91 / 100
第六章 過去に触れる
第90話 クララックからの脱出
しおりを挟む
「今回は狭い範囲にしか魔力吸引が効いておらぬ。すぐに応援の兵が駆け付けるはずじゃ」
「これだけでも、充分だ」
転がっている兵士たちを踏み越えて、先に逃げた男たちが空けた穴から闘技場の外へ出ることができた。
道には兵士以外にも魔力吸引で倒れた通行人がいて、少し離れた場所には騒ぎに逃げ惑う人たちも見える。闘技場の入口から離れた場所なので、目につく人の数はさほど多くない。
『皆さん、二番の転移陣からアルハラの兵士が転移してきはじめました。転移陣を壊します。残った人を三番の転移陣へ誘導してください』
「クリスタ!お前は大丈夫なのか?」
『無事です。私は今、街の外の方にいます。こちらに転移して来た兵士は気絶させて送り返しました。仲間たちは先にイデオンに出発しています』
クリスタの声は、俺とアルとリリアナにしか聞こえない。
走りながらミルカとエレンとラーシュにも内容を伝え、三番の転移陣の場所を教える。三番は二番から内壁のすぐ内側まで、ほぼ真っすぐに走ったところにある。
『二番を破壊しました。私は三番の転移陣に移動して、そちらから街に戻ります』
クリスタの声がした。
町の外の方の二番と三番の転移陣は隣りあわせくらい近くにある。
クリスタもすぐにこっちに戻ってこれるはずだ。
「この道をまっすぐに行って内壁の手前に空き家がある。その庭のなかにあるんだ。クリスタがいるから、すぐにわかる」
「クリスタか。了解だよ。リクたちはどうするのさ?」
「二番の転移陣に取り残された奴がいないか確かめて、そいつらを連れていく。転移陣はもう一つあるから、三番には向かわないかもしれん」
「分かった。では互いに幸運を!」
「幸運を!」
◆◆◆
二番の転移陣のあった場所は、兵士と争う森の民で、騒然としていた。
祭りの中心地に近い場所には、観光できた旅行者や市民もいる。その多くは、近くの宿や店に避難してこわごわと外を覗いているようだ。
どこから湧いてくるのか、倒しても倒してもぱらぱらと集まってくる兵士たち相手に相手をしている森の民の剣闘士が辟易している。
「こっちに来い!」
一人が俺の声に気付いた。
「リクか!」
「そこはもう使えない。こっちだ」
二番の転移陣を放棄し、三人の男が走ってくる。急に逃げ出した剣闘士たちに、及び腰で対峙していた兵士たちは、反応できずに少し距離が空いた。
「これで全員か?」
「ああ。残りは俺達だけだ。もう他は女たちも皆転移したぜ」
「だったら加速して一気に走るぞ」
「転移陣は放っといていいのか?」
「ああ。そこの転移陣はさっき破壊したので、そこから後を追われることはない」
身体強化はもちろん全員使える。魔力を乗せて速度を上げれば、あっという間に後ろの騒ぎから遠ざかった。
「クリスタ、三番の転移陣はどうだ?」
『まだ使えます。ミルカさんたちはさっき着いて、転移しました』
「じゃあ俺達も三番の転移陣へ行く。もうしばらくそこを頼む」
通りを全力で走り抜ける俺達を、道行く人があっけにとられて見送る。彼らはこの後押し寄せる兵士たちに、さらに大きく口を開けて驚くだろう。
幸いこの辺りには今は兵はおらず、後ろから追いかけてくるやつらからもかなり距離を開けることができた。
「リクもクリスタも、無事だったんだな」
剣闘士仲間の一人だったヨナが、走りながら声をかけてきた。
「ああ、いろいろあったんだ」
「今までの勇者もそうやって助かってる奴らもいればいいんだけどよー」
「それは……そうだな」
ガルガラアドの宰相に聞いた話だと、多分他に逃げおおせた勇者はいない。
逃げ切ったら、みんなにそんな話もしよう。魔王がどうして魔王になったのか、そして今の魔族がどんなやつらかということも。
「ところで、そこのかわいい子は?」
かわいい子……。
今一緒に走っているのは、逃げ遅れた三人の剣闘士と、俺、アル、リリアナだ。
一人だけ小さくて、戦いに不似合いな薄絹を着て髪も肌も白い。確かに、これは聞きたくなるか。
「私か?私は元魔お……」
「そろそろ着くぜ!」
リリアナが軽い調子で、暴露しかけた。
