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いたずら 4
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ミゼアスは羽根扇を握る手に力をこめた。静かな部屋に、羽根扇の軋む音がわずかに響く。
「……共同浴場で盛っていたって?」
低い声で呟くと、ヴァレンが俯いたままびくっと身をすくませる。
「ああ……きみに怒っているわけじゃないよ。きみは襲われたんだろう? きみが悪いんじゃない。悪いのはネヴィルだ」
きっぱりと言い切ると、おとなしく座っていたヴァレンが顔を上げる。
「……ネヴィルは床入りの勉強を始めているらしくて、成績の話からその流れになって……」
「ふうん、それでお勉強の成果をきみの身体で試してみたってわけかい。今からそこまで欲求不満とはね……」
「いえ、違うんです!」
声を張り上げるヴァレンに、ミゼアスは訝しげに眉をひそめてヴァレンを見返す。
「ネヴィルは『柔らかくて、食べちゃいたい』って言っていました。だから、きっとお腹が空いていたんです!」
真面目に宣言するヴァレン。ミゼアスは一瞬、唖然としてしまう。
「いや、それはちが……」
言いかけて、ふとミゼアスは思いとどまる。このままヴァレンの思うように進めていったほうが、面白いのではないだろうか。
「えっと、じゃあヴァレン。きみはネヴィルをどうしたらいいと思うんだい?」
「俺を食べようとするなんて、相当空腹だったんだと思います。まずはきちんと、食事を与えてあげてほしいです」
「そうか。ネヴィルの上役に言っておくよ。それから?」
食べようとしていたのは別の意味でだろうが、何も触れずに神妙な顔を作ってミゼアスは続きを促す。
「それと、俺にも何かできることはないかって考えたんですけれど……」
決意を秘めた表情で、ヴァレンは話し出した。
一通りヴァレンが話し終えると、ミゼアスはゆっくりと頷いた。
「……きみの思いはわかった。僕に任せなよ。悪いようにはしない」
「じゃあ……!」
ヴァレンが顔を輝かせてミゼアスを見上げる。
「大丈夫、きみは何の心配もいらないよ。それにしてもヴァレン、きみは本当に優しい子だねぇ」
穏やかに微笑んで、ミゼアスはヴァレンの頭を撫でる。ヴァレンはにっこりと、無邪気な笑みを浮かべてわずかにはにかむ。
ヴァレンの様子を見て目を細めながら、ミゼアスはあまり性質の良くない笑みが浮かび上がりそうになるのを押さえていた。
「……共同浴場で盛っていたって?」
低い声で呟くと、ヴァレンが俯いたままびくっと身をすくませる。
「ああ……きみに怒っているわけじゃないよ。きみは襲われたんだろう? きみが悪いんじゃない。悪いのはネヴィルだ」
きっぱりと言い切ると、おとなしく座っていたヴァレンが顔を上げる。
「……ネヴィルは床入りの勉強を始めているらしくて、成績の話からその流れになって……」
「ふうん、それでお勉強の成果をきみの身体で試してみたってわけかい。今からそこまで欲求不満とはね……」
「いえ、違うんです!」
声を張り上げるヴァレンに、ミゼアスは訝しげに眉をひそめてヴァレンを見返す。
「ネヴィルは『柔らかくて、食べちゃいたい』って言っていました。だから、きっとお腹が空いていたんです!」
真面目に宣言するヴァレン。ミゼアスは一瞬、唖然としてしまう。
「いや、それはちが……」
言いかけて、ふとミゼアスは思いとどまる。このままヴァレンの思うように進めていったほうが、面白いのではないだろうか。
「えっと、じゃあヴァレン。きみはネヴィルをどうしたらいいと思うんだい?」
「俺を食べようとするなんて、相当空腹だったんだと思います。まずはきちんと、食事を与えてあげてほしいです」
「そうか。ネヴィルの上役に言っておくよ。それから?」
食べようとしていたのは別の意味でだろうが、何も触れずに神妙な顔を作ってミゼアスは続きを促す。
「それと、俺にも何かできることはないかって考えたんですけれど……」
決意を秘めた表情で、ヴァレンは話し出した。
一通りヴァレンが話し終えると、ミゼアスはゆっくりと頷いた。
「……きみの思いはわかった。僕に任せなよ。悪いようにはしない」
「じゃあ……!」
ヴァレンが顔を輝かせてミゼアスを見上げる。
「大丈夫、きみは何の心配もいらないよ。それにしてもヴァレン、きみは本当に優しい子だねぇ」
穏やかに微笑んで、ミゼアスはヴァレンの頭を撫でる。ヴァレンはにっこりと、無邪気な笑みを浮かべてわずかにはにかむ。
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