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五月:黄金週間の海2
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五月初めなのに強い日差しの中、少年は友人と共に砂浜に座り込んでいた。
遠く、沖合の波に乗る一人のサーファーに、彼の視線は釘付けになっていた。
高沢憲司だった。
憲司は、他のサーファーたちとは一線を画していた。
全身の筋肉の連動が、まるで計算された機械のように無駄なく、そして優雅だった。
ボードを傾け、水しぶきを上げながら波の頂点から斜面を滑り降りる姿は、単なるスポーツではなく、海を舞台にした神話の一場面のようだった。
すごい、、、なんだ、あの人、、、
少年は、その軽やかな身のこなしと波を支配するような姿勢に、純粋に見惚れていた。
隣にいた友人が、その様子を見てニヤリと笑う。
「あいつ、すげえだろ? 地元じゃ“海の美神”って呼ばれてるんだぜ、、、サーフィンの腕がすごい上に、めちゃくちゃイケメン、、、波に乗ってる姿、マジで神だぜ、、、」
海の美神か、、、
少年の脳裏に、かつて読んだマンガに出てきたのギリシャ神話のポセイドンが浮かぶ。
そのマンガはポセイドンが海の支配者たる前の若き日を描いたもので、ポセイドンは力強く、雄々しく、そして、若く凛々しい神として描かれていた。
まさか、彼は、波を操っている美神を思わせる青年が、平日の昼間はくたびれた姿で教壇に立っているなど、思いもしない。
少年は、ただただ無心にサーフボードを操る青年の姿に見惚れる。
そんな少年の視線には無沈着に、高沢憲司は、最後に大きな波を乗りこなし、満足げにボードを片手に浜辺に戻った。
彼を乗せてきた波が砕ける音は、教師としての日常から完全に解放された自分を祝福するように思える。
海から上がった高沢は、潮で濡れた身体から水滴を滴らせながら、岩場に近い砂浜を歩いた。
その一歩一歩が、力強い筋肉の躍動を伴い、自信に満ちている。
彼は、自分が“海の美神”と呼ばれていることを知っていた。
この海でナンパした少年がそう言っていた。
もう名前も顔も忘れてしまったが、、、
だが意識してポーズをつけ、浜をゆっくりと行く。
まるで陸に上がってきた美神のような荘厳な雰囲気を醸し出すように。
サーフィンを終えた彼の肉体は、火照りと興奮に満ちていた。
高沢は、その解放された肉体の余韻を、周囲に知らしめるかのように立ち止まった。
彼は、着用していたウェットスーツの上半身のジッパーに手をかける。
ジッパーが下ろされると、潮と汗で湿ったウェットスーツが、彼の逞しい上半身から剥がされる。
スーツの素材が、弾力のある大胸筋から見事な腹筋の割れ目へと、わずかな音を立てて滑り落ちていく。
高沢は、スーツの腰部でそれを留め、上半身を完全に晒す。
周囲の視線をしっかりと意識しながら、、、
健康的な赤銅色の日焼けと、サーフィンで極限まで絞り込まれたスジ筋が逞しさと美しさを誇示する。
肩の筋肉は、パドリングによって張り詰めたナイフのような鋭さを持ち、広い背中は逆三角形の理想的なラインを描いている。
彼は、波打ち際を眺める自然なポーズを取りながらも、周囲の視線を逃してはいなかった。
この岩場に集まる男たちの熱い眼差しが、彼の日焼けした肌に突き刺さるのを意識している。
見ろよ、、、
これが、俺の肉体だ、、、
手に入れたい者は寄ってこい、、、
そう言わんばかりのポーズと表情。
まるで支配者のように浜辺に立つ。
少年は、少し離れた位置から、海から上がってきた雄々しい肉体を見る。
思わず息を飲む。
