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第6話 翌朝の大騒動
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秘密の一週間 ― 翌朝の大騒動
夜が明けた。
だが、眠れたかと問われれば――答えは「いいえ」だった。
ファビ子(中身シャルロッテ)は、目の下にうっすらと隈を作り、鏡に映る“公爵の顔”を見てため息をついた。
(……どう見ても堂々たる公爵様の顔なのに、中身はわたし。おかしい……絶対バレる……!)
一方、隣の部屋では。
シャル男(中身ファビアン)は、鏡の前でくるくる回りながらドレス姿を試していた。
「おはよぉ~♡ 女の子って、朝からこんなに楽しいのねぇ!」
レースのリボンを手に、上機嫌で髪を結ぶ。
「……ほんとに同じ一夜を過ごしたのかしら、この人」
ファビ子はげっそりとしながら、重厚なドアをノックした。
朝食の席へ
食堂に集まったのは、リュセル公爵家の主要な使用人たち。
長いテーブルに白いクロスがかけられ、銀食器が並び、香り高い紅茶と焼き立てのクロワッサンが用意されている。
「おはようございます、ファビアン様」
「おはようございます、シャルロッテ様」
整列したメイドや従者たちが一斉に頭を下げた。
ファビ子は緊張で背筋をピンと伸ばす。
(お、おはようって言えばいいのよね。普通に……普通に……!)
「お、おはよう……」
低めの声を意識して挨拶する。
ところがその瞬間、ナイフとフォークを手にしていたメイドの一人が首をかしげた。
「まぁ……? 公爵様、ずいぶん声が……柔らかくなられましたね」
「な、なにか文句でも?」
慌てて威厳を装った声を出すファビ子。
「い、いえっ! とても素敵で……!」
メイドは赤くなり、慌てて下がった。
(危なかったぁぁぁ!)
心臓を押さえて席に着く。
その横でシャル男は――。
「みんな~! おはよう♡」
満面の笑みで両手を振り、腰をひねって挨拶する。
使用人たちは目を見開いた。
「……お嬢様……随分と……大胆に?」
「奥ゆかしい方だと思っておりましたが……」
「まぁ、恋をすると人は変わるのよん♡」
シャル男はウィンクまで飛ばした。
(おいぃぃっ! バレるバレるバレるぅぅ!)
ファビ子は机の下で必死に足を震わせた。
パンひとつで大混乱
料理が運ばれてくる。
焼き立てのクロワッサン、ハーブ入りのオムレツ、スモークサーモンにフルーツ。
ファビ子は周囲の様子を真似してナイフを取った。だが緊張のあまり、うっかりパンを落としてしまう。
「ひゃっ……!」
パンは転がり、メイドが慌てて拾う。
「し、失礼しました!」
ファビ子は思わずシャルロッテの時の口調で謝ってしまった。
「……あら?」
周囲の視線が一斉に集まる。
(やばい! いま完全に“伯爵令嬢のわたし”が出た!)
そのとき――。
「まぁぁ♡ ファビアンったら~! パンを落とすなんて初めて見たわぁ。恋煩いかしら?」
シャル男が身を乗り出し、ファビ子の腕にぴとっとくっついた。
「こ、恋煩い……!?」
使用人たちがざわめく。
「そうなのよ♡ あたしたち、もうラブラブだからぁ~! ねぇ、公爵サマぁ~?」
シャル男はわざとらしく首をかしげ、ファビ子に甘える。
「なっ……!?」
ファビ子は真っ赤になり、固まってしまう。
「んもう、公爵様ったら照れ屋なんだから♡」
シャル男の暴走に、食堂は一気に華やいだ笑いに包まれた。
「さすが若き公爵様とご令嬢……!」
「なんとお似合いの……!」
(……助かった……のかしら……? いや、助かってない! この人に助けられるくらいならバレたほうがマシよぉぉ!)
老執事のフォロー
食後、使用人たちが下がったところで、レイモンドが静かに近づいた。
「……お二人とも、朝から大変お疲れのようで」
冷ややかな視線を送る老執事。
「ご、ごめんなさい……!」
ファビ子はしょんぼりと謝る。
だがシャル男は胸を張った。
「なに言ってるの、完璧だったでしょ? あたしたち、誰にも怪しまれなかったわよ?」
「……“誰にも怪しまれなかった”というのは、あなたの大胆な芝居のおかげというより、使用人たちが察して“気を利かせてくれた”からです」
レイモンドの言葉に、シャル男は「えっ?」と目を丸くした。
「公爵様がパンを落とすなど、ありえません。ですが“恋人同士で浮かれている”と納得させれば、すべて無理のないことになる。
……つまり、周囲はすでに“そういう目”で見ているのです」
「そ、そんなぁ……!」
ファビ子は両手で顔を覆った。
「ふふっ♡ なら本当に恋人みたいに過ごせばいいじゃない。素敵~!」
シャル男は恍惚と笑う。
「ぜっっったい嫌ですからぁぁぁぁぁぁ!」
ファビ子の悲鳴が、またもや屋敷に響き渡った。
夜が明けた。
だが、眠れたかと問われれば――答えは「いいえ」だった。
ファビ子(中身シャルロッテ)は、目の下にうっすらと隈を作り、鏡に映る“公爵の顔”を見てため息をついた。
(……どう見ても堂々たる公爵様の顔なのに、中身はわたし。おかしい……絶対バレる……!)
