわ」

「マリー、ありがとう」

「ところでシュウ。相談事とは婚約のこと? 私はまだ、婚約相手もいないからたいしたアドバイスは出来ないわよ」

「その事もあるけど……」

「どうしのシュウ?」

「僕の話しを聞いても驚かないか?」

「場合にもよるが大抵のことなら驚かないわよ」

「エリス。お願いしても良いかい? 一応保険をかけておかないと」

「わかったわ」

『パチン』

エリスは、指を鳴らした。防音魔法そうおんダメゼッタイの無詠唱である。
これなら大声を出しても部屋の外へ音が漏れることはない、父上の時に使った防音魔法そうおんダメの上位互換になる。

「シュウ君、もう大丈夫よ」

「ありがとう」

「じゃ、話すよ。何と言って良いか難しいけど、夏休みに魔女に出会ったんだ……」


「――!? はあ? 言ってんの? バカなの? あなたの目は節穴なの? たぬきなの? もう魔女さんいないじゃん!」


――マリーの口調がおかしいぞ!? いつもの聖女兼フレンドリー口調はどうした?
それと、僕は嘘を言ってないそ! エリスが魔女だと知ったのは魔境の森の中だったからセーフだと思う。あと、たぬき関係ないじゃん!


「それがいたんだよ。ヒスト先生の授業でも居ないって言ってたけど、確かに居るんだよ(目の前に)」
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