すずしろの浅漬け

尻尾の気持ち

近所に尻尾が長くてふっさふさのコーギー犬がいます。
ちょっとやんちゃで、人懐っこくていい子なんです。
以前はコーギーというと断尾されている子ばかりでしたが、この頃断尾しないブリーダーさんが増えてきたそうです。

そもそも断尾というのは、牧羊犬や猟犬が藪などに入り、そこで尻尾に傷を負い、感染症にかかることが多く、それを防ぐための処置としてされていたものでした。
でも今の時代、愛玩犬として飼われる子達になぜ断尾するのでしょう?
理由はただ単に人間の美観だけです。

「この犬種は尾がない方が見た目の美しさが引き立つ。」
「尾があると、バランスが悪い。」
ええっと?
それって品評会用ですよね?
で、成績だして、いいブリーダーとして認められるために生まれたばかりの子犬の尻尾、ぶちん、ですか?

しかも、生まれたばかりの犬はまだ痛覚神経が出来ていないので、痛みは感じないというとんでもない理由まで作りましたよね。

医学的なことは分かりませんが、生まれたばかりの人間の赤ちゃんだって、それまで浸っていた羊水から出て、外界に現れた直後、温度差で寒がるんですよ。
生まれたばかりの時には痛覚ないなんて、誰が言いだしたの??

人間て本当に勝手だなあと思います。

あ、ついでに言うと「犬のお産は軽い」
あれも嘘ですよ。
以前いた子は2度出産しましたが、とても苦しんでいました。

考えればわかることなんですが、そもそも犬と人間て寿命が全然違いますよね。
２０２２年の日本人の平均寿命は、男性は 81.47 年、女性は87.57年だそうです。

では犬の平均寿命はというと、犬種にもよりますが大体10～１４年だそうです。
単純に考えて、１/8の寿命しかない犬なら、お産だって人間より短いのは当たり前、時間の流れが違うんです

出産の時間が短いから＝軽い　　んじゃないんですよ。


閑話休題


断尾しないブリーダーさんが増えてきたの、とても嬉しいです。
うちの子見ていても、尻尾は物凄く表情があります。
嬉しくて嬉しくてくるくる回って喜んでいる時、尻尾は千切れんばかりに振られています。
悲しい時、怖い時、シュンと力なく下がって足の間に隠される尻尾はとても可哀想。
寝ている時、何かいい夢見てるんだろうな、パタパタ降られる尻尾は愛らしい。

こんな良いもの切っちゃって、見る事が出来なくしちゃうなんて本当にもったいない。
尻尾万歳!です。

ちなみに私は、ブンブン振られている大型犬の尻尾を足に当ててもらうのが大好物です。
お散歩中、大型犬に会うと、いそいそと当たる位置に移動します。
ブンブン、ぱしぱし、ブンブン、ぱしぱし
ああ、至福(＾◇＾)