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第四章

受け入れがたい真実

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「何これ……こんなの嘘よ……」

 シャーロット様の日記を読んでいると頭がくらくらした。
 最初の方こそ平穏な内容だったのだが、ページが進むにつれてシャーロット様が別人になってしまったかのような内容だった。
 最後の方では私は憎悪の対象だったのだ。裁判の時、別れの時、優しかったシャーロット様は、心の中で全く別の感情を私に向けていたのだ。

(全てシャーロット様が仕組んだことなの? 信じられない……。)

 日記には計画の詳細などは書かれていなかったが、文面からして間違いなかった。私に呪いをかけたのもシャーロット様だったのだ。

 シャーロット様の件もショックだが、他にも気になることがある。

(ルーファス様は一体何を隠していたの? 私に何をするつもりだったの?)

 シャーロット様の日記だけでは詳しい内容は分からなかったが、彼女が変わり始めたのは、ルーファス様の秘密を知ってからのようだ。
 それ以前から私に対して嫉妬のような感情を持っていたようだが、兄を慕っていたのだから当然だろう。でも、それだけで自分の兄に毒を盛り、私に罪を被せるような人間ではない。
 よほどの衝撃だったのだろう。一体ルーファス様の部屋には何があるのだろうか……?

(それに、シャーロット様に呪いの方法を伝授した呪術師の存在も気になる。シャーロット様は心を許していたようだけれど……)
 
 呪術師がシャーロット様に何かを吹き込んだのかもしれない。日記から読み取れる彼女の精神状態は、ルーファス様の秘密を知った後と呪術師と出会った後の二回、大きく変化していた。
 一体呪術師とシャーロット様の間にどんなやり取りがあったのかしら?




 少しは真実に近づいたと思ったのに、謎は増えるばかりだ。とりあえず、呪いを誰に返せば良いか分かっただけでも前進だろう。

(シャーロット様、あなたの行為は許せませんが、心の底から恨むことも出来ません。でも、呪いはお返ししますね)

 シャーロット様の日記は、よく読むと支離滅裂だった。まるで彼女がくれたお守りのようだ。彼女も私を恨むだけではなく、別の感情がごちゃまぜになっていたのかもしれない。だから私も彼女のことを心底恨めないでいた。

(まだ次の新月まで時間がある。ルーファス様のことも探ってみようかしら。気は進まないけれど、このモヤモヤを抱えたままいるより、真実が知りたい……!)

 今日はもう力を使い過ぎた。明日以降ルーファス様の動向を探ってみよう。隠し部屋を探れば、きっと何かわかるはずだ。
 でも、シャーロット様が日記に書くにも気分が悪いと記していた部屋だ。覚悟して見なければ。
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