一方、隣の部屋では。
シャル男(中身ファビアン)は、鏡の前でくるくる回りながらドレス姿を試していた。
「おはよぉ~♡ 女の子って、朝からこんなに楽しいのねぇ!」
レースのリボンを手に、上機嫌で髪を結ぶ。
「……ほんとに同じ一夜を過ごしたのかしら、この人」
ファビ子はげっそりとしながら、重厚なドアをノックした。
朝食の席へ
食堂に集まったのは、リュセル公爵家の主要な使用人たち。
長いテーブルに白いクロスがかけられ、銀食器が並び、香り高い紅茶と焼き立てのクロワッサンが用意されている。
「おはようございます、ファビアン様」
「おはようございます、シャルロッテ様」
整列したメイドや従者たちが一斉に頭を下げた。
ファビ子は緊張で背筋をピンと伸ばす。
(お、おはようって言えばいいのよね。普通に……普通に……!)
「お、おはよう……」
低めの声を意識して挨拶する。
ところがその瞬間、ナイフとフォークを手にしていたメイドの一人が首をかしげた。
「まぁ……? 公爵様、ずいぶん声が……柔らかくなられましたね」
「な、なにか文句でも?」
慌てて威厳を装った声を出すファビ子。
「い、いえっ! とても素敵で……!」
メイドは赤くなり、慌てて下がった。
(危なかったぁぁぁ!)
心臓を押さえて席に着く。
その横でシャル男は――。
「みんな~! おはよう♡」
満面の笑みで両手を振り、腰をひねって挨拶する。
使用人たちは目を見開いた。
「……お嬢様……随分と……大胆に?」
「奥ゆかしい方だと思っておりましたが……」
「まぁ、恋をすると人は変わるのよん♡」
シャル男はウィンクまで飛ばした。
(おいぃぃっ! バレるバレるバレるぅぅ!)
ファビ子は机の下で必死に足を震わせた。
パンひとつで大混乱
料理が運ばれてくる。
焼き立てのクロワッサン、ハーブ入りのオムレツ、スモークサーモンにフルーツ。
ファビ子は周囲の様子を真似してナイフを取った。だが緊張のあまり、うっかりパンを落としてしまう。
「ひゃっ……!」
パンは転がり、メイドが慌てて拾う。
「し、失礼しました!」
ファビ子は思わずシャルロッテの時の口調で謝ってしまった。
「……あら?」
周囲の視線が一斉に集まる。
(やばい! いま完全に“伯爵令嬢のわたし”が出た!)
そのとき――。
「まぁぁ♡ ファビアンったら~! パンを落とすなんて初めて見たわぁ。恋煩いかしら?」
シャル男が身を乗り出し、ファビ子の腕にぴとっとくっついた。
「こ、恋煩い……!?」
使用人たちがざわめく。
「そうなのよ♡ あたしたち、もうラブラブだからぁ~! ねぇ、公爵サマぁ~?」
シャル男はわざとらしく首をかしげ、ファビ子に甘える。
「なっ……!?」
ファビ子は真っ赤になり、固まってしまう。
「んもう、公爵様ったら照れ屋なんだから♡」
シャル男の暴走に、食堂は一気に華やいだ笑いに包まれた。
「さすが若き公爵様とご令嬢……!」
「なんとお似合いの……!」
(……助かった……のかしら……? いや、助かってない! この人に助けられるくらいならバレたほうがマシよぉぉ!)
老執事のフォロー
食後、使用人たちが下がったところで、レイモンドが静かに近づいた。
「……お二人とも、朝から大変お疲れのようで」
冷ややかな視線を送る老執事。
「ご、ごめんなさい……!」
ファビ子はしょんぼりと謝る。
だがシャル男は胸を張った。
「なに言ってるの、完璧だったでしょ? あたしたち、誰にも怪しまれなかったわよ?」
「……“誰にも怪しまれなかった”というのは、あなたの大胆な芝居のおかげというより、使用人たちが察して“気を利かせてくれた”からです」
レイモンドの言葉に、シャル男は「えっ?」と目を丸くした。
「公爵様がパンを落とすなど、ありえません。ですが“恋人同士で浮かれている”と納得させれば、すべて無理のないことになる。
……つまり、周囲はすでに“そういう目”で見ているのです」
「そ、そんなぁ……!」
ファビ子は両手で顔を覆った。
「ふふっ♡ なら本当に恋人みたいに過ごせばいいじゃない。素敵~!」
シャル男は恍惚と笑う。
「ぜっっったい嫌ですからぁぁぁぁぁぁ!」
ファビ子の悲鳴が、またもや屋敷に響き渡った。
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