日焼けした肌、潮と汗で濡れた分厚い大胸筋、そして細かく筋が通った腹筋、、、
見事に鍛えられた肉体。
そして、苦味走った男らしい顔。
少年は憧れの目で見つめる。
少年は、その筋肉の隆起一つ一つに、畏敬の念と強い憧れを感じる。
それは、自分の周囲の大人たちとは全く異なる力強い自由の象徴にも思える。
少年は心臓が高鳴るのを感じた。
憲司は、上半身を露わにしたまま、まるで誰かに見られていることを知っているかのように、優雅に砂を払う。
その瞬間、憲司の視線が、不意に少年の目に向けられた。
鋭く、そして挑戦的な眼差し。
視線が交差した瞬間、少年の心臓は雷に打たれたように強く跳ね上がった。
それは、見られているという羞恥と、支配者に見つけられたという強烈なときめきが混ざり合った、危険な感情だった。
少年は、この海神の眼差しから逃れられなくなる予感を覚えた。
合わさった視線を外した後、美神は背伸びをする。
上半身の筋肉が浮き上がる。
そして、もう一度、ジッと少年に視線を向けた後、サーフボードを抱え、海を背にし歩きだす。
「お、俺、ちょっとそこら辺を散歩してくる、、、」
少年は友達に言い訳のように言うと、憲司の後を歩き出す。
だから背後で友人の浮かべた笑みを知らない。
、、、どうせ、俺の気持ちを弄んで、何もさせてくれないのなら、あの男に弄ばれるがいい、あの、最低な男に、、、一瞬だけでも抱かれて良い思いができるんだからお前も儲けもんだろ、、、
そして、海を離れる憲司の姿をじっと見ている者たちが居る。
それも二組、、、
若い二人組と屈強な青年二人組、、、
お互いにその存在を知らないが、一方は憲司の勤める学校の生徒二人、そして、もう一方の青年のうちの一人はその学園の同僚教師だった。
そして、そのビーチの隣の家族連れが楽しんでいる広いビーチでは、学園関係者が近くにいるなど思いもしない純一と和彦が、二人きりの時間を満喫していた。
遠く、沖合の波に乗る一人のサーファーに、彼の視線は釘付けになっていた。
高沢憲司だった。
憲司は、他のサーファーたちとは一線を画していた。
全身の筋肉の連動が、まるで計算された機械のように無駄なく、そして優雅だった。
ボードを傾け、水しぶきを上げながら波の頂点から斜面を滑り降りる姿は、単なるスポーツではなく、海を舞台にした神話の一場面のようだった。
すごい、、、なんだ、あの人、、、
少年は、その軽やかな身のこなしと波を支配するような姿勢に、純粋に見惚れていた。
隣にいた友人が、その様子を見てニヤリと笑う。
「あいつ、すげえだろ? 地元じゃ“海の美神”って呼ばれてるんだぜ、、、サーフィンの腕がすごい上に、めちゃくちゃイケメン、、、波に乗ってる姿、マジで神だぜ、、、」
海の美神か、、、
少年の脳裏に、かつて読んだマンガに出てきたのギリシャ神話のポセイドンが浮かぶ。
そのマンガはポセイドンが海の支配者たる前の若き日を描いたもので、ポセイドンは力強く、雄々しく、そして、若く凛々しい神として描かれていた。
まさか、彼は、波を操っている美神を思わせる青年が、平日の昼間はくたびれた姿で教壇に立っているなど、思いもしない。
少年は、ただただ無心にサーフボードを操る青年の姿に見惚れる。
そんな少年の視線には無沈着に、高沢憲司は、最後に大きな波を乗りこなし、満足げにボードを片手に浜辺に戻った。
彼を乗せてきた波が砕ける音は、教師としての日常から完全に解放された自分を祝福するように思える。
海から上がった高沢は、潮で濡れた身体から水滴を滴らせながら、岩場に近い砂浜を歩いた。
その一歩一歩が、力強い筋肉の躍動を伴い、自信に満ちている。
