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♡アゴクイ女子高生はキスをした♡
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中学最後の夏休み、うだるような暑さの8月最初の火曜日、馬越達郎は、待ち合わせの新宿へ向かうため三鷹駅のホームにいた。
電車が来るまでアプリでゲームをしていると、スマホに影が落ちた。顔を上げると、そこには女子高生が立っていた。デカい。180センチはありそうだ。達郎は152センチだ。顔は逆光でよく見えない。
「バチン!!」
閃光が走った。はっきり視認できた。青天の霹靂とは、こういうことか。
「え?何?」
「バチン!!」
もう一発女子高生は達郎の頬をはたいた。
「…え?何?何?」
「何じゃないわよ!!勝手に人ん家メチャクチャにして!!」
達郎には全く思い当たるところがなかった。そもそも大前提として目の前の女子高生のことを知らない。
「え?誰?」
「ちょっと来なさい!!」
達郎は女子高生に強引に手を引かれ、多目的トイレに入った。
「ちょ、ちょっと!!こんなところで一体何…」
女子高生は達郎のアゴをクイと持ち上げ、キスをした。いや、正確に言えば、息を吹き込んだ。達郎のファーストキスはこうして奪われた。
「これで良し」
女子高生はそう言うと、便座を上げた。
「行くわよ」
そういうと女子高生はまた達郎の手を取り、便器の中に勢い良く飛び込んだ。頭おかしいこの女、と思うと同時に、女子高生の下半身が便器に吸い込まれていくのが見えた。ああ、僕まで頭がおかしくなってしまったのか、そうさ、きっと夏のせいさ、そんな事を思っているうちに、達郎の全身は、全て便器の中に吸い込まれていった。
グルグルと目が回る。ヌメヌメと肌に纏わりつくこれは一体なんだろう。僕は今どういう状況なのだろう。移動しているのか、停滞しているのか。あたりは明るくなったり暗くなったり。
「さあ、もうすぐよ」
女子高生がそういうと、何か見覚えのあるような小さな球体が見えた。それはどんどん大きくなっていく。確か理科の教科書で、そうだ、あれは、火星だ。
2人は火星に降り立った。降り立つなり女子高生は膝から崩れ落ちた。
「はぁ、はあ、しんどかった」
そういうと女子高生は変態した。その姿は一言で言うと…言えない。卑猥すぎて言えない。あなたが思う卑猥に、手足が7本ずつ生えている、そんな感じの姿だ。卑猥な口が開く。
「あれを見ろ」
火星人が指し示す先には、火星探査車が走っていた。
「地球人が送って来たあれのせいで、火星はメチャクチャに蹂躙されているのだ」
「え?別に何もないところを走っているだけじゃ?」
「馬鹿野郎!!お前ら地球人には何もないように見えるだろうが、あそこには街があり、都市があり、国があった!!当然火星人がそこには住んでいて、日々生活をしていたのだ!!」
「…そんなこと言われたって…実感湧かないし、それにそんな事僕に言われたって…僕が送り込んだ訳じゃないし」
「同じ地球人だろう」
「そうだけど…それならNASAかなんかの人に言えばいいじゃないか、僕じゃなく」
「そんなことしたら火星人の存在がバレてしまうじゃないか」
「僕にはバレていいのに、なんでNASAにはバレたらいけないのさ」
「それは、お前が金星人だからさ」
そう言われた所で目が覚めた。
「ああ良かった!あんた急に駅のホームで倒れたんだよ。熱中症だろうって」
「…ここは?」
「駅の近くの病院よ、駅員さんから連絡があって、お母さん新宿から飛んで来たんだから」
「スマホにロックがかかってなかったからね、それで連絡することができたみたいだよ」
医者がそう言った。
「もう心配ないみたいですね、お帰りいただいても大丈夫ですよ」
「ありがとうございました、ほら、あんたもちゃんとお礼言いなさい」