アルがタイミングよく遮ったから良かったが。
そんな不穏な自己紹介はもう少し事情を説明する時間がある時にやってほしい。
内壁が目前に迫ってくると、一軒の家の庭からクリスタが出てきた。
足元には、数人腹や足を押さえて転がっている。先に逃げてきたミルカ達を追ってきた兵士だろう。
「みなさん無事で良かった。早く!」
クリスタの案内で空き家の庭に入る。周りの家では騒動を聞いて自宅に避難したのだろう、付近の住人たちが恐る恐るこっちを見ている気配があるが、気にしている暇もないし、放っとけばいい。どうせこの転移陣も破棄するのだ。
魔法陣に魔力を流し、全員そろってクララックの街を後にした。
◆◆◆
三番の転移陣から全員街の外に出ると、すぐさまリリアナが転移陣を破壊する。
俺たち以外に誰も転移してこないうちに、転移陣は完全に形を失った。それを皆、ただ黙って見つめる。
それから背後を振り返って、そんなに遠くないクララックの外壁を眺めた。
無事、逃げおおせたんだ。
ほうっと、大きく息をつく。
「俺達、もう……自由なのか……」
ヨナがみんなの気持ちを代弁するように、呟いた。
先に転移していたミルカ達も、一緒に頷く
「そうだぜ。自由なんだ」
「その代わりに、今度は生きるために魔物を狩って、作物を育てて。今まで以上に働いて戦わなきゃならないよ」
「ははは。さすが、ミルカ姐さんは現実的だ」
笑いながら、ミルカに手渡された荷物を受け取って、パパッと身支度を整える。この場所がいつまでも安全とも限らないからな。
三番の転移陣のところには、ほとんど物資を置いていなかったので、持って行けるのは保存食と水程度だ。
まあ、みんな武器は持っているし、イデオンまで平地を進むだけなら問題ない。
みんな、心持ち急ぎ足で荒れ地を歩いた。薮や低木に視界を遮られる荒れ地は、隠れ進むのに向いているが、歩きにくい。
「そろそろ街道に出ようぜ」
「ああ、そうだな」
アルの声掛けを機に、少し進路を北向きに変える。そのままもう少し進むと、細いが整備された街道に出るはずだ。
「リク、リリアナ、お前らのおかげだ。ありがとな」
小さい声でぼそっと言うアル。だが礼を言われるほどのことはないな。俺もリリアナも、やりたいことをやっただけだ。
返事代わりに、ただ肩をポンと叩いておいた。
さて、できるだけ目立たないように、通行人がいないタイミングを見計らって街道に出た。後はまっすぐイデオンに向かって進むだけだ。今のイデオンとアルハラの関係は悪くなく、国境の検問などあってなきがごとし。まだ今回の騒ぎは伝わっていないだろうから、今のうちに急いで国境を通過しておくに限る。
道を行き交う旅人の数は少ない。気がはやって、歩く速さがだんだん上がっていく。すれ違う人にギョッとされては、あわてて速度を落としたりした。心は浮き立ち、陽気に笑いながら、剣闘士時代の苦労話に花を咲かせる。
そんな、緊張感を保ちつつも楽しい旅は、猛烈な速さで駆けてくる馬の嘶きによって遮られた。
土埃を上げて駆けてきた馬は、一声嘶くと俺たちの前に止まる。
慌てて武器を構えるも、降りてきたのはカリンとヨルマだった。
「なぜここに?」
「リクさん! やっぱりこの道でしたか。会えてよかった!」
まるで走ってきたかのように消耗して息を切らしているカリンを、ヨルマが厳しい顔のまま支えている。
「大変です。森が……、イリーナの森が!」
「これだけでも、充分だ」
転がっている兵士たちを踏み越えて、先に逃げた男たちが空けた穴から闘技場の外へ出ることができた。
道には兵士以外にも魔力吸引で倒れた通行人がいて、少し離れた場所には騒ぎに逃げ惑う人たちも見える。闘技場の入口から離れた場所なので、目につく人の数はさほど多くない。
『皆さん、二番の転移陣からアルハラの兵士が転移してきはじめました。転移陣を壊します。残った人を三番の転移陣へ誘導してください』
「クリスタ!お前は大丈夫なのか?」
『無事です。私は今、街の外の方にいます。こちらに転移して来た兵士は気絶させて送り返しました。仲間たちは先にイデオンに出発しています』
クリスタの声は、俺とアルとリリアナにしか聞こえない。
