31 / 72
第5章 部長! その子はいったい?
7
しおりを挟む
それから、部長もわたしも視察を口実に、香穂ちゃんと一緒にいろいろなエリアを回って楽しんだ。
木製のホッケーゲームで遊んだり、ストラック・アウトをしたり。
コマやけん玉で遊べるコーナーでは、部長は香穂ちゃんにコマの回しかたを教えたりした。
予約の制限時間ぎりぎりまで遊んで、香穂ちゃんも大満足してくれたようだった。
帰りのエレベーターが混んでいて、部長は押されて奥に、わたしたちふたりは手前に乗ることになった。
扉が閉まったとき、香穂ちゃんがつないでいた手を引っぱってきた。
「なあに?」わたしは身をかがめた。
すると香穂ちゃんはわたしの耳元で、こそこそっと訊いてきた。
「花梨ちゃんは彰ちゃんの彼女?」
わたしはぶんぶんと頭を振って答えた。
「ち、違うよ。同じ会社で働いてるの。わたしは木沢さんの部下よ」
「お仕事お休みの日なのに来てくれたの?」
「うん。でも来てよかったよ。香穂ちゃんに会えたから」
「香穂も! 彰ちゃん、花梨ちゃんみたいにお人形遊びなんてしてくれないし」
「でも部長、コマ上手だったね」
「そうだったね」
香穂ちゃんは部長に買ってもらったコマの袋を開けて、嬉しそうにのぞいた。
「また香穂ちゃんに会いたいな。明くんにも会いたいし。部長にお願いしておくね」
「あたしもママに言っとく!」
香穂ちゃんはわたしの手をぎゅっと握ってきた。
その彼女の髪を、わたしは優しく撫でた。
木製のホッケーゲームで遊んだり、ストラック・アウトをしたり。
コマやけん玉で遊べるコーナーでは、部長は香穂ちゃんにコマの回しかたを教えたりした。
予約の制限時間ぎりぎりまで遊んで、香穂ちゃんも大満足してくれたようだった。
帰りのエレベーターが混んでいて、部長は押されて奥に、わたしたちふたりは手前に乗ることになった。
扉が閉まったとき、香穂ちゃんがつないでいた手を引っぱってきた。
「なあに?」わたしは身をかがめた。
すると香穂ちゃんはわたしの耳元で、こそこそっと訊いてきた。
「花梨ちゃんは彰ちゃんの彼女?」
わたしはぶんぶんと頭を振って答えた。
「ち、違うよ。同じ会社で働いてるの。わたしは木沢さんの部下よ」
「お仕事お休みの日なのに来てくれたの?」
「うん。でも来てよかったよ。香穂ちゃんに会えたから」
「香穂も! 彰ちゃん、花梨ちゃんみたいにお人形遊びなんてしてくれないし」
「でも部長、コマ上手だったね」
「そうだったね」
香穂ちゃんは部長に買ってもらったコマの袋を開けて、嬉しそうにのぞいた。
「また香穂ちゃんに会いたいな。明くんにも会いたいし。部長にお願いしておくね」
「あたしもママに言っとく!」
香穂ちゃんはわたしの手をぎゅっと握ってきた。
その彼女の髪を、わたしは優しく撫でた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
44
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる