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1章 どちらが先にイくか勝負だ!
魔女の左乳首の上にはホクロがある ★
しおりを挟むまおう と ぶか が あらわれた !
どどどどうしよう。
こちらは1人。街中。しかも役場の中。
絶頂魔法を使うにも、周囲を巻き込みかねない状況では使いにくい。あとこの状況ではさすがの俺もいきなりナニも出来ない。そもそも1人で勝ち目があるのか。いやない。
「そんなに警戒しないでくださいよォ」
部下であるローブの男はフレンドリーにヘラヘラしている。人に化けてるのだろうが、やはり顔が良く見えない。
「勇者よ、余を」
「魔王様、ちょっ黙っててェ」
「むがっ」
ローブの男が魔王の口を塞いだ。薄々感じていたがもしかしてあまり部下に敬われていないのだろうか。
あ、元がスライムだからか?
「あンのォ、今日はビジネスのお話でしてェ」
ビジネスという単語があることに驚くが、そもそも日本語で会話していることに驚くべきだろう。日本語だと認識してるだけで違うのかもしれないが。
「……こちらが圧倒的に不利だけど、話は聞こうか」
逃げることを一瞬考えたが、失敗するリスクを考えてやめた。またヤられたら目も当てられない。魔王がなんとなくこちらをスケベな目で見ているのは気のせいだろうか?
「話が早くて助かりマス。勇者サンって、えーと……あの……髪がこう、ぶわ~~っとした女神サンって、何て言いましたっけ」
「蟹女か? 名前は知らんが」
「アッハハハハ! 蟹か! あ、いやいや……その女神サンから何て聞いてます? ウチの魔王様の事」
そういや名前を聞いていないな。それどころかここに来てから俺は俺の名前以外を知らない気がしないでもない。
「ええと……」
俺はざっくり魔王の話をした。本人を目の前にしてする話なのかはわからない。
と言うか、こんな和やかに談笑していていいのか?
「ふん……」
魔王は特に顔色を変えない。元々悪いままだ。
「ナルホドナルホド。うゥン、まァ大筋では合ってるンですがァ。そのですね、まず魔王様を倒しても倒さなくても、世界は滅びます」
「うん?」
なんか凄いことをサラッと言わなかった?
「人々が苦しんでるのはまァ……魔王様のせいなんですけどォ、こっちも事情がありましてねェ。とにかくこちらとしては無駄な争いは避けたいンです。ってことで」
なんだ? 意外にも和平交渉らしい。
「魔王様と子作りしてくだ」
「断る!!!!」
食い気味に断ってしまった。
「え、チョット、酷くない?」
「酷いのはそっちだ! アホか!!」
意味がわからん。お、俺をは、はら、孕ませて、魔王を延命させて俺になんのメリットがあるんだ。
「魔王様と中出しセックスしてくだ」
「断る!!!!!!」
ザワザワと周囲の町人がこちらを見ているのが気になってきた。どうしてくれるんだこの状況。
「……一応訊いてやる、何故だ」
正直今すぐ逃げたいが、魔女と合流出来ないとどうしようもない。時間を稼ぐしかなかった。
初っ端で「殺さないからヤらせろ」って言われてもおかしくない状況でわざわざ交渉して来るということ何かあるはずだ。
「理由は3つありマス。1つ。魔王様が延命する手段は勇者サンと子供を作るか、勇者サンと同等のヒトを食べるぐらいしか残ってません」
「……それは俺には知ったこっちゃない」
女の子の姿で俺と言うことに少し抵抗はあるが、敵相手に遠慮する必要は無い。
「もう1つ。世界を滅ぼすのは魔王様ではなくて、むしろ魔王様が滅びると世界も滅びまス」
「いまいちわからん。魔王が生命の素を吸い取ってるんだろ?」
「まァ吸ってはいるんですが、なんでただのスライムが吸ってんだって話で。……ハハハ、睨まないで下さいよォ」
ひょっとしてこっちが魔王なんじゃないだろうか?
魔王を見ると、睨むどころか目を閉じてジッとしている。こいつはこいつで寝てるんじゃないだろうな。
「いやァ、僕はただのお世話係デス。この人男は喰わないんで」
まあ俺もそこだけは同意だ。
「3つめ。おそらく勇者サンといればそれだけでしばらく魔王様は延命出来まァス」
「えぇ」
魔王を滅ぼすのが勇者じゃないんかい。
「……わからん。証明しろと言ってできる話でもない……が」
俺とヤりたいだけなら、それこそ別にいつでもどこでも今だっていいはずだ。
もしかして子供が出来にくいのだろうか? 妊活か?