走りながらミルカとエレンとラーシュにも内容を伝え、三番の転移陣の場所を教える。三番は二番から内壁のすぐ内側まで、ほぼ真っすぐに走ったところにある。
『二番を破壊しました。私は三番の転移陣に移動して、そちらから街に戻ります』
クリスタの声がした。
町の外の方の二番と三番の転移陣は隣りあわせくらい近くにある。
クリスタもすぐにこっちに戻ってこれるはずだ。
「この道をまっすぐに行って内壁の手前に空き家がある。その庭のなかにあるんだ。クリスタがいるから、すぐにわかる」
「クリスタか。了解だよ。リクたちはどうするのさ?」
「二番の転移陣に取り残された奴がいないか確かめて、そいつらを連れていく。転移陣はもう一つあるから、三番には向かわないかもしれん」
「分かった。では互いに幸運を!」
「幸運を!」
◆◆◆
二番の転移陣のあった場所は、兵士と争う森の民で、騒然としていた。
祭りの中心地に近い場所には、観光できた旅行者や市民もいる。その多くは、近くの宿や店に避難してこわごわと外を覗いているようだ。
どこから湧いてくるのか、倒しても倒してもぱらぱらと集まってくる兵士たち相手に相手をしている森の民の剣闘士が辟易している。
「こっちに来い!」
一人が俺の声に気付いた。
「リクか!」
「そこはもう使えない。こっちだ」
二番の転移陣を放棄し、三人の男が走ってくる。急に逃げ出した剣闘士たちに、及び腰で対峙していた兵士たちは、反応できずに少し距離が空いた。
「これで全員か?」
「ああ。残りは俺達だけだ。もう他は女たちも皆転移したぜ」
「だったら加速して一気に走るぞ」
「転移陣は放っといていいのか?」
「ああ。そこの転移陣はさっき破壊したので、そこから後を追われることはない」
身体強化はもちろん全員使える。魔力を乗せて速度を上げれば、あっという間に後ろの騒ぎから遠ざかった。
「クリスタ、三番の転移陣はどうだ?」
『まだ使えます。ミルカさんたちはさっき着いて、転移しました』
「じゃあ俺達も三番の転移陣へ行く。もうしばらくそこを頼む」
通りを全力で走り抜ける俺達を、道行く人があっけにとられて見送る。彼らはこの後押し寄せる兵士たちに、さらに大きく口を開けて驚くだろう。
幸いこの辺りには今は兵はおらず、後ろから追いかけてくるやつらからもかなり距離を開けることができた。
「リクもクリスタも、無事だったんだな」
剣闘士仲間の一人だったヨナが、走りながら声をかけてきた。
「ああ、いろいろあったんだ」
「今までの勇者もそうやって助かってる奴らもいればいいんだけどよー」
「それは……そうだな」
ガルガラアドの宰相に聞いた話だと、多分他に逃げおおせた勇者はいない。
逃げ切ったら、みんなにそんな話もしよう。魔王がどうして魔王になったのか、そして今の魔族がどんなやつらかということも。
「ところで、そこのかわいい子は?」
かわいい子……。
今一緒に走っているのは、逃げ遅れた三人の剣闘士と、俺、アル、リリアナだ。
一人だけ小さくて、戦いに不似合いな薄絹を着て髪も肌も白い。確かに、これは聞きたくなるか。
「私か?私は元魔お……」
「そろそろ着くぜ!」
リリアナが軽い調子で、暴露しかけた。
アルがタイミングよく遮ったから良かったが。
そんな不穏な自己紹介はもう少し事情を説明する時間がある時にやってほしい。
内壁が目前に迫ってくると、一軒の家の庭からクリスタが出てきた。
足元には、数人腹や足を押さえて転がっている。先に逃げてきたミルカ達を追ってきた兵士だろう。
「みなさん無事で良かった。早く!」
クリスタの案内で空き家の庭に入る。周りの家では騒動を聞いて自宅に避難したのだろう、付近の住人たちが恐る恐るこっちを見ている気配があるが、気にしている暇もないし、放っとけばいい。どうせこの転移陣も破棄するのだ。
魔法陣に魔力を流し、全員そろってクララックの街を後にした。
◆◆◆
三番の転移陣から全員街の外に出ると、すぐさまリリアナが転移陣を破壊する。
俺たち以外に誰も転移してこないうちに、転移陣は完全に形を失った。それを皆、ただ黙って見つめる。
それから背後を振り返って、そんなに遠くないクララックの外壁を眺めた。