「あ、ありがとうございました」
ベッドから出ようと足を動かした。2本は動かせるのだが、後の5本がどうにも動かない。これはまだ入院が必要だ。
電車が来るまでアプリでゲームをしていると、スマホに影が落ちた。顔を上げると、そこには女子高生が立っていた。デカい。180センチはありそうだ。達郎は152センチだ。顔は逆光でよく見えない。
「バチン!!」
閃光が走った。はっきり視認できた。青天の霹靂とは、こういうことか。
「え?何?」
「バチン!!」
もう一発女子高生は達郎の頬をはたいた。
「…え?何?何?」
「何じゃないわよ!!勝手に人ん家メチャクチャにして!!」
達郎には全く思い当たるところがなかった。そもそも大前提として目の前の女子高生のことを知らない。
「え?誰?」
「ちょっと来なさい!!」
達郎は女子高生に強引に手を引かれ、多目的トイレに入った。
「ちょ、ちょっと!!こんなところで一体何…」
女子高生は達郎のアゴをクイと持ち上げ、キスをした。いや、正確に言えば、息を吹き込んだ。達郎のファーストキスはこうして奪われた。
「これで良し」
女子高生はそう言うと、便座を上げた。
「行くわよ」
そういうと女子高生はまた達郎の手を取り、便器の中に勢い良く飛び込んだ。頭おかしいこの女、と思うと同時に、女子高生の下半身が便器に吸い込まれていくのが見えた。ああ、僕まで頭がおかしくなってしまったのか、そうさ、きっと夏のせいさ、そんな事を思っているうちに、達郎の全身は、全て便器の中に吸い込まれていった。
グルグルと目が回る。ヌメヌメと肌に纏わりつくこれは一体なんだろう。僕は今どういう状況なのだろう。移動しているのか、停滞しているのか。あたりは明るくなったり暗くなったり。
「さあ、もうすぐよ」
女子高生がそういうと、何か見覚えのあるような小さな球体が見えた。それはどんどん大きくなっていく。確か理科の教科書で、そうだ、あれは、火星だ。
2人は火星に降り立った。降り立つなり女子高生は膝から崩れ落ちた。
「はぁ、はあ、しんどかった」
そういうと女子高生は変態した。その姿は一言で言うと…言えない。卑猥すぎて言えない。あなたが思う卑猥に、手足が7本ずつ生えている、そんな感じの姿だ。卑猥な口が開く。
「あれを見ろ」
火星人が指し示す先には、火星探査車が走っていた。
「地球人が送って来たあれのせいで、火星はメチャクチャに蹂躙されているのだ」
「え?別に何もないところを走っているだけじゃ?」
「馬鹿野郎!!お前ら地球人には何もないように見えるだろうが、あそこには街があり、都市があり、国があった!!当然火星人がそこには住んでいて、日々生活をしていたのだ!!」
「…そんなこと言われたって…実感湧かないし、それにそんな事僕に言われたって…僕が送り込んだ訳じゃないし」
「同じ地球人だろう」
「そうだけど…それならNASAかなんかの人に言えばいいじゃないか、僕じゃなく」
「そんなことしたら火星人の存在がバレてしまうじゃないか」
「僕にはバレていいのに、なんでNASAにはバレたらいけないのさ」
「それは、お前が金星人だからさ」
そう言われた所で目が覚めた。
「ああ良かった!あんた急に駅のホームで倒れたんだよ。熱中症だろうって」
「…ここは?」
「駅の近くの病院よ、駅員さんから連絡があって、お母さん新宿から飛んで来たんだから」
「スマホにロックがかかってなかったからね、それで連絡することができたみたいだよ」
医者がそう言った。
「もう心配ないみたいですね、お帰りいただいても大丈夫ですよ」
「ありがとうございました、ほら、あんたもちゃんとお礼言いなさい」
「あ、ありがとうございました」
ベッドから出ようと足を動かした。2本は動かせるのだが、後の5本がどうにも動かない。これはまだ入院が必要だ。
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