英国からやってきた運命の番に愛され導かれてΩは幸せになる

豆ぱんダ

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英国編

背徳感のなかで確かめ合う

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 晩餐会後、ゲストルームを用意された成彦とエリオット。エスコートされて入室を済ませると、成彦はほんのり火照った頬をエリオットの二の腕にすりつける。
 
「モルドワインで酔っ払ったのか?」
 
 温めたワインのことだ。食後に出てきた一杯を飲み、その時からずっと頭の働きが鈍かった。
 
「エリオット様・・・・・・」
 
 明らかに発情した瞳で番の顔を見上げる。
 
「たったのあれだけでこうなるとは、私のいない場所では絶対に飲ませられないね」
「ごめんなさい」
 
 成彦は目を伏せた。
 
「何故謝る。可愛いと言っているんだ。私の目の前で発情するのなら問題ない」
 
 エリオットの手は成彦の腰を滑りあがり、後頭部を包み込むと、顎を反らせるようにして唇にかぶりついた。
 
「はぁ・・・ぁ・・・んふ」
 
 成彦は舌を吸われ、口が閉じられずに唾液がこぼれる。
 エリオットは並行して成彦のコートとシャツを剥いてしまうと、彼自身の着衣を脱ぎ捨てた。一糸纏わぬ姿になった上半身の肌を密着させるように成彦を抱き寄せ、匂いを嗅ぐ。
 うなじの咬合痕に口づけられ、上から歯を立てられる。
 
「あっ、イ・・・ッ」
 
 痛みに成彦の身体が強張った。尖った歯がうなじに食い込み、滲んだ血をなまめかしい舌の動きで舐めとられる。
 
「エリオット様・・・も・・・ぁ・・・もっと」
 
 何度も重ねづけされる番の証は、一生成彦から薄れることはないのだろうと思わせてくれる。
 ぞくぞくと背筋を駆ける疼きが止まらない。
 絶えず溢れているオメガフェロモンがエリオットの興奮を昂らせ、成彦はベッドの上に寝かせられて下肢を開かれた。
 
「んくっ」

 とろけた後孔に指が入ってくる。二本の指で奥まで掻き回されると、粘膜が引き伸ばされてわずかにぴりぴりと痛みを放つ。
 けれど、クチュと水音を立てるほどに濡れているそこはすぐに甘い刺激を拾い始めた。

「あっ、あ・・・・・・!」

 ぴくぴくと、つま先まで震える。
 成彦は抑えきれず自分の手でペニスを扱き、腰を揺らしてしまった。

「う・・・ぅ、んん・・・・・・」

 物欲しげな声だとエリオットが微笑する。
 指を腹側に曲げて引っ掻くようにし、成彦の弱いしこりをいじる。たまらなくて腰を反らせば、自身で慰めていたペニスから白濁が飛び散った。
 清潔なシーツにのせた手のひらに白く淫らなぬめりを感じる。高貴な賓客が利用する空間だというのに汚してしまった。
 
「はぁ・・・はぁ・・・」
 
 成彦は耳まで真っ赤に染まる。
 
「恥ずかしいのか? 気にしなくても見て見ぬふりをしてくれるぞ?」
「う、そうですけど・・・・・・」
「すぐ気にならないようになるよ。それに」
 
 上目づかいに見られる。

「成彦の怪我のためにセックスはお預けだったんだ。私を不安にさせたお詫びをしてもらわないと」
「は・・・はい」

 こう見ていると、エリオットも余裕がなかったのかもしれない。
 成彦は罰当たりだと思いつつ嬉しかった。想像を絶する重圧に耐えながら、成彦を一番に考えてくれる。成彦を心の一番真ん中に置いてくれている。

「わかってくれたのなら続けようか」
  
 エリオットが成彦の内股を撫で、小ぶりな陰嚢を持ち上げた。成彦は性懲りもなくエリオットを求めて全身が熱くなり、微量のアルコールが血中で爆ぜていくようなぐるぐると沸き立つ感覚を覚える。
 劣情が濃縮されていき、フェロモンとして放出される。
 大きく開いた足の間にエリオットは身体を重ね、だが挿入せず、おもむろに体位を入れ替えた。
 エリオットが下になり、上に成彦が乗る。尻の狭間に雄々しく勃ち上がった肉杭を感じ、ぬるぬると上下する。

「エリオット様・・・これはやです」
「自分で跨がって動いてみなさい」
「できな・・・ひゃ」
 
 腰を掴まれて浮いた。

「なら手伝ってやろう」

 揶揄うような声。切先の狙いが定められ、ずぷりと成彦のなかを割りひらく。

「あっ、ああぁぁぁ・・・!」

 ぬぷぷと埋まってしまう太いそれに下腹が苦しくなって喘ぐ。成彦は口を開閉させて空気を取り込み深呼吸するが、下からの強烈な圧迫感の猛攻はおさまらない。しまいには良いところに当たるように腰を揺すぶられ、太腿をわななかせて倒れ込んだ。

「は、ぅ、んあ・・・あ・・・」
「まだこれからだ」

 エリオットが腰を突き上げ、奥の奥を叩く。

「くぅ・・・あっ」

 大きな快感の渦が出口を探している。涙がこぼれ落ち、頬を伝った。
 最初はエリオットの手を借りて腰を揺らしていた成彦も、しだいに行為にふけり自身で腰をグラインドさせる。

「あ、はぁっ・・・エリオット様!」

 ゴリゴリと内襞を擦り上げる逞しい屹立。粘膜を蠕動させてなかを絞ると摩擦が強くなり、成彦は限界を近くに感じていた。エリオットを抱きしめてキスをねだると、愛しい人の唇は待っていたように応じる。
 舌を絡ませ合いながら、成彦は腰を揺らして達した。
 精液を吐き出さないまま極めた成彦の奥深い場所が引き攣り、エリオットの射精を誘なう。臀部を強く鷲掴まれたのを感じると、エリオットが吐精し、成彦は連続して達した。
 
「っ、んぃ、ぁ———・・・・・・」
 
 成彦は重たく深い絶頂感から戻れなくなり、意識を保てているかどうかの判断がつかなくなる直前に、甘い声と涙をこぼしながらエリオットにしがみついた。



 × × ×



 翌朝成彦が目を覚ますと、エリオットが隣で新聞を広げていた。起こした上半身に気だるげにシャツだけを羽織り、真剣な顔で紙面の文字に視線を流している。
 
「おはようございます」
 
 成彦が声をかけると、エリオットが微笑んだ。
 
「おはよう成彦。良い朝だね」
 
 爽やかな挨拶とキス。満たされた気持ちで朝を迎えた。
 
「こんな時間から仕事ですか?」
「いいや。ちょっとチェックしておきたいことがあってね」
 
 成彦の方に一面トップの記事が向けられる。そこに載せられている自分の名前が目に入り、成彦はむせこんだ。
 
「うえっ、え!」
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