彼は、自分が“海の美神”と呼ばれていることを知っていた。
この海でナンパした少年がそう言っていた。
もう名前も顔も忘れてしまったが、、、
だが意識してポーズをつけ、浜をゆっくりと行く。
まるで陸に上がってきた美神のような荘厳な雰囲気を醸し出すように。
サーフィンを終えた彼の肉体は、火照りと興奮に満ちていた。
高沢は、その解放された肉体の余韻を、周囲に知らしめるかのように立ち止まった。
彼は、着用していたウェットスーツの上半身のジッパーに手をかける。
ジッパーが下ろされると、潮と汗で湿ったウェットスーツが、彼の逞しい上半身から剥がされる。
スーツの素材が、弾力のある大胸筋から見事な腹筋の割れ目へと、わずかな音を立てて滑り落ちていく。
高沢は、スーツの腰部でそれを留め、上半身を完全に晒す。
周囲の視線をしっかりと意識しながら、、、
健康的な赤銅色の日焼けと、サーフィンで極限まで絞り込まれたスジ筋が逞しさと美しさを誇示する。
肩の筋肉は、パドリングによって張り詰めたナイフのような鋭さを持ち、広い背中は逆三角形の理想的なラインを描いている。
彼は、波打ち際を眺める自然なポーズを取りながらも、周囲の視線を逃してはいなかった。
この岩場に集まる男たちの熱い眼差しが、彼の日焼けした肌に突き刺さるのを意識している。
見ろよ、、、
これが、俺の肉体だ、、、
手に入れたい者は寄ってこい、、、
そう言わんばかりのポーズと表情。
まるで支配者のように浜辺に立つ。
少年は、少し離れた位置から、海から上がってきた雄々しい肉体を見る。
思わず息を飲む。
日焼けした肌、潮と汗で濡れた分厚い大胸筋、そして細かく筋が通った腹筋、、、
見事に鍛えられた肉体。
そして、苦味走った男らしい顔。
少年は憧れの目で見つめる。
少年は、その筋肉の隆起一つ一つに、畏敬の念と強い憧れを感じる。
それは、自分の周囲の大人たちとは全く異なる力強い自由の象徴にも思える。
少年は心臓が高鳴るのを感じた。
憲司は、上半身を露わにしたまま、まるで誰かに見られていることを知っているかのように、優雅に砂を払う。
その瞬間、憲司の視線が、不意に少年の目に向けられた。
鋭く、そして挑戦的な眼差し。
視線が交差した瞬間、少年の心臓は雷に打たれたように強く跳ね上がった。
それは、見られているという羞恥と、支配者に見つけられたという強烈なときめきが混ざり合った、危険な感情だった。
少年は、この海神の眼差しから逃れられなくなる予感を覚えた。
合わさった視線を外した後、美神は背伸びをする。
上半身の筋肉が浮き上がる。
そして、もう一度、ジッと少年に視線を向けた後、サーフボードを抱え、海を背にし歩きだす。
「お、俺、ちょっとそこら辺を散歩してくる、、、」
少年は友達に言い訳のように言うと、憲司の後を歩き出す。
だから背後で友人の浮かべた笑みを知らない。
、、、どうせ、俺の気持ちを弄んで、何もさせてくれないのなら、あの男に弄ばれるがいい、あの、最低な男に、、、一瞬だけでも抱かれて良い思いができるんだからお前も儲けもんだろ、、、
そして、海を離れる憲司の姿をじっと見ている者たちが居る。
それも二組、、、
若い二人組と屈強な青年二人組、、、
お互いにその存在を知らないが、一方は憲司の勤める学校の生徒二人、そして、もう一方の青年のうちの一人はその学園の同僚教師だった。
そして、そのビーチの隣の家族連れが楽しんでいる広いビーチでは、学園関係者が近くにいるなど思いもしない純一と和彦が、二人きりの時間を満喫していた。
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