と一瞬考えて吐き気がした。
「ちなみに勇者サンのメリットですが……コレでェす」
ローブの男はにっこり笑って(見えないが)、指で輪っかを作った。
コレ。
見覚えがある。
「金か」
「だからビジネスって言ったでショ! 衣食住保証、セックスしたらボーナス出します!!」
「セッ、でかい声で言うな。さっきから注目浴びてるだろ……」
金には大いに興味がある。
が視線が気になって周囲を見ると……俺の方ではなく、入り口の方を見て騒然としていた。
「なっ、なんだ」
「きゃあああああああ」
「えっ……大丈夫かあれ……」
人々が口々に何かを言っている。入り口には人だかりができていた。
「何だ?」
「お客サンですかね?」
呑気なローブの男を無視して、目を凝らす。
女だ。入り口にいるのは、巨乳の片方を惜しげも無く露わにして、自身で揉みながら歩いている──魔女だ。
「なっ──魔女か? どうした!」
思わず駆け寄ると、魔女──おそらく魔女なのだが──は、これまでにない艶めかしく微笑んだ。
「あっ……♡ アデリアさまぁ♡ わっ……私、あはっ♡ あっ♡ あはっ♡」
目が蕩けたように潤んでいる。頬は上気し、息が明らかに荒い。
「あのっ、あっ♡ だめっ♡ はっ……あっ♡ やぁっ」
これは、なんというか、エロい。
いやそうじゃない。ヤバい。
「あっ♡ あはっ♡ あのっ、私これっ……ちがっ、止まんな、あっ♡」
明らかに魔女の動きは、快感を求めるままに自分の乳房を揉みしだいている。もう片方の手が股間に伸びるのを、必死に抑えているようにも見えた。
「おっおい、大丈夫か?」
いくらなんでも公衆の面前でこんな事をする娘ではなかったはずだ。人目を避け、ローブの男達の方へ連れて来てしまった。
何をやってるんだ俺は。こいつらは敵だ。
「あっ♡ あぁ……ちが、勇者さまぁ、ちがっ♡ あはっ♡」
魔女が床に倒れ込む。脚を擦り合わせ、ますます息が荒い。とうとう股間に手を添えている。ごくり、と無意識に喉を鳴らしてしまう。
「お知り合いですかァ?」
ローブの男が面白くなさそうに言う。魔王も横で呑気に待ってるところがシュールだ。
「仲間だ。様子がその、変なんだよ」
普通に返事してる俺もおかしい。
どうにも最近人恋しい気もする。ホームシックだろうか?
「んっ♡ あはっ♡ きもち♡ あっ♡ きもち♡ だめっ♡」
魔女は焦点が合わない目を細め、両脚を開きながら自分の左乳首をこねくり回している。右手はこの角度からは見えないが、何をしているかは明白だ。
「あっ♡ あっ♡ やだっ、見ない、やっ♡ あっ♡」
涙目だが、手が止まることは無い。
「うぅン、こりゃ催淫かなんかですかねェ?」
しかし冷静だなこいつも。俺が男だったら立てなくなってるぞ。いや心は男なんだけど。
と思ったが座ったままだった。なるほど。
「あのね、あはっ♡ んっ……僧侶クンが、僧侶クンが、あっ♡ あっあっ♡」
「うん?」
魔女が喘ぎながら何かを言っていた。
これ、手を出してもいいんだろうか?
周りに魔王やら人がいるから理性を保てているが、さっきから悪魔が囁いている。
「僧侶クンが♡ あっ♡ あはっ ♡来るぅぅぅぅ♡♡」
魔女が身体を痙攣させながら叫んだ。なんだ。僧侶?
ぼふん。
魔女が泡を吹いた瞬間、何かが爆発した。ピンク色の煙が周囲を包む。が、別に煙たくはない。むしろ何かいい匂いが……する……?
「じゃじゃぁぁーーーん♡」
垂れた兎の耳。
薄いそばかす。
金色のクルクルしたショートカット。
見慣れた姿のようでいて、何かがというか。
何もかもが違う。
「おっ、お前、僧侶か?」
ちびっ子か?
「そうだよっ♡ いぇーい☆ さぁみんな!いっぱいキモチヨクなろうねぇ~~♡ シコシコ☆ ずぼずぼ♡」
際どい水着だか下着だけをつけたようなその姿で似つかわしくない卑猥な動きをする少女は、確かに、確かに見知った僧侶なのだが。
「……陰獣か」
魔王が放った一言が、全てを表していた。
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