無事、逃げおおせたんだ。
ほうっと、大きく息をつく。
「俺達、もう……自由なのか……」
ヨナがみんなの気持ちを代弁するように、呟いた。
先に転移していたミルカ達も、一緒に頷く
「そうだぜ。自由なんだ」
「その代わりに、今度は生きるために魔物を狩って、作物を育てて。今まで以上に働いて戦わなきゃならないよ」
「ははは。さすが、ミルカ姐さんは現実的だ」
笑いながら、ミルカに手渡された荷物を受け取って、パパッと身支度を整える。この場所がいつまでも安全とも限らないからな。
三番の転移陣のところには、ほとんど物資を置いていなかったので、持って行けるのは保存食と水程度だ。
まあ、みんな武器は持っているし、イデオンまで平地を進むだけなら問題ない。
みんな、心持ち急ぎ足で荒れ地を歩いた。薮や低木に視界を遮られる荒れ地は、隠れ進むのに向いているが、歩きにくい。
「そろそろ街道に出ようぜ」
「ああ、そうだな」
アルの声掛けを機に、少し進路を北向きに変える。そのままもう少し進むと、細いが整備された街道に出るはずだ。
「リク、リリアナ、お前らのおかげだ。ありがとな」
小さい声でぼそっと言うアル。だが礼を言われるほどのことはないな。俺もリリアナも、やりたいことをやっただけだ。
返事代わりに、ただ肩をポンと叩いておいた。
さて、できるだけ目立たないように、通行人がいないタイミングを見計らって街道に出た。後はまっすぐイデオンに向かって進むだけだ。今のイデオンとアルハラの関係は悪くなく、国境の検問などあってなきがごとし。まだ今回の騒ぎは伝わっていないだろうから、今のうちに急いで国境を通過しておくに限る。
道を行き交う旅人の数は少ない。気がはやって、歩く速さがだんだん上がっていく。すれ違う人にギョッとされては、あわてて速度を落としたりした。心は浮き立ち、陽気に笑いながら、剣闘士時代の苦労話に花を咲かせる。
そんな、緊張感を保ちつつも楽しい旅は、猛烈な速さで駆けてくる馬の嘶きによって遮られた。
土埃を上げて駆けてきた馬は、一声嘶くと俺たちの前に止まる。
慌てて武器を構えるも、降りてきたのはカリンとヨルマだった。
「なぜここに?」
「リクさん! やっぱりこの道でしたか。会えてよかった!」
まるで走ってきたかのように消耗して息を切らしているカリンを、ヨルマが厳しい顔のまま支えている。
「大変です。森が……、イリーナの森が!」
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
辺境薬術師のポーションは至高 騎士団を追放されても、魔法薬がすべてを解決する
鶴井こう
ファンタジー
【書籍化しました】
余分にポーションを作らせ、横流しして金を稼いでいた王国騎士団第15番隊は、俺を追放した。
いきなり仕事を首にされ、隊を後にする俺。ひょんなことから、辺境伯の娘の怪我を助けたことから、辺境の村に招待されることに。
一方、モンスターたちのスタンピードを抑え込もうとしていた第15番隊。
しかしポーションの数が圧倒的に足りず、品質が低いポーションで回復もままならず、第15番隊の守備していた拠点から陥落し、王都は徐々にモンスターに侵略されていく。
俺はもふもふを拾ったり農地改革したり辺境の村でのんびりと過ごしていたが、徐々にその腕を買われて頼りにされることに。功績もステータスに表示されてしまい隠せないので、褒賞は甘んじて受けることにしようと思う。
本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?
今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。
バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。
追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。
シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる