婚約破棄で追放された公爵令嬢、辺境の地で失われた釣り技術を習得し、幻のイカを釣り上げたら冷徹領主様と寂れた港町を救うことになりました。
公爵令嬢アイネは、婚約者である王太子ジルベルトから身に覚えのない罪で婚約を破棄され、全てを奪われます。彼女が追放されたのは、一年中寒風が吹き荒れる最果ての辺境の地ソルティエラでした。
絶望の淵で、アイネは一軒の古書店で『海神の恩寵、月光の誘い』と題された一冊の古文書と運命的に出会います。そこに記されていたのは、幻の「月光イカ」を釣り上げるという、とうに失われたはずの古代の漁法「エギング」の全てでした。
生きるため、そして自らの尊厳を取り戻すため、アイネは古文書を頼りに独学で技術を習得。公爵令嬢だった優雅な手で不格好な疑似餌「エギ」を作り上げ、たった一人で極寒の海へと向かいます。
やがて彼女の釣り上げる海の幸は、貧しい港町に活気をもたらし、人々の心を変えていきます。そしてその類まれな才覚は、政争を嫌いこの地に引きこもっていた冷徹な領主ヴァレリウスの目にも留まることに。
これは、全てを失った令嬢が、自らの知恵と腕で未来を釣り上げ、新たな幸せと真実の愛を見つけるまでの物語です。
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